こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
仕事人間でしたがきっつい上司に潰され、5か月以上休職したのち復職しました。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
歴史は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は鮮烈に思い出されます。
第22回目はポーランドのVader(ヴェイダー)の2枚目のフルアルバム「De Profundis(デ・プロフンディス)」です。
「De Profundis」は1995年リリースで、1995年は平成7年になります。平成7年は僕が21歳でした。
■1995年の日本(wikipediaより)
◆1月:阪神・淡路大震災が発生する。犠牲者は6,434人に達し、第二次大戦後の自然災害では東日本大震災に次いで最悪のものとなった◆3月:地下鉄サリン事件発生。平時の大都市において無差別に化学兵器が使用されるという世界にも類例のないテロリズム。死者14人、負傷者6,300人にのぼった◆マイクロソフトのWindows95発売◆コギャルが出現しブームに
◆ベストセラー:野口悠紀雄『「超」勉強法』春山茂雄『脳内革命』松本人志『遺書』浜田雅功『読め!』堀田力『おごるな上司!』◆映画:『ナチュラル・ボーン・キラーズ』『フォレストガンプ』『レオン』『JM』『マークスの山』『アウトブレイク』『ショーシャンクの空に』『ダイ・ハード3』『アポロ13』『ウォーターワールド』『マディソン郡の橋』『クリムゾンタイド』『ブレイブハート』『007ゴールデンアイ』『ショーガール』『デスペラード』『学校の怪談』...etc.
90年代は米国のフロリダのデスメタルとスウェーデンのメロディック・デスメタルの全盛期でした。
僕が平成時代にハマったのもフロリダのデスメタルとスウェーデンのメロディック・デスメタルです。
そのなかでメタル辺境の地であったポーランドですが、このVaderというバンドは1983年に結成された古参のデスメタルバンドです。
スレイヤーの影響を感じさせるサウンドですが、スレイヤーは1981年結成でほぼ同時期に活動していたわけですから、Vaderはむしろ王道のヘヴィメタルをベースにして悪魔的で過激な世界観を表現しようとしていたとみるべきでしょう。
とはいうものの、Vaderはスレイヤーをより過激にしたようなゴリゴリのサウンドで、ギターソロもジェフ・ハンネマン&ケリー・キングに酷似していますし、曲構成もスレイヤーのそれに酷似しています。
「De Profundis」は2枚目の作品ですがそのときすでにバンドは10年以上のキャリアがあったわけで、唯一無二のVaderサウンドが完成されています。
冒頭の「Silent Empire」、「An Act of Darkness」は猛烈なブラストビートとスラッシュビートを繰り返すスピードナンバー。
3曲目の「Blood of Kingu」はゾクゾクするミドルテンポのバスドラムと正確無比なギターリフがシンクロする魔界の深淵を見るようなサウンドで僕的には本作のハイライトです。
Vaderのサウンドを支えるのはなんといってもドラマーのドックの恐ろしくキレと重さを兼ね備えたブラストビートですね。
ドックは2005年に死去しました。麻薬の影響と言われています。
「De Profundis」をはじめとする初期の作品はドックの生前の鬼気迫るプレイを堪能できます。
ドックの死によりバンドはドラマーを交代しながら現在イギリス人ドラマーのジェームズ・スチュワートを迎えて活動を継続しています。歴代ドラマーも強烈なドラミングでバンドを支えていますね。
バンドの創始者であるピーターは1965年生まれで現在50代半ばにもかかわらずこのパワフルな音楽をやり続けているのは凄いの一言です。
「De Profundis」は彼らの代表作と言えますが、僕はむしろ次にリリースしたカヴァーアルバムの「Future of the Past」や、その次の3rdアルバム「Black to the Blind」が好きだったりします。
「Future of the Past」はソドムやクリーターやテロライザーの曲を圧倒的なスピードと重さでカヴァーしていてオリジナルを凌ぐカッコよさです。
「Black to the Blind」はなんといってもアルバムラストを飾るタイトル曲のBlack to the Blindですね。猛烈なデスメタルですが同時にキャッチーでもある不思議な曲です。
デスメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、デスメタルも同じだ。おそらく50代、60代になっても愛聴するだろう。そう思っています。
僕も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのVaderのように粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。