こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
僕はいまから3年前に過労とパワハラで半年間も休職した人間です。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
過去は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は生々しく鮮烈に思い出されますよね。
第30回目はスウェーデンのMithotyn(ミソティン)の3枚目のフルレンスアルバムにしてバンドのラストアルバム「Gathered Around the Oaken Table」です。
Gathered Around the Oaken Tableは1999年リリースで、1999年は平成11年になります。平成11年は筆者が25歳のときに当たります。
■1999年の日本(wikipediaより)
◆コギャル文化が変質しヤマンバファッションが出現◆iモードサービスが始まり携帯電話・PHSの加入台数が5000万台を突破◆臓器の移植に関する法律に基づく初めての脳死臓器移植が実施◆日本銀行、ゼロ金利政策実施◆歌手・安室奈美恵の実母が義弟に殺害され、義弟も自殺◆西武の大物ルーキー・松坂大輔投手が日本ハム戦でプロ初登板を果たし、8回2失点の好投でプロ初勝利◆西村博之が2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)を開設◆NTTがNTT東日本とNTT西日本、NTTコミュニケーションズに分割 ◆第一勧業銀行と富士銀行、日本興業銀行の3行が持株会社を設立(現在のみずほフィナンシャルグループ)◆東海村JCO臨界事故発生 ◆ジャニーズ事務所のアイドルグループ・嵐がデビュー
◆ベストセラー:乙武洋匡『五体不満足』浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』さくらももこ『さくら日和』五木寛之『他力』山崎豊子『沈まぬ太陽』◆映画:『シン・レッド・ライン』『エネミー・オブ・アメリカ』『菊次郎の夏』『ハムナプトラ』『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』『マトリックス』『ファイト・クラブ』『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』...etc.
Mithotynは1993年にスウェーデンで結成されたヴァイキングメタル/ブラックメタルバンドです。
本当にスウェーデンもの好きですね。スウェーデンばっかりです。
繰り返しになりますが本作はこのバンドの最後の作品となりますが、本作の日本盤リリースに合わせて1997年の1stアルバム、1998年の2ndアルバムもサウンドホリックより発売されています。ファースト、セカンドとも日本盤は500枚しかプレスされていないそうです。
この作品の1曲目「Lord of the Ironhand」をラジオで聴いて即買いしました。
ヘヴィで勇壮なミドルテンポの曲です。
このバンドのサウンドはブラックメタルから派生したヴァイキングメタルと呼ばれるもので、反キリスト主義や悪魔崇拝がテーマではなく、北欧神話などを題材として、北欧の民族音楽調のリフやフレーズをふんだんにブラックメタルに取り入れたものと言えるでしょう。
当時僕はイエテボリのメロディックデスメタルにハマっていたんですが、その代表格In Flamesの初期のころの北欧民謡調サウンドをより濃く煮詰めていくとMithotynのような音楽になるんだと思います。
とにかく全曲捨て曲無し。
冒頭からラストまで、勇壮さと哀愁を帯びた神話上の戦いをモチーフにした重厚でドラマティックなアルバムです。
ヴォーカルは喚き型デスヴォイスと咆哮型デスヴォイスを効果的に使い分け、さらに野太い男声コーラスまで盛り込んでいます。
ツインギターが絡み合うミドルテンポのリフ主体の楽曲群ですが、随所で爆発的なスラッシュビートやブラストビートを用いて何度もクライマックスの渦に飲み込まれます。
「In the Crash of Arms」しかり「Hearts of Stone」しかり。
「The Guardian」はアコースティックギターで始まり哀愁のメロディーを帯びたミドルテンポから、慟哭のブラストパートに流れ込む名曲。
個人的に特に好きなのは、「Hearts of Stone」や「Chariot of Power」といった曲ですね。中盤で劇的なブラストパートで高揚せずにはいられません。何回聴いても身を震わせ涙を流してしまいます。素晴らしいですね。
日本盤ボーナストラックの「Bland Vargars Yl」も、これがボーナストラックか?と思うほど素晴らしいメロディックデスな名曲。必聴!
バンドのギター奏者、ステファン・ヴァイナーホールはバンドを解散させた後、すぐにニューバンドFalconer(ファルコナー)を始動。2020年に解散するまで9枚ものアルバムをリリースしMithotynの遺伝子を受け継ぎました。
僕はMithotynの3枚目とFalconerの1枚目しか持ってないんですが、Mithotynの1枚目、2枚目もYoutubeで聴くと良いですね。
Mithotyn/Falconerを聴き込むだけで、今後10年は楽しめそうです(笑)。
ヴァイキングメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、ヴァイキングメタルも同じだ。おそらく50代、60代になっても愛聴するだろう。そう思っています。
筆者も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのMithotynのように、粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。
【1stアルバム】
【2ndアルバム】
【サウンドホリックからリリースされた3rdアルバム】
【3rdアルバムの再発盤】