仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

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『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』坂本貴志 著

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

さて3年前に休職して以降、自分と向き合うために読書に力を入れることにしました。

当初は「年間100冊読もう!」と意気込んだのですが、2020年以降、毎年50冊ペースで読書しています。

それでも以前は年間2~3冊しか読んでなかったので、十分多読生活だと言えます。

 

休職してからたくさん本を入手するようになって、蔵書は190冊くらいになりました。

これまでに読んだ本はもちろん150冊超えているのですが、「読んでブログに100冊レビューを書く」ことを目標にしてきて、レビューも100冊を超えました。

読書の記録や蔵書の管理は「ブクログ」というアプリを使用しています。

 

booklog.jp

 

今回の読書レビューは、坂本貴志さんの『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』です。

坂本貴志さんはリクルートワークス研究所研究員・アナリストです。

 

この本はシニアの働き方について、厚生労働省リクルートワークス研究所の研究データを多数分析して、その実相に迫ろうという内容です。

なぜこの本を手に取ったかというと、僕はもうアラフィフで、シニアに片足突っ込んでいるとともに、仕事がしんどくてしんどくてたまらないからです。

これはいったいどういうことなのか?

これを少しでも解明したくてこの本を読んでみようと思ったわけです。

 

人生100年時代といわれて久しいわけですが、まだやっと半分いっただけで、これからあと何十年も働き続けるのかと思うと気が遠くなってお先真っ暗ですよね。

 

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この本にはたくさんのデータが紹介されていて、今現在のシニア、特に退職してから人々はどういう仕事にどのように向き合っているのかということがつまびらかにされています。

 

詳しくは本書を読んでいただきたいのですが、僕が特に気になった箇所について今回抜粋して紹介したいと思います。

 

心理学者のドナルド・E・スーパーという人が、仕事に対する価値観を体系的にまとめているそうです。

スーパーの研究結果をもとに、坂本さんが所属しているリクルートワークス研究所では、現代の日本人が働くうえで感じる価値観を整理しました。

それは大きく次の6つに分類できるそうです。

 

「他者への貢献」「生活との調和」「仕事からの体験」「能力の発揮」「体を動かすこと」「高い収入や栄誉」

 

▶「他者への貢献」人の役に立てること、社会の役に立つこと、仕事において自身の責任を果すこと、会社の成長に貢献すること

▶「生活との調和」無理なく仕事ができること、仕事をする場が快適であること、自分自身が望んだ生活をできること、幸せな家庭生活を実現すること、職業が安定して将来に不安のないところで働くこと、効率よく対価を得ること、毎日働くことで生活のリズムがつくこと、気の合う仲間と一緒にいること

▶「仕事からの体験」わくわくするような体験をすること、さまざまな人と交流する機会があること、いろいろな種類の活動をすること、新しいことを発見したり発展させたり考え出したりすること

▶「能力の発揮」自分自身の専門性を高めること、自分の能力を活かせる仕事をすること

▶「体を動かすこと」仕事において体を使って活動すること、一生懸命に体を使って仕事をすること

▶「高い収入や栄誉」昇進できること、高い収入を得ること、大きな意思決定ができるような権限権威を持つこと

 

仕事に対する価値観が網羅されていると思います。

何のために仕事をするのか?

自分自身が上の分類のどれに当てはまるのか、よく考えてみたいですね。

 

リクルートワークス研究所が実施した「仕事に対する価値観」の調査で非常に興味深い結果が得られたことが本書に書かれています。

 

20代のうちは、このような仕事に対する価値観を非常に感じています。

しかし、30代や40代になると、仕事を通じて感じる価値は急激に減少するというのですね。

そして、日本人は徐々に仕事に対して積極的に意義を見出せなくなり、50代前半に最も落ち込みの谷が深くなるらしいのです。

リクルートワークス研究所の調査結果で、そのことが分かったというのですね。

 

仕事に対して意義を見出せなくなるのは、30代以降の日本人の共通した悩みなのですよ。

 

坂本さんは次のように書いています。

 

定年が迫り、役職定年を迎える頃、これからの職業人生において何を目標にしていけばいいのか迷う経験をする人は少なくない。そうした現実がデータからうかがえるのである。

しかし、仕事に関して最も思い悩む年齢が50代前半だということはつまり、仕事に対して新しい価値を見出す転機もその年代にあるということもまた事実である。

 

繰り返しになりますが、仕事に悩んでいるのは自分だけではない。

日本人の30代以降の共通した悩みなのです。

 

このようなことを始めとして本書は、膨大な調査結果をもとに長期間働くことに対する示唆を与えてくれる一冊となっています。 

 

本日の記事は以上です。

 

☟『ほんとうの定年後 「小さな仕事」が日本社会を救う』坂本貴志 著(講談社現代新書