こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
先日、下の双子の娘たちが母親といっしょに「キッザニア」に行ってきました。
うちは田舎なので電車で街まで出かけてですね。
いろいろ体験して娘たちは喜んで帰ってきたんです。
聞いたら、夏休み価格ですごい安かったみたいです。
親子3人でいろんな職業体験施設を回って、5時間で5千円弱だったって。
普段だとその倍くらいの料金みたい。
ヤマト運輸、ネットフリックス、三菱鉛筆(uni)、消防署などを体験したみたい。
それぞれの制服に着替えてですね。
キッザニアって、メキシコが本社らしいです。
キッザニアのビジネスモデルって実はすごいですね。
ちょっとあざとい感じがあって、いかにも「ビジネス」って感じがあまり好きではないんですが。
子どものころから遊びのなかに絡めた職業体験を経験させる。
そういう経験が「遊び」と「仕事」を融合させ、働くことへの心理的ハードルを下げさせる。
将来、社会に役立つ創造性を発揮する人材が出てくるかもしれません。
それだけじゃなく、企業側にとってプロモーション活動の場であるんですね。
子どものころから、出店企業の良いイメージを植え付けるのに恰好の場なんです。
子供向けの会社説明会、企業説明会ですよね。
さらに、子どもは正直です。
子どもから事業に関する多くのヒントを得られる。
子どもがつまらなそうにしてたら、そんなつまらない仕事に人は来ないだろうし、どうやったら仕事が、事業が楽しくなるか、企業担当者も考えますよね。
企業がキッザニアのスポンサーになるメリットありまくりですね。
企業側がこぞって出資しているかもしれない。
WIN-WINのビジネスモデルではないかと。
【キッザニア公式ロゴ】
最初、キッザニアに行ってくるって聞いたとき、「へぇ、そう」くらいだったんですよ。興味なかったんです。
僕自身が、働くこと大嫌いですから。
そしたら、行く前から子どもたちノリノリで、すごく喜んで帰ってきた。
これは実はすごく良い体験施設なんじゃないかと。
何かやってやろうっていうとき、このWIN-WINのビジネスモデルは、結構ヒントになりますよね。
ところで、9月1日に「日経リスキリングサミット2023」というのがあったらしいですね。
いま僕が最も胡散臭いと思っている、「岸田文雄」と「日経新聞」のコラボですから、まったく信用できない取り組みなんですが。
僕も自分自身がキャリア的に行き詰ったということもあり、リスキリングや学び直しについて真面目に考える記事をアップしたりしてきたんですよね。
企業の論理で生産性向上ばかり謳っている日経新聞と、自分の哲学を持たず、財界の意向ばかり忖度している岸田文雄が組んで推している「リスキリング」を、僕はまったく傾聴に値しないものだと考えます。
疲弊した国民経済を、とにかく財政支出と減税で一刻も早く立て直せや!
しかし一方で、次のことも考えるんですよね。
ちょっと昔の本ですが、札幌大学名誉教授の鷲田小彌太さんが1991年に出した『大学教授になる方法』に次のようなことが書いてあります。
現代日本は、高度産業社会のまっただなかにある。この社会にふさわしい高度な知識や技術を習得するためには、長期の学習・教育・研究期間を必要とするのである。
高度生産性の社会が高度消費社会を可能にし、遊びそれ自体を目的とする時間に変化しつつある。
したがって、学習・教育・研究を長期間続け、一つの職場に縛られず、勤労から遊びへ重心を移すような生き方をしているモラトリアム人間こそ、現代にふさわしい存在なのである。
「モラトリアム」とは、米国の心理学者エリクソンが提唱した概念で、「学生など社会に出て一人前の人間となるのを猶予されている状態」を指します。
言い換えれば、子どもから大人になる過程で、自分探しをしている時期のことと言っていいでしょう。
一昔前は、モラトリアムってよく使われてましたよ。
鷲田さんがすでに30年前に言っていたように、「この社会にふさわしい高度な知識や技術を習得するためには、長期の学習・教育・研究期間を必要とする」というのはその通りだと思います。
最近ますますその流れは加速している。
それなのに、企業や社会は「即戦力」を求めている。
だからみんな仕事が辛いんですよ。
現代はますます高度な知識や技術を習得するのに時間がかかるため、社会に出てからも、働きながら学習や教育や研究する期間、すなわち「遊び」の時間が必要だということです。
オトナのキッザニアが必要ですよ。
もっと遊んだほうがいいってことですよ!
そういう意味でリスキリングが求められる世の中とは、鷲田さんが言うように、ますますモラトリアム型の生き方がふさわしい世の中になっていくということの表れだと思います。
本日の記事は以上です。