こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
昨日、ホリエモンの著書を引用して日本企業がイノベーションを起こせていないという趣旨のことを書きました。
ホリエモンは『99%の会社はいらない』のなかで、次のように書いています。
一方の日本企業と言えば、2015年の9月時点で内部留保が343兆円(全体)。
安倍内閣発足直後の2012年12月から約3年で約69兆円も貯めこんでいるのに、イノベーションを起こせていない。
ネタバレで恐縮だが、火星に宇宙飛行士が一人取り残され、その救出劇を描いた映画『オデッセイ』でも、救出に協力するためのロケットを提供するのは日本ではなく中国だ。
日本の宇宙事業というのは、悔しいことに世界から‟そのように”見られている。
いまの日本、そして今後の日本を物語るストーリーからもわかるように、イノベーションを巻き起こす会社は、残念なことに日本にはほとんど存在しないのである。
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そんななかでコロナ禍により、いよいよ日本企業の中に人員削減の波が起ころうとしています。
「JTB、6500人削減へ 早期退職や新卒採用見合わせ」
旅行業界や飲食業界を中心に経営環境が厳しさを増し人員削減を余儀なくされています。
ANAも3500人の削減を発表しています。
僕が危惧するのは2000年前後の就職氷河期の再来です。
僕自身が就職氷河期真っ只中の世代です。
以前の記事で経団連の前身、日経連が1995年に発表した「新時代の日本的経営」という提言のことを書きました。
上野千鶴子さん、雨宮処凛さんの共著『世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状』から引用します。
上野(千鶴子氏):わたしは、ロスジェネの貧困問題は、はっきり言って人災だと考えています。95年に日経連が「新時代の日本的経営」を打ち出し、政財官一体となって雇用柔軟化に舵を切った。非正規雇用に若者と女性を突っ込もうと、つまり、使い捨て労働力を増やしていい、と。わたしは、これは完全に「オヤジ同盟」の政策的合意だと思っています。使用者側の老獪さに、この20年、やられっぱなしだったという気がします。そこに、共犯者がいます。それが連合に代表される、労働組合界の団塊世代オヤジたちです。日本型雇用という自分たちの既得権さえ維持できるなら、後からくる若者と女性は割を食ってもいい、と。
雨宮(処凛氏):でもそんなことをしたら、子ども世代の雇用が不安定になり、その結果、自分たちの老後も危うくなるじゃないですか。
上野:そこが問題なの。その時、労働組合のオッサンたちは見通しを誤った。95年といえば、バブルが崩壊してから4年目。今は冷え込んでいるけれど、あと何年かしたら景気は回復し、自分たちの息子や娘もいずれ正規雇用に吸収されると思ったんでしょう。
雨宮:わたしも、いつか景気がよくなったら正社員になれるだろうという思いは、どこかで漠然とありました。
上野:その予測が完全にはずれた。まさか自分たちのジュニア世代がそのまま非正規雇用が固定してロスジェネになるとは思わなかった。
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バブル崩壊後の景気急落下において、日経連(現経団連)は企業を生き延びさせるために、雇用の流動化・柔軟化に舵を切った。
つまり使い捨て労働者を増やしていいという決断をした。
今回のコロナ禍においてもその路線が踏襲されようとしています。
業績決算が悪化したら、雇用調整という名のリストラをさも当然のことのように実行しています。
経団連はいったい何を考えているのか?
人材の育成を棚に上げ、内部留保を積み上げ、イノベーションへの投資を怠っていながら、数々の「提言」と称して政府に注文ばかりしている。
社会を支え家庭を支える中堅労働者や前途ある若者の将来を、何ら手を打つことなくまた切り捨てようとしています。
目先の企業経営だけを考えて将来の成長の芽を摘もうとしていることに、経団連も政府も気づかなくてはいけません。
本日の記事は以上です。
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