仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

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「リスキリング」「リカレント教育」。耳障りがいいだけの表面的な議論に騙されてはいけない

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

働きたくないビジネスマン、仕事したくないサラリーマンの皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

耳障りの良い、オブラートに包んだ言説には気を付けましょうという話です。

 

さる臨時国会で、岸田首相は「リスキリング」の支援に5年間で1兆円投資すると表明しました。

 

日経新聞社主催の「日経リスキリングサミット」というシンポジウムで、岸田文雄首相が登壇して次のように発言しています。

 

人への投資」と「企業間の労働移動の円滑化」を同時に進めることで、リスキリングした人材が、賃金の高いところやよりやりがいを持てる場所で活躍し、企業の生産性を向上し、さらなる賃上げを生むという好循環を作っていくことが重要です。

 

trrymtorrson.hatenablog.com

 

岸田さんの発言はもっともなんですが、そもそも「リスキリング」とは何でしょうか?

岸田さんの発言の趣旨に沿って言えば、「傾いた産業から成長産業に転職(労働移動)するために、職業訓練を受けて、必要なスキルを身につけること」と言えます。

 

ところで、一方「リカレント教育」ということがよく言われています。

 

「リカレント(recurrent)」とは、「繰り返す」「循環する」という意味で、リカレント教育とは、学校教育からいったん離れて社会に出た後も、それぞれの人の必要なタイミングで再び教育を受け、仕事と教育を繰り返すことです。日本では、仕事を休まず学び直すスタイルもリカレント教育に含まれ、社会人になってから自分の仕事に関する専門的な知識やスキルを学ぶため、「社会人の学び直し」とも呼ばれます。(政府広報オンラインより)

 

www.gov-online.go.jp

 

「リスキリング」

リカレント教育

最近よく言われていますね。

もっともではあるんですよ。

 

リスキリングもリカレント教育も混同しがちですが、厳密に言えば違うでしょう。

リカレント教育にはリスキリングも含まれていると考えてよさそうですが。

 

リスキリングのほうが、もっと具体的で切実のような気がするんですよね。

リカレント教育では、今の仕事をよりアップデートさせるため学びを続けるといった感じですが、リスキリングとは、「退職」「再就職訓練」「転職」というシビアな世界を想像するんですね。

 

政府広報オンラインより

「学び」に遅すぎはない! 社会人の学び直し「リカレント教育」 | 暮らしに役立つ情報 | 政府広報オンライン

 

最近よくメディアで言われるのは、次のような言説です。

 

イノベーターシップの土台になるのは教育です。

人生100年時代においては「定年退職後は退職金で余裕のある生活を送る」というのは過去の話になりました。日本の年金制度は、未来永劫労働力人口が増えるということが前提になっています。

100年も生きてしまうのであれば、必然的にお金を稼ぐ必要のある働く時間も伸びていくでしょう。そうなるとこれまでのように、大学卒業から定年まで1つの会社や業種で単線型のキャリアパスをすごすのではなく、転職や起業などの複線型のキャリア形成が必要になります。

さらに、技術革新がすさまじい勢いで進んでいる中では、新技術に対応したスキルを身につけ、AIや自動化の波が訪れても人間にしかできない能力や知見を身につけておく必要があります。そのためには学びつづける習慣が不可欠です。

今でも「リカレント教育」の重要性が指摘されていますが、これは一般に訳されている「学び直し」ではなく、文字通りに「反復して」「繰り返し」学ぶことだと捉えるべきです。学びつづけることは定年が視野に入っている世代だけに限らず、デジタル化やグローバル化によって今後ますます先の見えない世界で生き抜いていく若い世代にも関係することです。学びつづけることは人生を豊かにするチャンスを手に入れることなのです。

 

いちいちごもっともなんですよ。

僕もこのブログでさんざん「単線型」ではなく「複線型」のライフプランを考えようと書いてきたんです。

 

これは最近読んだ『デジタルマネー戦争』という本のなかに書かれていたことで、この本自体は面白かったんです。

デジタルマネーのプラットフォームで日本が国際競争に勝ち抜いてもう一度ナンバーワンに返り咲こうという内容ですね。

 

しかしです。

耳障りの良い言葉を並べて、実はいたずらに働く人たちを不安に陥れようとしているのではないでしょうか。

皆が出来ないことを、さも出来るかのように言うのは、絵に描いた餅です。

 

イノベーションを起こせるのは、数パーセントの人材に過ぎません。

残りの90数パーセントを「リスキリング」「リカレント教育」のふるいにかけて、切り捨てようとしてはいないでしょうか?

 

これは本当の意味での能力主義成果主義が導入されようとしている兆しですね。

あるいは米国流のジョブ型雇用が本格的に導入されようとしていると言えます。

 

 

「単線型ではなく複線型のキャリアプランを形成しよう」

「リスキリングやリカレント教育で人生を豊かにするチャンスを手に入れる」

確かにこういった流れは避けられないでしょう。

 

しかし、耳障りがいいだけの表面的な議論は絵に描いた餅です。

細野さんの言う「失業なき雇用流動化」の議論や制度設計が必要ではないでしょうか。

 

本日の記事は以上です。