こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
仕事人間だった僕がきっつい上司に潰され、5か月以上休職したのち先月復職しました。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
歴史は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は、昨日のように思い出されるので不思議なものです。
第5回目はCarcass(カーカス)の4枚目のアルバム「Heartwork」です。
「Heartwork」は1993年リリースで、1993年は平成5年になります。平成5年は筆者が19歳のときに当たります。
■1993年の日本(wikipediaより)
◆形状記憶ワイシャツや3つボタンスーツが発売され、話題となる◆スズキ・ワゴンRが発売され、ロングセラーとなる◆ナタ・デ・ココブーム◆横浜ランドマークタワー竣工◆ベストセラー:五木寛之『生きるヒント』遠藤周作『深い河』◆映画:『クリフハンガー』『月はどっちに出ている』『学校』『ゴジラvsメカゴジラ』『お引越し』...etc.
僕はこのアルバムをほぼリアルタイムで購入し、聴いたと記憶しています。
Carcassはイギリスのリヴァプール出身。「リヴァプールの残虐王」と呼ばれ、あのビートルズと同郷デス。
このジャケットアートワークは、なんと「エイリアン」のH・R・ギーガーが手掛けていて、「Life Support 1993」という作品です。
このバンドの1作目と2作目では、悪趣味を前面に出したグロいハードコアの音楽をやっていて一部のマニアの評価は高いものの、「粗い雑音」と形容できるものでした。
スウェーデン人ギタリスト、M.アモットが加入した3作目を経て、この「Heartwork」では音楽性が飛躍的に向上。ハードコアテイストを残しながら、アートワークに見合う優れた芸術作品となりました。
J.ウォーカーは2013年のインタビューにおいて、Carcassがメロディックデスメタルの創始者だという一般的な認識に対して不快感を表明し、デスメタルにメロディを導入したのではなく「シン・リジィやアイアン・メイデンの伝統的なハーモニーを導入した」と語っているそうですが、その通りだと思います。
名曲のタイトルトラックはもちろん、全曲でB.スティアーとM.アモットのツインギターサウンドが堪能できます。奇怪なリフと流麗なハーモニーが融合したカーカスサウンドが確立されています。
この後バンドは、何と20年後の2013年に「Heartwork」と同一路線の「Surgical Steel」という作品を出すことになります。素晴らしい偉業です。
僕も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのCarcassのように、粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。