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Meshuggah『Nothing』(2002年)平成の回顧録的観点からメタルの名盤を振り返る44

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。

 

仕事人間でしたがきっつい上司に潰され半年くらい休職した経験があります。

 

休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。

 

さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。

そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。

歴史は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は鮮烈に思い出されます。

 

第44回目はスウェーデンのMeshuggah(メシュガー)の4枚目のフルアルバム「Nothing」(ナッシング)です。

「Nothing」は2002年リリースで、2002年は平成14年になります。平成14年は僕が28歳でした。

 

■2002年の日本(wikipediaより)

◆9月17日日朝首脳会談北朝鮮に拉致された日本人5人が帰国◆鈴木宗男辻元清美田中真紀子加藤紘一ら政治家の逮捕、辞職◆アゴヒゲアザラシのタマちゃんが話題に◆マイクロソフトが日本国内で「Xbox」発売◆デオデオとエイデンが経営統合エディオン設立。のちに石丸電気ミドリ電化が参加し日本最大級の家電量販店となる◆学習指導要領の見直しにより完全学校週5日制のゆとり教育がスタート◆住民基本台帳ネットワーク開始

◆ベストセラー:斎藤孝『声に出して読みたい日本語』◆映画:『オーシャンズ11』『地獄の黙示録・特別完全版』『ロード・オブ・ザ・リング』『ビューティフルマインド』『ブラックホークダウン』『コラテラル・ダメージ』『パニックルーム』『スターウォーズ・エピソード2/クローンの攻撃』『バイオハザード』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『マイノリティ・リポート』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『たそがれ清兵衛』...etc.

 

 

1990年代の僕はハードロックもヘヴィメタルも、手当たり次第にCDを買いまくって、レンタルしまくって聴きまくっていたんですが、2000年代になって、ちょっとメタル熱が落ち着いてきて、聴き込むバンドを厳選するようになってきました。

 

デスメタルブラックメタルグラインドコア、ドゥーム/ストーナーなどのエクストリームメタルを中心に、センスの良さそうな定評のあるバンドを厳選しました。

 

僕のメタル個人史的には、2000年代以降は新しいバンドを発掘することは少なくなって、ほとんど推しのバンドとその派生バンドを中心に追いかけるようになっていきます。

いや、派生バンドだけでも結構な数になりますけど。

 

ずっと推しバンドであるMeshuggahが、2002年にリリースしたのが本作「Nothing」です。

スウェーデンメロディック・デスメタル全盛のなかで、孤高のエクストリーム・メタル、プログレッシブ・デスメタル、「Djent(ジェント)」バンドとして独自のアート作品を生み出し続けています。

 

今現在僕のなかでは、孤高のアートバンドといえるのはMeshuggah、Cynic、そしてAnimals as Leadersですね。

Meshuggahのアルバムのなかでも一番好きなのがこの「Nothing」です。

 

初期のMeshuggahはリードギタリストのフレドリック・トーデンダルが作曲面で主導権を握っていて、彼のフュージョン・ロックのようなギターソロもフィーチャーされたテクニカル・デスメタルバンドだったんですよね。

 

それが徐々に変化していったのは、バンドにリズム・ギタリストのマルテン・ハグストロムが入ったからなんですよ。

彼がフレドリックとともに創作面を担ったからこそ、バンドのサウンドにヘヴィな厚みが加わって、唯一無二のジェント・サウンドが形成されていったんです。

 

マルテンが本格的に作曲に携わるようになったのは、前作の「Chaosphere」からで、これ以降、マルテンが作曲の中心的な役割を担うようになります。

 

バンドが本格的な全盛期を迎えるきっかけとなった作品が、この「Nothing」だといえるでしょう。

このアルバムは非常にヘヴィでエクストリームであると同時に、起伏があってキャッチーで、ある意味聴きやすい作品に仕上がっています。

僕は2008年の「ObZen」も同路線の作品だと思っていて、両作品とも特に大好きです。

 

さて、「Nothing」です。

冒頭の「Stengah」はリフがキャッチーかつパワフルなグルーヴがあります。

これはマルテンの曲ですね。

本作はフレドリックとマルテンがほぼ半々に作曲を行っており、曲順を交互に配しています。

2曲目「Rational Gaze」4曲目「Closed Eye Visuals」5曲目「Glints Collide」8曲目「Spasm」はフレドリックの曲。

3曲目「Perpetual Black Second」6曲目「Organic Shadows」7曲目「Straws Pulled at Random」9曲目「Nebulous」はマルテンの曲です。

 

ドラマーのトーマス・ハーケも1,5,6,8の曲作りに関わっています。

最近はあまり曲を作らなくなったフレドリックですが、このころはガッツリとグルーヴ感タップリの曲を作ってます。

アルバム全体を通して、ヘヴィグルーヴと変拍子リフをテンコ盛りにした作品となっています。

 

なかでも必聴なのが、「Straws Pulled at Random」ですね。

ヘヴィでアップテンポなリフで幕を開けるんですが、後半になんとも心地よいグルーヴパートがありまして、ちょっとフュージョンのような浮遊感もあります。

もうこのパートが病みつきでクセになります。

何度聴いても飽きない大好きな曲ですね。

 

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フレドリック・トーデンダルも各曲で変態的なギターソロを弾きまくっていますね。

また、このアルバムのジャケットアートを創作しているのは、ドラマーのトーマス氏です。

彼は驚異的なドラミングだけでなく、作詞作曲やアルバムコンセプトやアートコンセプトも手掛けており、本当に多才な人ですね。まさにアーティストです。

 

プログレッシブ・デスメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、プログレッシブ・デスメタルも同じだ。おそらく50代、60代になっても愛聴するだろう。そう思っています。

僕も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのMeshuggahのように粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。 

 

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