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積極的逃走。「戦うこと」と「逃げること」は同じ 『逃げる力』百田尚樹 著

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。

 

いま多読チャレンジをやっています。

 

俺は社畜じゃない、図太いメンタルを手に入れたい、というときに読んでもらいたいオススメの1冊を紹介します。

読書は成長に必要な自己投資です。

 

今回は、百田尚樹著『逃げる力』です。

前回『鋼のメンタル』という本をレビューしましたが、それの姉妹本みたいなものです。

 

僕は休職してまもなく『鋼のメンタル』を読んで、その数か月後に、『逃げる力』も書店で見つけて買って読みました。 

 

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百田さんの『鋼のメンタル』では、精神の耐久力を「ただ耐えて」つけるのではダメだという趣旨のことを書いていました。

 

「これ以上頑張ると潰れるかもしれない」と判断した時は、素早く逃げるべきです。自分の体くらい大切なものはありません。そして、逃げると決めたら、一刻も早く逃げるのです。そんな時に社会的体面や人間関係や義理などを考慮する必要はありません。逃げるときは何もかもほっぽりだして逃げるのです。逃げると決めたら、とっとと逃げましょう。人間関係なんか全部ぶっとばしてしまえるだけの「メンタルの強さ」を持ちましょう

 

僕は辛い仕事から逃げて休職したばかりだったので、「何もかもほっぽりだして、とっとと逃げていいのだ」と、何回も自分に言い聞かせましたね。

 

本書『逃げる力』では、この「逃げること」について、全編にわたり著者の考えが述べられています。

 

逃げることは、消極的で後ろ向きなことだと考えていないだろうか。実は逃げることは戦うことと同じくらい積極的な行動である。戦う時に分泌されるホルモン「アドレナリン」は、逃げるときにも分泌されるのだ。つまり生命にとって、「戦うこと」と「逃げること」は同じなのです。本当に大切なものを守るために、戦っても勝ち目がない、得るものがないと判断したら、さっさと逃げるべきである。だからまず、自分にとって大切なものは何か、しっかり見定めなければならない。

 

以上のまえがきに、著者の主張が全部集約されています。百田さんはこのことを「積極的逃走」と呼んでいます。 

 

ところが、現代では、そうした生き物が持つ根源的な判断力が退化している人が多いように思います。どう考えても逃げなければならないときに逃げなかったり、戦わなければならないときに戦わなかったり、というように、適切な判断を下さず、思考停止に陥って、固まってしまうのです。

いま若者は、成長の過程で他人と競争するという経験に乏しく、負けることに慣れていないのではないか。

そもそも人生における判断自体をする機会が以前よりも少なくなったのではないか。

 

この本は全8章で構成されています。

僕は仕事で疲弊して休職中という特殊な状況でした。

この本で興味を引いた点は次の3つです。

 

パワハラ上司から逃げるべきか

著者は、パワハラ上司と戦うか逃げるか腹をくくって判断しなければならない。一番良くないのは黙って我慢することだといいます。

我々の美徳は、まずたいてい、偽装された悪徳に過ぎない」(ラ・ロシュフコー

じっと報復のチャンスが来るのを待ち、相手がマネジメントなどで何らかのミスを犯したらそこを衝く。要は時には逃げる戦略的思考が必要だと。

僕にとってみれば休職という手段で、まさに職場でのポジションを全部捨てて糞上司から逃げたのですが、それまでやっていた仕事の分野に対する興味や関心をまったく失ってしまいました。

自分自身の心理状況を客観的に見ると、もう仕事や職場から離脱したということばかり考えて、視野狭窄に陥っていましたね。考え方が固い。もっと柔軟でいいのだ。

 

「引きこもり」は正しい「逃げ」か

著者は引きこもりや休養が必要なときもあるだろう。ただ、そこから動かず、社会生活のインフラや人の助けにただ乗りばかりするのはよくない、社会に対する役割を何一つ果たさないのは、社会的な動物である人間の生き方を放棄している、といいます。

確かにそうかもしれませんが、僕は本書全体の文脈とちょっと違う気がしましたね。

本書の流れから思ったのは、引きこもっていたら勝負感が失われてしまう。引きこもっていることは、勝負してないということではないか。勝ち目がなければ逃げることを選択すべきだが、勝てるチャンスを待って勝負しにいくべきだ、ということではないでしょうか。

 

仕事は幸せの絶対的基準になり得るか

著者は仕事が幸せの基準になることを否定しません。会社や事業を我が子のように育てたなら仕事を幸せの基準にすることもあるでしょうと。ただ、一般のサラリーマンであれば、自分自身の健康や家族に比べれば、仕事はいくらでも替えがきくでしょう、といっています。

 

僕は糞上司と糞職場から逃げましたが、これは「積極的逃走」だ。

歴史的英雄も皆無敗ではなく、逃げるときには鮮やかに逃亡している。

逃げるときにはしなやかに逃げる、そして勝負に行くときは勝ちに行く、判断力を鍛え、冷静で柔軟な状況判断を心がける。

じっとチャンスを待ち、勝ちに行く準備を怠らない。今は仕込み、種まきの時期だ。臥薪嘗胆、捲土重来を期すのだ。

 

本書を何回も読み返し、これらの言葉を胸に刻み込もうと決意しましたね。

興味があったら『鋼のメンタル』とあわせて読んでみてください。 

 

本日の記事は以上です。

 

☟『逃げる力』百田尚樹PHP新書

 

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