こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
熊本県の菊池広域連合消防本部で、40代管理職の方が自殺したパワハラ事件を約2年前記事に取り上げていました。
自殺に追い込んだ経緯が異常だったし、僕自身も40代でパワハラ被害経験者なのでこの事件を忘れることができません。
そしたら、今年(2023年)、遺族が約1億1850万円の損害賠償を求めて提訴しました。
あらためてこの事件の異常性を振り返ろうと思います。
RKK熊本放送のサイトでは、詳細に事態の推移をまとめています。
▶1998年ごろから2019年ごろ
月に3~4回ほど夜勤明けに上司が自宅訪れ、遅い時は夕方ごろまで業務の指導を受けた▶2018年4月ごろから2019年12月ごろ
勤務中に別部署の上司から業務指示を受けた。その上司は業務知識に関する問題を出したり、台帳整理を依頼したりした。▶2019年10月ごろ
担当ではない500~600冊ある台帳の分類業務を指示された。上司の借金の連帯保証人にされたり、業務外の火災報告書の作成などを指示され、飲み会への送迎もさせられた。
▶2020年1月18日
不眠・不安焦燥感・胃痛・手足の発汗が出現▶1月21日
うつ病・自閉症スペクトラム障害・統合失調感情障害などで入院
▶3月19日 退院(~31日まで病気休暇)
▶4月3日 仕事復帰
▶4月2日と10日 出金に対する不安で受診
▶4月13日 再び入院
▶4月19日 自殺を図る
▶4月28日 低酸素性脳症で死亡
【Photo:熊本日日新聞】
約20年にわたり、毎週のように24時間勤務明けに自宅に押しかけ「反省会」と称する長時間の業務指導をやったり、内線電話で業務に関するクイズを出題したり、担当外の業務をさせたり。
極めつけは「借金の連帯保証人」までやらせています。
この上司の壊れ方は、もう犯罪者レベルですね。
ところが、先日のニュースでは、広域連合側が裁判に出廷せず、答弁書で請求を棄却するよう求め争う姿勢をみせたというじゃありませんか。
裁判の素人なので分かりませんが、とても不誠実な対応のような気がしますね。
複数の上司が関わっているようですし、第三者委員会はパワハラと認定。公務災害も認められました。
やはり広域連合側の責任も問われなければならないと思うのですが。
各報道では、「争う姿勢」というのがクローズアップされているので、極めて広域連合側の印象が悪くなると思うんですが。
広域連合側としては、すでに当事者を処分しているので済んだと思っているんでしょうね。
しかし、この元上司、停職6か月、2階級降格の懲戒処分のみ。
依願退職らしいですが、退職金貰っているんでしょうね。
遺族側が1億円以上の損害賠償を求めるのは当然であると思います。
広域連合側に誠意が感じられなかったのでしょう。
それにしても、前にも長崎県警のことで書きましたが、救急救命士という緊張を強いられる職務、長時間勤務や不規則労働、これに上司の執拗なパワハラが重なると、相当な精神的プレッシャーとなり、重大事件に発展します。
部下にとって、上司との信頼関係や上司の評価は絶対的なものです。
それが根底から崩れると、簡単に自己肯定感を失って限界を超えてしまいます。
高い志と鍛え上げられた心身を持つ消防署職員といえども、人間です。
異常な環境に晒されて、ひどい扱いを受け、貴重な人材を失ったということに、やり場のない怒りを感じます。
遺族のことを思うと本当に無念で、心が痛みます。
本日の記事は以上です。