仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

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「育てた上司と育てられた部下」という馬鹿馬鹿しい無意味な茶番劇

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

つくづく「仕事」というのは厄介なものです。

お盆休みに入り、心身を休めているのですが、ふと仕事のことを考えると色んな楽しいことがスポイルされてしまいます。

 

45歳まではそれなりに充実していましたが、災難というか転機があって、仕事が厄介なものに変わってしまいました。

 

ここ5年間ずっと仕事とどう向き合ってよいか分かりません。

仕事の悩みの大半は人間関係の悩みと言いますが、昇進に失敗してからというもの、職場の幹部連中や、自分を追い抜いていった年下上司連中とどう付き合ってよいか分かりません。

それが、仕事に対する「しらけ」につながっているように思います。

 

最近、Xのポストで印象に残っているものを2つほど。

 

 

人事は「適材適所」といいますが、実態は「素直で従順」な人間がとんとん拍子に出世しています。

ひねくれていない、人当たりがよい、変に主観を交えない無難な人間です。

 

どこの会社もそうだと思いますが、たいてい幹部は派閥というか「お友だち人事」で固められて、その「お友だちの輪」を乱さない部下が優秀だとして引き上げられます。

 

多様性もダイバーシティもへったくれもありません。

まして、仕事に対する「思想」は邪魔だし、「正しさ」や「成果」すらも必要ではありません。

 

「自律人材」「自律的に動くヤツが欲しい」というのは、その「なんちゃって会社」の「お友だちルール」に沿った自律性です。

 

 

出世競争に敗退したから負け惜しみになりますが、ぱやぱやくんさんのポストを見てハッとしました。

 

「所属する組織に愛想が尽きた」

「仕事がなんか馬鹿馬鹿しいな・・」

「無意味な茶番劇」

 

職場復帰から4年近く経ったのに、仕事に対するやる気は回復せず、「しらけ」が日に日に大きくなっているのは、まさに仕事や人事が「無意味な茶番劇」にしか見えなくなってしまったからです。

 

会社に愛想が尽きて、「もう今年度いっぱいで辞めようと思います」といって転職できればいいですが、様々な情報を見聞きする限り、50歳過ぎてからの転職は一般的には「地獄」のようです。

 

元銀行員で作家の江上剛さんが最近のお気に入りで、江上さんの『会社という病』という本を買って読んでいます。

 

その本で江上さんは次のようなエピソードを書いておられます。

 

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企業では幹部社員の評価項目に「部下を育てる」というものがある。

しかし、そこで得た結論は、「部下は育てるものではなく、育つもの」ということだった。

育つ部下は、放っておいても育つ。育たない部下は育たない。そして上司という存在は、数多くの育たなかった部下のことはきれいに忘れ、偉くなった部下のことを「俺が育てたんだ」と吹聴してまわるのが嬉しくて堪らないのだ。

たいていは部下もその辺りを心得ている。偉くなった暁には、かつての上司に向かって頭を下げ、「あなたのお陰です」と感謝の言葉を捧げる。

そこまでならいい。問題が起こるのは、「育てた」と思っている上司が見事トップとなり、「育てられた」部下も順調に出世の階段を上っていった場合だ。さらに、育てられた部下もトップの座についたとき、組織は急激に歪み始めるのである。

 

江上さんはこう書いたうえで、会社における「中興の祖」とされる人物が、会社を蝕む厄介なガンになると指摘しています。

 

「育てた」上司が相談役となり、「育てられた」部下が銀行の頭取になった。

頭取は銀行のトップなのに、この相談役に逆らえなくなってしまうのだというのですね。

 

私は「デキる上司と有能な部下」の真の関係を垣間見たような気がした。頭取はいつまでたっても相談役の部下であり、相談役はいつまでも頭取の上司なのだ。この関係は変わることがない。社長や頭取という、名目上のトップになっても、実はその上にかつての上司が控えていて、いつまでたっても部下扱いされてしまうのだ。

 

江上さんのおっしゃる通りなのでしょう。

 

創業者でも何でもないのに、なぜか「中興の祖」として祭り上げられ、それに引き上げられた幹部連中は全員逆らえなくなっている構図です。

 

まさに江上さんが書いておられるようなことが組織を覆っています。

 

「育てた上司と育てられた部下」という関係性は、その組織内で機能して最後まで勤め上げた人間にとっては、至極真っ当なことであり、仕事人生そのものなんですよね。

 

しかし出世できなかった人間にとっては、これが上に書いた「しらけ」だったり「お友だち人事」だったり、自律した人間を「言うことを聞かない勝手なヤツ」として排除したりすることにつながっています。

 

かくして、幹部連中以外の大多数にとって、仕事が「馬鹿馬鹿しい無意味な茶番劇」となり下がるのです。

 

本日の記事は以上です。

 

☟『会社という病』江上剛 著(講談社+α新書)