こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
勤労世代の所得が25年前と比べて、100万円以上減少しているというツイート。
これ本当に酷い pic.twitter.com/3Av4cQlT6Z
— 研究者「」@1copyからのRT-PCR (@uwemon) 2022年3月3日
1994年と2019年を比較して、35歳~44歳世代は104万円減。45歳~54歳世代は184万円も世帯所得が減少しているというのですね。
NHKのニュースからのものです。
1994年というのはバブルがはじけた後の景気後退期にあたりますが、それでも世帯所得はまだ高水準を維持していました。
このころの高所得の方が異常だったのかもしれません。
しかし、特に45歳~54歳世代で184万円も減っているというのも異常ですね。
ライフプランが崩壊するのも当然です。
以下、『世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状』からの引用と僕の私見です。
バブルが崩壊して景気と就職率が急落するなか、1999年、小渕内閣のとき派遣業務の原則自由化が決定される。
そして2001.4~2006.9までの小泉内閣。小泉内閣のブレイン、竹中平蔵はネオリベラリスト(新自由主義者)だった。
2004年に、製造業の派遣解禁、派遣労働の期間制限撤廃など重大な政策決定がなされた。これは従来、専門性の高い業務のみに認められていた派遣労働者を、人件費の高い正規社員の代替として常用するもので、これが後日、正規雇用と非正規雇用の格差を生むことになった。
しかし小泉首相は、2005年の郵政改革選挙で「自民党をぶっ壊す」「既得権益をぶっ壊す」という公約を掲げた。
これにフリーター層はもちろん、世間がこぞって自民党に投票した。
既得権益の温存と若者の雇用破壊は完全に隠蔽されてしまったんですね。
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竹中平蔵氏がいまも「若者の暮らしと雇用を破壊した」と言われる理由ですね。
雇用破壊により当時の就職氷河期世代以降は現在に至るまで低賃金で使い捨てられるのを余儀なくされました。
国も企業も正社員の暮らしを温存して若者に投資することを怠ったんですね。
その後、2013年から日銀はデフレ脱却を目指して強力な金融緩和策を継続していますが、未だ庶民の暮らしが上向いているという実感を得るまでには至っていません。
市場に資金を大量に投入しているはずなんですが、国内の産業の大部分は現状維持か縮小を続けています。
国内の主要産業が好況であるなら、庶民の暮らしも上向くはずですよね。
一部では業績好調の企業もあるようですが、そうであるなら賃金に波及しないといけない。
巨万の富を得た資本家たちの投資行動により、成長産業に資金が流れ込んでいるはずなんですが、国内の景気をけん引するまでには育っていないということでしょう。
これだけ国民の富が縮小して、お金はどこに滞留しているんでしょうか?
政府も大企業も資本家も何をしているのかと言いたい。
国民の可処分所得が増えずして成長の好循環が回るはずはありません。
冒頭のNHKニュースですが、政府の経済財政諮問会議で、30代半ばから50代半ばの世帯の所得が20年余り前の同世代と比べて100万円以上減少していたとする調査結果が報告され、岸田総理大臣は所得の向上に向けて、きめ細かく人への投資に取り組む考えを強調したとのことです。
【photo:NHK】
遅きに失した感はありますが、岸田さんもこの問題に取り組むようなので、政府の動向に注目したいところです。
しかし「所得の向上に向けて、きめ細かく人への投資に取り組む」とは聞こえはいいですが、何をどうするのかが見えませんね。
本日の記事は以上です。
☟『世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状』上野千鶴子、雨宮処凛(中公新書ラクレ)