こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
僕はいまから2年前に過労とパワハラで半年間も休職した人間です。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
過去は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は生々しく鮮烈に思い出されますよね。
第28回目はデンマークのArtillery(アーティレリー)の4枚目のフルレンスアルバム「B.A.C.K」です。
「B.A.C.K」は1999年リリースで、1999年は平成11年になります。平成11年は筆者が25歳のときに当たります。
■1999年の日本(wikipediaより)
◆コギャル文化が変質しヤマンバファッションが出現◆iモードサービスが始まり携帯電話・PHSの加入台数が5000万台を突破◆臓器の移植に関する法律に基づく初めての脳死臓器移植が実施◆日本銀行、ゼロ金利政策実施◆歌手・安室奈美恵の実母が義弟に殺害され、義弟も自殺◆西武の大物ルーキー・松坂大輔投手が日本ハム戦でプロ初登板を果たし、8回2失点の好投でプロ初勝利◆西村博之が2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)を開設◆NTTがNTT東日本とNTT西日本、NTTコミュニケーションズに分割 ◆第一勧業銀行と富士銀行、日本興業銀行の3行が持株会社を設立(現在のみずほフィナンシャルグループ)◆東海村JCO臨界事故発生 ◆ジャニーズ事務所のアイドルグループ・嵐がデビュー
◆ベストセラー:乙武洋匡『五体不満足』浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』さくらももこ『さくら日和』五木寛之『他力』山崎豊子『沈まぬ太陽』◆映画:『シン・レッド・ライン』『エネミー・オブ・アメリカ』『菊次郎の夏』『ハムナプトラ』『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』『マトリックス』『ファイト・クラブ』『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』...etc.
Artilleryは1982年にデンマークのコペンハーゲン近郊で結成されました。
デンマークというとメタル辺境の地というイメージですが、あのメタリカとスレイヤーが1981年結成、メガデスが1983年結成ですから、なんとArtilleryはスラッシュメタル最古参のバンドなんですね。
Artilleryは1990年の3作目「By Inheritance」でコアなスラッシュメタルファンに注目されました。
ひねくれたリフ、豊富なメロディーのアイデア、複雑な曲構成がてんこ盛りで、インテレクチュアルスラッシュ的なカテゴリーに分類されました。
しかしこの作品のあとバンドは一旦解散。
9年を経て再結成の機運が高まり制作されたのが本作「B.A.C.K」です。
まさに復活作に相応しい勢いのあるアルバム。
Artillery節といえる個性的なリフは健在ながら、ストレートに押しまくる作風となっています。
僕はこのバンド未聴だったんですがラジオ番組で1曲目の「Cybermind」の余りのカッコよさに痺れてCD買いました(笑)。
本作の大きな特徴はセッションドラマーのペル・モラー・ヤンセンのプレイ。
勢いと起伏があり跳ねるような若々しいドラムプレイがバンドサウンド全体を若返らせています。
ジューダス・プリーストがドラマーに若いスコット・トラヴィスを起用して超名盤「Painkiller」を作ったのを彷彿とさせますね。
フレミング・ロンスドルフのイカれた?ヴォーカル、ミカエルとモルテンのスタッツァー兄弟によるギタープレイもさらにソリッドに。モルテンはベースも兼任。
ペルは「B.A.C.K」のあとThe Hauntedに加入し10数年在籍するんですが、個人的にはArtilleryでのプレイが彼のスタイルに一番合っていますね。
スラッシュメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、スラッシュメタルも同じだ。おそらく50代、60代になっても愛聴するだろう。そう思っています。
筆者も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのArtilleryのように、粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。