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Cynic『Focus』(1993年)平成の回顧録的観点からメタルの名盤を振り返る⑥

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。

 

仕事人間だった僕はきっつい上司に潰され、5か月以上休職したのち先月復職しました。

 

休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。

 

さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。

そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。

歴史は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は鮮烈に思い出されます。

 

第6回目はCynic(シニック)の1枚目のアルバム「Focus」です。

「Focus」は1993年リリースで、1993年は平成5年になります。平成5年は僕が19歳のときに当たります。

 

■1993年の日本(wikipediaより)

◆形状記憶ワイシャツや3つボタンスーツが発売され、話題となる◆スズキ・ワゴンRが発売され、ロングセラーとなる◆ナタ・デ・ココブーム◆横浜ランドマークタワー竣工◆ベストセラー:五木寛之『生きるヒント』遠藤周作『深い河』◆映画:『クリフハンガー』『月はどっちに出ている』『学校』『ゴジラvsメカゴジラ』『お引越し』...etc.

 

Cynicはアメリカのフロリダで1987年に結成されました。

フロリダは当時、デスメタルバンドが割拠していて、スコット・バーンズという名プロデューサーのいるスタジオがあり、デスメタルの聖地と呼ばれていました。

 

先日、Deathの4枚目のアルバム「Human」について書きました。

僕は当時20歳前後だったと記憶していますが、「Human」のギターとドラムを演奏しているのがCynicのメンバーだと知り、すぐさまCynicの「Focus」を買いに走り、そのあまりの音楽性の高さに度肝を抜かれたのを覚えています。 

 

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デスメタルというフォーマットに、宇宙的というかオリエンタルなテイスト、ジャズ、フュージョンプログレの要素を持ち込み、特定のジャンルに収まらない音楽をやっています。

個々のメンバーの演奏技術、表現力の高さも驚愕でした。しかしバンドはこの1枚の作品を残して解散してしまいます。(個人的にはFocusに参加していたジェイソン・ゴーベルも好きでした。彼はGordian Knotというプロジェクトに参加したくらいで、ほとんどFocus以降のキャリアがないのがもったいない。今何をしているんでしょうか・・・)。

 

オープニング曲の「Veil of Maya」は、デスメタルをフォーマットとしながらもプログレッシブかつオリエンタルな曲で、もちろん素晴らしいです。

 

www.youtube.com

 

僕が個人的に大好きなのは2曲目の「Celestial Voyage」と、ラストの「How Could I」ですね。

「Celestial Voyage」は、「天空の航海」というタイトルに相応しく想像力を搔き立てられる佳曲。

「How Could I」は、何と言っても胸を締め付けられるようなギターソロを伴うアウトロが素晴らしいです。何度聞いても感極まってしまいますね。

 

繰り返しになりますが、脅威のテクニカル集団が、全曲にわたってジャンルの枠を超えた音楽を展開しています。

 

この後バンドのメンバーはそれぞれの音楽活動を行っていましたが、何と15年後の2008年に再結成のフルアルバム、「Focus」と同一路線の「Traced in Air」という作品を出し、世界中のマニアを狂喜乱舞させました。

 

バンドの頭脳でありフロントマン、ポール・マスヴィダル、ベーシストのショーン・マローンは健在で、彼らがいる限り活動を続けてくれるでしょう。

個人的には若い優れたセッションギタリスト、ミュージシャンを起用して、重層的なCynicの音楽作りに貢献して欲しいですね。

 

【2023.12.31追記】2020年1月、Cynicのドラマー、ショーン・レイナートが亡くなったというニュースを知り落胆。そして、同年12月にはベーシストのショーン・マローンも他界。

フロントマンのポール・マスヴィダルは、その悲しみを乗り越えて、僕が予想していたように若いミュージシャンを起用して、2021年に新生Cynicの「Ascension Codes」という素晴らしいアルバムを発表しました。

 

その音楽性の高さとともに、バンドのアートワークを手掛けたRobert Venosaの作品も素晴らしいです。

彼の作品があったからこそ、Cynicの音楽が芸術の域に高められたのではないでしょうか。

 

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Traced in Air (2008)

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Kindly Bent to Free Us (2014)

デスメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、デスメタルも同じだ。おそらく50代、60代になっても愛聴するだろう。そう思っています。

僕も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのCynicのように、粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。 

 

Focus

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  • アーティスト:Cynic
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Traced in Air

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Traced in Air Remixed

 

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