こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
仕事人間だった筆者がきっつい上司に潰され5か月以上休職したのち、復職しました。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
歴史は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は鮮烈に思い出されます。
第17回目はBrutal Truth(ブルータル・トゥルース)の2枚目のフルアルバム「Need to Control」です。
「Need to Control」は1994年リリースで、1994年は平成6年になります。平成6年は筆者が20歳のときに当たります。
■1994年の日本(wikipediaより)
◆プレイステーションやセガサターンの登場でゲーム機戦争が一般メディアでも取り上げられる◆「関口宏の東京フレンドパークⅡ」や「開運!なんでも鑑定団」が放送開始◆松本サリン事件◆社会党の村山富市内閣発足◆関西国際空港開港◆大江健三郎氏がノーベル文学賞受賞◆ベストセラー:浜田幸一『日本をダメにした九人の政治家』永六輔『大往生』松本人志『遺書』◆映画:『クール・ランニング』『シンドラーのリスト』『ビバリーヒルズ・コップ3』『パルプ・フィクション』『スピード』『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』...etc.
Brutal Truthはベースのダン・リルカを中心にニューヨークで1990年に結成されました。
1枚目のアルバム「Extreme Conditions Demand Extreme Responses」のときは、ドラマーをスコット・ルイスが務め、彼のメカニカルでスピーディーなドラムサウンドがデスメタルな雰囲気を出していましたが、このバンドが「グラインドコア」な音になったのは、ドラムがリッチ・ホークに替わって制作された本作からです。
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メンバー全員があるスモーキーな植物を吸いながらレコーディングしたと思われる、バタバタとカオティックに叩きまくるリッチのドラム。
グイングインとうねりまくるダンのベースとブレント・マッカーシーのギター。
ロウなグロウルとギャーギャー喚き散らすケヴィン・シャープのヴォーカルも最高。
これぞグラインドコア!
2曲目以降、「Black Door Mine」「Turn Face」「Godprayer」「I See Red」「Judgement」「Brain Trust」「Choice of a New Generation」。
どの曲も圧倒的なスピード感とカオス感でカッコイイ。
THE GERMSの「Media Britz」もハマっています。
ところが、この作品で際立った重さで異彩を放つのが1曲目の「Collapse」ですね。
まさに「崩壊」「没落」「滅亡」「腐敗」というタイトルに相応しい。
ドゥーム/スラッジ的なスローナンバー。
アルバムジャケットも秀逸。Louis Gozikという人物の作品だそうですが、この作品の音楽性にマッチした「侍の切腹の図」。
このバンドは日本のS.O.Bなどのハードコア・パンクバンドからも影響を受けたそうです。
日本と日本のハードコア・パンクへのリスペクトだと思いたい。
バンドは以後、主だった作品としては、名プロデューサーであるビリー・アンダーソンが手掛けた1996年の「KIll Trend Suicide」と、1997年の「Sounds of the Animal Kingdom」を残して、1998年にいったん解散しました。
「Sounds of the Animal Kingdom」は、更にスケールの大きい混沌を表現した名作となりました。
バンドの華々しい最期に相応しい。
グラインドコアをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、グラインドコアも同じだ。おそらく50代、60代になっても愛聴するだろう。そう思っています。
筆者も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのBrutal Truthのように、粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。