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厚生労働省の「パワハラ相談員」だった上司が部下に「パワハラ」して退職に追い込んだ件について

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

またパワハラ関連のニュースについて思うことを書きます。

 

厚生労働省の「パワハラ相談員」だった上司が部下に「パワハラ」して、その部下を不安障害やうつ病、そして退職に追い込んだというニュースです。

 

この件について毎日新聞が比較的詳しく記事にしていました。

 

mainichi.jp

 

厚生労働省の職員だった男性(当時29歳)がうつ病を発症したのは、「パワーハラスメント相談員」だった上司によるパワハラが原因だとして、厚労省が公務員の労災に当たる「公務災害」に認定していたことが分かった。

男性は「死ね」などの暴言や罵倒を繰り返し受けていたという。厚労省は近く上司を懲戒処分する方針。

厚労省が3月2日付で男性に公務災害補償通知書を送付した。上司によるパワハラで不安障害とうつ病を発症したことを認めた。

男性によると2017年4月、政策の策定や評価などを担う政策統括官に異動。

着任後すぐ、省内のパワハラを防止するため各部局に配置された「パワハラ相談員」を務める上司から「(おまえを)潰してもいいのか」と言われた。

その後も「死ねっつったら死ぬのか」などの暴言や、同僚の前での罵倒、無視などを繰り返された。

月130時間以上の時間外労働が続いたこともあり、男性は外部通報窓口や産業医などを通じてパワハラや業務過多を訴えた。

しかし職場環境は改善されず、男性は18年12月に休職。不安障害とうつ病と診断され、復職を果たせぬまま20年3月に退職した。

男性は退職直前に公務災害の存在を知り、パワハラの証拠や診断書、残業時間の記録など300ページに及ぶ資料をまとめ、申請書と一緒に提出していた。

男性は毎日新聞の取材に「公務災害の認定はされたが補償の見通しは何も示されず、休職中に受け取った傷病手当金の返還だけを求められている。きちんと補償し、再発防止につなげてほしい」と訴えた。

厚労省は職場のハラスメント撲滅に向けたさまざまな政策を進めている担当省庁だが、職場内の問題を解決できなかったことについて男性は「労働者の権利を守る省だとは思えないひどい職場だ」と涙ながらに語った。

 

被害者の男性は、着任後すぐ上司から「死ね」などの暴言や罵倒を繰り返された。

この職場では月130時間以上の時間外労働が続いていたということです。

長時間労働の是正を進めなければならないはずの厚生労働省が、過労死ラインを大きく超える長時間労働をしていたということですね。

 

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ホーム|厚生労働省

 

被害者の男性は自ら300ページに及ぶ資料をまとめ公務災害申請をしました。

外部通報窓口や産業医に相談していたが職場環境は改善されなかったらしいです。

 

ちなみに過労死ラインとは、病気や死亡、自殺に至るリスクが高まる労働時間のことであり、それらの害が労働に起因するものだと認定する基準のことをいいます。

法律上では、「発症前1ヵ月間に100時間」あるいは「発症前2~6ヵ月間平均で80時間」を超える時間外労働の場合は、業務と発症との関係性を認定できるとされています。

 

僕は一昨年パワハラ上司に潰されて精神科で診断書を書いてもらって半年間の休職生活を経験しました。

ですので休職から退職に至ったこの男性の心中を察して他人事ではない思いです。

 

比較的詳しく報じている毎日新聞ですが、この記事でも不明な点は多いですね。

この上司は「パワハラ相談員」ということ以外書かれていません。

 

パワハラ相談員がパワハラしたということはともかく、コイツが40代なのか?50代なのか?

僕は50代上司のパワハラを受けましたので、「バブル世代特有のパワハラ気質」というものがあるのではないかと思っていますが、この上司の年代は報じられていません。

 

この被害男性は自ら公務災害申請をして、認定は受けたものの補償の見通しは何も示されなかったということらしいです。

「休職中に受け取った傷病手当金の返還だけを求められている」とはどういうことでしょうか?

なぜ返還しないといけないんでしょうか?

傷病手当金に替えて、保障がされるということなら分かりますが。

 

そして、外部通報窓口や産業医が機能していません。

まったく意味がない制度ということが明らかです。

 

最後にこれを強調しておきたいですが、パワハラ長時間労働はセットになっているケースが多いのではないかということですね。

月130時間以上の時間外労働というのは、普通に考えると頭がおかしくなってくるレベル。

このレベルになってくると職場を離れても寝ている時間以外は仕事が頭から離れなくなってくる。

 

このパワハラ上司自身がおそらく長時間労働により精神に変調をきたしていた。

被害者の部下が着任後すぐパワハラの言動を受けたということだからですね。

 

着任した部下が、スーパーマンのように仕事を片付けてくれるのではないか。

そんなありえないことを考えていた可能性があります。

部下が期待した通りの仕事をしてくれなかった。だからパワハラの言動に及んだ。

 

長時間労働が精神に悪影響を与え、パワハラ気質の上司を生み出していく。

僕はこの症状に、何らかの病名をつけるべきだと思いますね。

 

本日の記事は以上です。

 

【2022.7.21追記】

中野信子さんは著書『サイコパス』において、パワハラ気質の上司すなわちサイコパスについて言及しています。

カナダの犯罪心理学者、ロバート・ヘアという人が「サイコパシー・チェックリスト(PCL-R)」というものを開発しているそうです。

つまりサイコパスかどうか自己診断するチェックリストです。

 

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