こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
仕事人間でしたがきっつい上司に潰され、5か月以上休職したのち復職しました。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
歴史は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は鮮烈に思い出されます。
第20回目はスウェーデンのDark Tranquillity(ダーク・トランキュリティ)の6枚目のフルアルバム「Damage Done(ダメージ・ダン)」です。
「Damage Done」は2002年リリースで、2002年は平成14年になります。平成14年は僕が28歳でした。
■2002年の日本(wikipediaより)
◆9月17日日朝首脳会談。北朝鮮に拉致された日本人5人が帰国◆鈴木宗男、辻元清美、田中真紀子、加藤紘一ら政治家の逮捕、辞職◆アゴヒゲアザラシのタマちゃんが話題に◆マイクロソフトが日本国内で「Xbox」発売◆デオデオとエイデンが経営統合でエディオン設立。のちに石丸電気、ミドリ電化が参加し日本最大級の家電量販店となる◆学習指導要領の見直しにより完全学校週5日制のゆとり教育がスタート◆住民基本台帳ネットワーク開始
◆ベストセラー:斎藤孝『声に出して読みたい日本語』◆映画:『オーシャンズ11』『地獄の黙示録・特別完全版』『ロード・オブ・ザ・リング』『ビューティフルマインド』『ブラックホークダウン』『コラテラル・ダメージ』『パニックルーム』『スターウォーズ・エピソード2/クローンの攻撃』『バイオハザード』『ハリー・ポッターと秘密の部屋』『マイノリティ・リポート』『ギャング・オブ・ニューヨーク』『たそがれ清兵衛』...etc.
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90年代は米国のフロリダのデスメタルとスウェーデンのメロディック・デスメタルの全盛期でした。
比べて2000年代のエクストリームメタルというのは個人的には停滞期でしたね。
CDは買いまくっていたんですが、ややメタル熱は冷めていました。
そんななかで2002年にリリースされたのが本作「Damage Done」です。
Dark TranquillityはIn Flames、Edge of Sanity、Dissection、At the Gates、Arch Enemyなどとともに、まさにスウェーデン・メロディック・デスメタルの黎明期を代表するバンドですね。
ほかのバンドがスタイルを変えたり勢いを失っていくなかで彼らは30年間自らのスタイルを貫いてコンスタントに良作を発表してきました。
まさにメロデス界のアイアンメイデンといっていいかもしれません。
僕自身は彼らのアルバムを入手し続けていたもののここ15年くらいほとんど聴いていなかったんですよ。
寝かしてたんです。
それが令和になって急にダートラ熱が湧き上がってきたんです。
2020年の「Moment」時点でフルアルバムを12枚出していますが、どれも聴き込めば聴き込むほどに味わいが増すスルメのような作品ばかりですね。
先ほど90年代がメロデスの全盛期だったと書きましたがDark Tranquillityは2000年代に最盛期を迎えたと思っているんですよ。
「Damage Done」(2002)「Character」(2005)「Fiction」(2007)という3部作はまさに彼らの最高傑作と言えるでしょう。
「Damage Done」ですね。
彼らの良さというのは各メンバーがそれぞれ楽曲のアイデアを持ち寄りチームワークというか協働であの独特のダートラ節を創り上げていくところにあるんですが、このアルバムからの3部作に特にそれが出ています。
ヴォーカルのミカエル・スタンネはアグレッションを取り戻しましたし、プロデューサーのフレドリック・ノルドストロムの音作りは、始めはちょっとうるさいかなと感じるんですが非常に良い仕事をしています。
前作「Haven」のまえにギターのフレドリック・ヨハンソンが脱退して(彼は曲作りで非常に良い働きをして初期のダートラを支えました)、ベースのマーティン・ヘンリクソンがギターにスイッチ。
専任ベーシストとしてミカエル・ニクラーソンという人物が加入しました。
【2022.1.30追記】フレドリック・ヨハンソンがガンとの闘病の末、亡くなってしまったそうです。
1995年発表のメロディック・デス・メタルを象徴する名盤「THE GALLERY」等で演奏したDARK TRANQUILLITYの元ギタリスト、フレドリック・ヨハンソンがガンとの闘病の末、1月25日に逝去。享年47。R.I.P. Fredrik Johansson.https://t.co/jjQNChcjqi
— メタル雑誌BURRN! (@BURRN_) 2022年1月28日
このメンバーチェンジが「Damage Done」でとても良い方向に出たんですね。
マーティンの楽曲で1曲目の「Final Resistance」、マーティンとドラマーのアンダース・ジヴァーブの共作によるタイトルトラック「Damage Done」は本作のハイライトです。
本作全体を通して良い働きをしているベースのミカエルですが、特に「Damage Done」では力強いベースラインで見せ場を作っています。
メンバー6人中4人の共作である2曲目の「Hours Passed in Exile」、エロクトロニクス・キーボード担当のマーティン・ブランドストロムが曲作りに関わっている8曲目「Cathode Ray Sunshine」、ベースのミカエルが関わっている9曲目「The Enemy」、そしてマーティンとアンダースの合作で10曲目の「White Noise / Black Silence」など聴きどころ満載です。
In Flamesにとってのメインソングライターがイエスパー・ストロムブラッドだったように、僕的にはDark Tranquillityのキーマンはマーティン・ヘンリクソンだと思っています。
その彼は2016年をもってバンドを去ってしまいました。
その後、結成時からバンドを支えたギターのニクラス・スンディンとドラムのアンダースが相次いで脱退してしまうんですね。
非常に残念なことです。
後を埋めたヨハン・ラインホルツとクリストファー・アモットがダートラ節を引き継げるか心もとないですね。
メロディック・デスメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、メロディック・デスメタルも同じだ。おそらく50代、60代になっても愛聴するだろう。そう思っています。
僕も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのDark Tranquillityのように粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。