40代オッサンtrrymtorrsonの雑記

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経団連が学校に喝「人材育成の気概を持て」という。気概を持つべきは経団連ではないのか?

 こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。

 

 コロナ禍で企業に雇用整理、人員削減の波が来ている。

 ‟人財"の育成を棚に上げ、内部留保を積み上げ、イノベーションへの投資を怠っていながら、数々の「提言」と称して政府に注文ばかりしている。

 経団連はいったい何を考えているのか?

 

 先日その経団連が、学校現場に「提言」しているニュース記事を見ました。

www.news24.jp

 

 ‟経団連が学校に喝「人材育成の気概を持て」”

 経団連は、AIやビッグデータの活用で社会が急速に変化していて、これに伴い、社会で求められている能力も変化しているとして、将来、活躍できる人材を育成するためには、学校教育や教員も変わるべきとする提言を発表した。

▶ ‟就活で初めて将来の仕事を考える”は遅い

▶ 教育デジタル改革 規制見直しも必須

▶ 未来を担う人材の育成 気概持て

(日テレNEWS 24)

 

 気概を持つべきは経団連ではないのか?

 コロナ禍での雇用整理や人員削減を傍観し、社会を支え家庭を支える中堅労働者、前途ある若者の将来を、何ら手を打つことなく就職氷河期のときのように切り捨てようとしています。

 経団連が手を打たずして、どこが手を打つというのか。

 その責任を棚に上げ、あろうことか学校現場、教員に負担を求めようとしている。

 ちょっとした驚きで開いた口がふさがりません。 

 

 以前、前屋毅さんの著書『ブラック化する学校』という本を取り上げました。 

      

 

 「少子化なのに、なぜ先生は忙しくなったのか?」という問題提起です。

 僕が思うに戦前戦後の教育は「軍隊の規律」という一つのものさしで当たれば良かった。しかし、「軍隊的教育」が崩壊してからは、学校が「第二の家庭」を担わなければならなくなった。そのため、子ども一人ひとりに合わせたものさしを用意しなければならなくなる。ざっくり言うと、それで先生は忙しくなったんだと思います。

 

 著者の前屋さんは1954年鹿児島県生まれのフリージャーナリスト。

 立花隆さんや田原総一朗さんの取材スタッフ、週刊ポスト記者を経て、フリーに。教育、経済、社会の問題をテーマに取り組んでいます。

 

 小学校教員の1日の平均労働時間は13時間。しかも基本的に残業代なし。土日も部活の指導(しかも手当がほとんど無し)。書類事務が多い。そして保護者・地域からの要望等への対応もある。

 文科省有識者会議で「自殺予防、いじめへの対応を最優先の事項に位置付ける」としているが、これが最優先なら、授業の準備や学校行事は「二の次にしていい」ということになる。しかし、そんなわけにはいかない。教員にとってはあれもこれも最優先である。最優先が一つ増えただけなのだ。教員は疲弊している。

 財務省にも問題がある。教育予算が削減されている。慢性的な教員不足、非正規教員の増加で学校の運営体制がいびつになる。頭数だけ増やすために年収80万ほどの非正規職員が増えている。子ども、子どもの親、地域に対する責任が一人の正規教員に集中し疲弊させている。そして、過労死の問題、精神疾患による休職が増加している。

 さらに、プログラミングや英語教育など、新しい社会に対応する多様で優秀な人材を育成する必要がある。先生と子どもに依然として競争を強いているのは、こういった産業界の要請である。IT人材の不足などを背景にして、産業界が求める人材像が、結果としていびつで根深い問題を生み出している。

 

 このように、文科省財務省、そして産業界の働きかけが、学校現場に過度の負担を強いていると著者は指摘しています。

 

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 先の「経団連の提言」では、企業と学校が共同でカリキュラムを開発したり、産業界から講師を招いたり、オンライン教育の際に教員の同席を求める規制を撤廃してはどうかと、具体的な提案をしてはいる。

 教職員の負担軽減、働き方改革を進めることが先です。

 しかし、末尾の「学校の教職員や教育委員会は、‟未来の社会を支える人材を育成している”という気概を持つことが重要である」とは何様のつもりだろうか?

 労働市場の自由化という名目で、「人を育てる」という責任を放棄しているのは産業界だと言わざるを得ません。

 

 繰り返しになりますが、‟未来の社会を支える人材を育成している”という気概を持つべきなのは、まず第一に産業界であり企業ではないのでしょうか。

 

☟『ブラック化する学校』前屋毅(青春新書/青春出版社)  

ブラック化する学校 (青春新書インテリジェンス)

ブラック化する学校 (青春新書インテリジェンス)

  • 作者:前屋 毅
  • 発売日: 2017/02/02
  • メディア: 新書