こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
仕事人間だった僕はきっつい上司に潰され、5か月以上休職したのち、先々月復職しました。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していました。
さて平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
歴史は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は鮮烈に思い出されます。
第8回目はArch Enemy(アーチ・エネミー)の1枚目のアルバム「Black Earth」です。Black Earthは1996年リリースで、1996年は平成8年になります。平成8年は僕が22歳のときに当たります。
■1996年の日本(wikipediaより)
◆日本国内のウェブサイトが増加。1996年3月から翌1997年3月までの一年間に推定8.76倍増加した◆ポケットモンスター赤・緑(任天堂)やたまごっち(バンダイ)といったゲームが発売されヒット◆歌手安室奈美恵のファッションを真似たアムラーが出現する◆女子高生にミニスカートやルーズソックスが流行◆女子高生の援助交際が社会問題化。『援助交際 - 女子中高生の危険な放課後』(黒沼克史)がヒットし、流行語大賞にもノミネート◆原爆ドームが世界遺産に登録
◆ベストセラー:渡辺淳一『失楽園』野口悠紀雄『「超」勉強法』◆映画:『Shall we ダンス?』『岸和田少年愚連隊』『キッズ・リターン』『スワロウテイル』...etc.
Arch EnemyはCarcassに在籍していたマイケル・アモットを中心に1995年にスウェーデンで結成されました。
スウェーデンは当時、デスメタルにメロディーやハーモニーを取り入れたバンドが割拠していて、フレドリック・ノルドストロムいう名プロデューサーのいるスタジオがあり、メロディックデスメタルの聖地と呼ばれていました。
そのArch Enemyのデビューアルバムである本作は、フレドリックの砂嵐の轟音のような音作りに、マイケルの弟、クリスとのツインギターサウンドが飛翔する、いわゆるメロディックデス、メロディックデスラッシュと形容される音楽の一つの型を創り上げました。
本作はこのジャンルにおける名曲中の名曲、「Bury Me An Angel」で幕を開けます。
轟音であると同時にメカニカルなダニエル・アーランドソンのドラムに支えられた速いデスラッシュパートに始まり、アモット兄弟によるツインギターハーモニー、そして急激なテンポチェンジによるドゥームパートへと雪崩れ込んでいきます。
最後の抒情的ともいえる佳曲「Fields of Desolation」まで、一気に爆走する32分の構成です。
本作のアートワークは、韓国系で米国在住の女性アーティスト、Miran Kimという人物の作品のようです。素晴らしいですね。音楽がどれだけ素晴らしくても、その音楽世界を表現する優れたアートワークでなければ名盤にならない。そう確信します。
バンドは1999年の3作目までヨハン・リーヴァがヴォーカルを務めますが、突如ヨハンを解雇。2001年の4作目「Wages of Sin」で女性ヴォーカリスト、アンジェラ・ゴソウを起用。しかも、更にArch Enemyサウンドをサタニックに演出するパワフルなデスヴォイス。このメンバーチェンジに、当時の私は天地がひっくり返るほど度肝を抜かれました。
その後バンドは、アンジェラのヴォーカルで、ヨハンの曲を再録した「The Root of All Evil」という作品を2009年に発表しています。ネットの評価は余り良くありませんが、「Bury Me An Angel」他、ほとんどの曲でアレンジを変えており、僕はこの作品が大好きです。
残念ながらバンドは、個人的には5作目以降、急激に作品のクオリティが下がったまま現在に至っています。
2014年に加入した元Nevermoreの米国人ギタリストのジェフ・ルーミスは、ギターテクニック、ソロプレイが秀逸で、この手のエクストリームミュージックの曲作りが抜群に上手い。
何故バンドが5年以上も飼い殺しにしているのか理解に苦しみます。
是非ジェフが全曲で曲作りを主導して、新作を完成させてもらいたいと願っています。
デスメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、デスメタルも同じだ。おそらく50代、60代になっても愛聴するだろう。そう思っています。
僕も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのArch Enemyのように、粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。