仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

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組織のしがらみから自由になり、世界を正しく見る教養を身につける

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

鎌倉時代の禅僧で、禅宗曹洞宗を開いた道元は、代表的な著書『正法眼蔵』で次のような話を書いています。

 

人、舟にのりてゆくに、目をめぐらしてきしをみれば、きしのうつるとあやまる。

目をしたしく舟につくれば、舟のすすむをしるがごとく、身心を乱想して万法を辨肯するには、自心自性は常住なるかとあやまる。

もし行李をしたしくして箇裡に帰すれば、万法のわれにあらぬ道理あきらけし。

 

現代語に訳してみると次のようになります。

 

人が舟に乗って移動しているとき、目をめぐらして岸を見ていると、自分の乗った舟は動かずに岸の方が動いているように誤って見えてしまう。

しかし目を岸から自分の乗っている舟に向けると、舟の方が動いているのがわかる。

これと同じように、私たちが間違った考えを持って物事を判断していると、自分の心だけは正しいと錯覚しているのが常である。

そこでもし、正しく修行をすることによって、外に向けていた意識を自分自身に帰して見ると、正しいと錯覚していた自分の心も移り変わるものであり、従って、すべてのものが無常(移り変わって定まっていないこと)であることも明らかとなる。

 

長く会社勤めをしていると、「何が正しい情報か」というのは無視され、「何が自分にとって都合がよいか」「誰がその情報を発信したか」ということが大事になります。

 

組織内の権力闘争、ポジション争いに勝ちさえすればよい。

 

「思い込み」や「偏見」、または「ポジショントーク」がすべてを支配します。

 

会社のトップは自分に近い側近の話しか聞かない。

 

無能な上司は、有能な部下の仕事を評価しないどころか、うっとうしいものとして排除します。

 

もうこういったことには、いい加減ウンザリさせられます。

 

しかし、そういう自分自身も、ポジショントークから逃れることはできません。

 

不利な状況に追い込まれ、健康を害して歪んだものの見方をしてしまうことはありがちです。

 

「思い込み」や「偏見」や「ポジショントーク」の影響を受けて、事実が歪められることがあります。

また、「伝言ゲーム」のように、情報が伝達されることにより正確さを失ってしまいます。

 

陰謀論」などが取りざたされるように、インターネットやSNSにより情報が氾濫して「真実とは何か」「正しい知識とは何か」がますます分からなくなっています。

この問題についてどう考えればいいのでしょうか?

 

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アンコンシャス・バイアスと情報の歪み

現代社会において、私たちは日々膨大な情報に触れています。

特にインターネットやSNSの普及により、情報の流通は加速し、誰もが情報の発信者となることが可能になりました。

しかし、この情報の氾濫は、私たちの思考や判断にさまざまな影響を及ぼしています。

 

特に「思い込み」や「偏見」、さらには「ポジショントーク」が絡むことで、事実が歪められることが多くなっています。

また、情報が伝達される過程で生じる「伝言ゲーム」のような現象も、正確さを失わせる要因となっています。

これらの問題を考える上で、まずはそれぞれの概念を明確にし、どのように私たちの認知や社会に影響を与えているのかを探っていきます。


1.アンコンシャス・バイアスとその影響

アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)は、私たちが意識せずに持つ先入観や思い込みを指します。

これは、過去の経験や社会的なステレオタイプに基づいて形成され、無意識のうちに私たちの判断や行動に影響を与えます。

例えば、性別や年齢、国籍に基づく偏見は、職場での評価や採用において不公平を生むことがあります。

このようなバイアスは、特に多様性が求められる現代の職場環境において、組織のパフォーマンスや社員のモチベーションに悪影響を及ぼす可能性があります。

無意識の偏見が原因で、特定のグループが不当に評価されることがあるため、組織は意識的にこれを克服するためのトレーニングや教育を導入する必要があります。


2.ポジショントークの影響

ポジショントークとは、特定の立場や利益を背景にした発言や主張を指します。

これは、特にビジネスや政治の場面でよく見られ、発言者が自らの利益を優先するあまり、客観的な事実を歪めることがあります。

 

ポジショントークは、情報の受け手に対して強い影響を与えるため、特に注意が必要です。
ポジショントークが行われる背景には、確証バイアス(自分の信念に合致する情報を重視し、反する情報を無視する傾向)が存在します。

 

このため、受け手は自らの信念を強化する情報に対して無批判になりがちです。

結果として、情報の正確性が損なわれ、誤った判断を下すリスクが高まります。

 

3.伝言ゲームと情報の歪み

「伝言ゲーム」は、情報が伝達される過程で内容が変化し、最終的に元の情報とは異なるものになる現象を指します。

これは、特に口頭でのコミュニケーションにおいて顕著であり、情報の正確さを損なう要因となります。

 

伝言ゲームの影響は、組織内のコミュニケーションやチームワークにおいても見られ、誤解や混乱を招くことがあります。

SNSやインターネット上では、情報が瞬時に広がる一方で、情報の正確性が確認されないまま拡散されることが多く、伝言ゲームのような現象が起こりやすい環境が整っています。

このため、情報の受け手は、情報の信頼性を見極める力が求められます。


4.情報の氾濫と真実の探求

インターネットの普及により、私たちは以前よりも多くの情報にアクセスできるようになりましたが、その一方で「真実とは何か」「正しい知識とは何か」がますます分からなくなっています。

情報の氾濫は、私たちの判断を曇らせ、誤った情報に基づく決定を下す原因となります。

 

このような状況においては、情報リテラシーが重要です。

情報リテラシーとは、情報を収集、評価、利用する能力を指し、特にインターネット上の情報を正しく理解し、活用するために必要なスキルです。

情報の信頼性を見極めるためには、情報源の確認や、複数の視点からの検討が不可欠です。


5.解決策と今後の展望
これらの問題に対処するためには、以下のようなアプローチが考えられます。


教育とトレーニン:アンコンシャス・バイアスやポジショントークについての教育を行い、社員が自らの偏見に気づくことができるようにする。

特に、リーダー層に対するトレーニングは重要です。


情報リテラシーの向上:情報の正確性を見極めるためのスキルを育成する。

これには、批判的思考や情報源の評価方法を学ぶことが含まれます。


オープンなコミュニケーション:組織内での情報共有を促進し、伝言ゲームのような誤解を避けるために、透明性のあるコミュニケーションを心がける。

 

多様性の尊重:多様な視点を取り入れることで、偏見を減らし、より包括的な意思決定を行うことができる。

これにより、組織のイノベーションを促進することが期待されます。


結論

現代社会における情報の氾濫は、私たちの思考や判断に多大な影響を与えています。

アンコンシャス・バイアスやポジショントーク、伝言ゲームといった要因が絡み合うことで、事実が歪められることが多くなっています。

 

これらの問題に対処するためには、教育や情報リテラシーの向上、オープンなコミュニケーションが不可欠です。

私たち一人ひとりが、情報の受け手としての責任を持ち、正しい知識を追求する姿勢が求められています。

 

スウェーデンの医師、ハンス・ロスリングの晩年の著書『ファクトフルネス』は、データや事実に基づいて世界を正しく理解することの重要性を説いています。

彼の死後にベストセラーとなりました。

 

組織のしがらみから自由になり、世界を正しく見る教養を身につけたいものです。

 

本日の記事は以上です。