仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

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安いニッポンから海外出稼ぎへ 「労働市場に対する、若者たちの静かなストライキ」

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

先日のNHKクローズアップ現代

 

いま20代から30代前半ほどの若者たちが、低賃金・重労働の日本を捨てて、海外で働いて稼ごうという動きが加速しているという内容でした。

 

オーストラリアの農場で1日6時間働いて月収50万円。

介護施設で働く女性はアルバイトを掛け持ちして9か月で270万円貯金。

この女性は日本で働いていたとき月収25万円程度の介護職でしたが、オーストラリアの介護施設の月収はなんと80万円。

海外は当然物価も高いのですが、自炊するなどして上手くやり繰りすれば、月数十万貯金できるそうです。

 

www.nhk.or.jp

 

これはめちゃくちゃ痛快な内容でしたね。

 

僕は1970年代生まれの40代のおっさんですが、僕らは就職氷河期世代といわれます。

僕らのころは学校を卒業したら次は普通に就職するもんだと思っていたら、社会に出たとたん転覆した船から投げ出されるように、海の藻屑と消えていった世代です。

 

当時はどういう状況だったかというと、人口の最もボリュームゾーンである団塊の世代が働く場に居座っており、社会に出た僕ら若者が、正規雇用として働く場から完全に締め出されたんですね。

 

「完全に締め出された」という表現は決して大袈裟ではありません。

当時は100社面接を受けても1社も合格できないという話がいたるところで聞かれました。

それなりの有名大学を卒業しても、新卒で就職できた人は決して多くなかったんですね。

 

そのあとも当時はまだ中途採用が非常に厳しかったので、我々就職氷河期世代はそのまま世に出ることなく「ロストジェネレーション(失われた世代)」となってしまいました。

そのせいで現在、日本経済は中堅労働者不足で成長する活力を失っています。

 

団塊の世代はまさに僕らの親の世代だったんですが、彼らは子供らを社会から締め出しておきながら、僕らに「努力不足」のレッテルを貼りました。

 

この一連の流れは、日本社会における過去半世紀のなかで最も不条理な出来事であったと思っています。

 

社会に出ること叶わず、散り散りになって生きるのがやっとの状態で、社会を変えていく勢力を作ることもできませんでした。

もうアラフィフになろうとしている今、忸怩たる思いを禁じえません。

 

前置きが長くなりましたが、若者の出稼ぎに戻ります。

海外への出稼ぎという形で日本を捨てた若者のことを、東京大学大学院教授の渡辺努さんは「労働市場に対する、若者たちの静かなストライキ」と表現しました。

 

まさに渡辺教授のおっしゃる通り。

僕ら就職氷河期世代が成し得なかったストライキという社会への復讐を、いまの若者たちが全く意外な形でやってのけようとしています。

 

本当に力不足だった僕らですが、彼らの行動力には拍手喝采せざるを得ません。

じゃんじゃん海外に出て稼いで夢を叶えて欲しいと思います。

 

本日の記事は以上です。