こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
僕はいまから2年前に過労とパワハラで半年間も休職した人間です。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
過去は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は生々しく鮮烈に思い出されますよね。
第26回目はRage(レイジ)の7枚目のアルバム「The Missing Link」です。
「The Missing Link」は1993年リリースで、1993年は平成5年になります。
平成5年は僕が19歳のときにあたります。
■1993年の日本(wikipediaより)
◆形状記憶ワイシャツや3つボタンスーツが発売され、話題となる◆スズキ・ワゴンRが発売され、ロングセラーとなる◆ナタ・デ・ココブーム◆横浜ランドマークタワー竣工◆ベストセラー:五木寛之『生きるヒント』遠藤周作『深い河』◆映画:『クリフハンガー』『月はどっちに出ている』『学校』『ゴジラvsメカゴジラ』『お引越し』...etc.
Rageはドイツで1986年に結成されました。
ドイツのメタルといえば、思いつきで言うとスコーピオンズやアクセプト、ハロウィーン、ガンマ・レイやブラインド・ガーディアンなんかが人気でした。
他にランニング・ワイルドやグレイヴ・ディガー、もっと過激でスラッシーなところでいくとソドムやクリーターやデストラクションなんかがいましたね。
1993年といえば僕がハードロックやメタルにハマった最初期のころで、当時某メタル雑誌編集長の酒井康氏がDJを務めていた「ヘヴィメタルシンジケート」というラジオ番組を毎週欠かさず聴いていました。
そこで次々と新鮮なハードロックやメタルのサウンドに触れたんですね。
レッドツェッペリンやディープパープルから始まってアイアンメイデンやジューダスプリーストからクイーンズライクやドリームシアターまで片っ端からむさぼるように聴きましたよ。
1993年にその「ヘヴィメタルシンジケート」でRageの「Firestorm」という曲を聴いてノックアウトされ、数日後には彼らのフルアルバム「The Missing Link」を手にしていたんですよ。
繰り返しになりますがこの「The Missing Link」という作品は僕がメタルにハマるきっかけとなる最初期のものの一つで、未だに愛聴しています。
ヘヴィでメロディアスなギターとドラムとヴォーカルのトリオバンドで、メタルの魅力のすべてが詰まった作品と言っても過言ではありません。
その直後にDeathやCarcassやメロディック・デスメタルなど、ダークで過激なデスメタルでありながら正統派HMのメロディやハーモニーをふんだんに取り入れたバンド群にのめり込んでいくわけです。
Rageのサウンドというのはヘヴィでスラッシーなところが僕的にはいわゆるジャーマンメタルというより、DeathやCarcassやスウェーデンのメロディック・デスメタルと同じカテゴリーに含まれるんですよね。
「The Missing Link」は僕がラジオを聴いて衝撃を受けた「Firestorm」で幕を開けます。
マンニ・シュミットのヘヴィでザクザクとした捻くれたギターリフ。
ヴォーカル&ベースのピーヴィー・ワグナーの歌メロ。
クリス・エフティミアディスの激しいツーバス・ドラム。
ミドルテンポの「Nevermore」や「The Pit and the Pendulum」、スラッシーでメロディアスな「Refuge」や「From the Underworld」など今でも愛聴する大好きな曲です。
6曲目「Certain Days」以降もラストの「Raw Caress」まで捨て曲なし。
この作品でのマンニ・シュミットというのはギターリフからソロプレイまで神懸かっています。
当時のRageがいかに充実していたかはYouTubeのライヴ動画で確認できます。
スラッシュメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、スラッシュメタルも同じだ。おそらく50代、60代になっても愛聴するだろう。そう思っています。
僕も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのRageのように、粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。