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無添くら寿司社長、田中邦彦。「無添」へのこだわりに経営哲学はあるのか

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

無添くら寿司パワハラを苦に店長が焼身自殺した件について、2回にわたり書いてきました。

 

これらの記事での僕の主張は、日本の経済や社会のためにブラック企業は潰れてもらわなければ困るというものです。

 

trrymtorrson.hatenablog.com

trrymtorrson.hatenablog.com

 

店長が店舗敷地内で焼身自殺を図ったということはショッキングな事実です。

 

しかし、それ以上にくら寿司という会社組織自体がブラック経営であるという点が日本社会の大きな病理なのです。

 

 

NPO法人POSSEの坂倉さんの指摘の通り、中村店長の件は労働法上問題となる低賃金・長時間労働を背景とした典型的なパワハラとなります。

 

 

ブラック企業アナリスト新田龍さんの指摘の通り、くら寿司労働基準法違反・労働契約法違反・労働安全衛生法違反・職場環境配慮義務違反・改正労働施策総合推進法(パワハラ防止法)違反の「役満ブラック企業」なんですね。

 

一方、日刊SPA!は回転寿司の2強、スシローとくら寿司の業績を比較し、伸び悩むスシローに対してくら寿司が猛烈に追い上げていることを報じています。

 

nikkan-spa.jp

 

さて、これらの事実を総合して何が言えるか?

 

くら寿司の経営者は従業員の人生を使い捨てにし、コンプライアンス法令遵守)も蔑ろにして、なりふり構わず回転寿司業界のトップを獲りにいこうとしているのだということです

 

無添くら寿司の社長、田中邦彦氏とはどういう人物なのか?

それを考える手掛かりとなるのが、くら寿司ホームページの「社長のご挨拶」なんですね。

www.kurasushi.co.jp

 

非常に重要な情報となりますので、全文を掲載します。

 

日本の伝統・文化の復活を願って。

太平洋戦争以後、日本経済は大きな成長を遂げました。その背景には日本人の「勤勉さ」「綿密さ」「良心」といった、伝統・文化があったと言われています。

私の生まれた家は、田舎の小さな八百屋でした。
当時の田舎にあった八百屋は野菜以外の食べ物や生活必需品など、いろいろな物を売っていました。私の家もそうで、小学生だったころは、毎日、学校から帰ると家業を手伝っていました。
当時の田舎の家庭では、それが当然でもありました。

ある日学校から帰ると、「しきみ」を綺麗にするようにと言われました。
しきみというのはお墓や仏前に供える植物のことで、その葉を1枚1枚きれいに拭き取り、かれたものを取り去るように言われたのです。祖母と二人で何万枚という葉を半日かけて掃除するのですが、まだ幼かった私には苦痛以外の何者でもありませんでした。

一時間も経つと、すっかりだらけてしまう始末。
その様子を見て、日頃はやさしい祖母が「おまえは、どこから生まれた?」と少し厳しい声で言いました。

そして祖母はこう続けました。
「お父さん、お母さん、そして祖先が居たからこそ、おまえは今ここに居るのではないか。このしきみは、お客さんが祖先に供える感謝のしるしじゃ。お客様がドロのついたしきみを供えてもええのか。お客様に申し訳ないと思わんか。」

このようなことが、ごく平凡な家庭で、どこにでもあったのです。
私はこれが「日本人の良心」だと思います。その良心が、今、失われつつあります。
法に触れなければ何をしてもよい。金を持った者が勝つ。一流大学に入るのが全て。
一部の農家は、多くの農薬を散布し、自分たちの食べるものは別に作っているという有様。

私たちの食品業界でも例外ではありません。
CMだけで売上を伸ばし続ける会社。肝心の商品作りはほとんど外部委託。
経営者自身が、自分たちの作った商品を口にしない。そんな商品を平気で作り、売る。

多くの寿司チェーン店も同じ。寿司メシを作るのに大事なあわせ酢を、平気で外部に作らせる。
味付けに多くの化学調味料を使う。合成着色料、人工甘味料、人工保存料を使う。
多量の化学物質が体に入ろうとも、法に触れなければなんとも思わない。

厚生省が決めたから、それで良いという。
自分たちの子供に、そのような商品を毎日食べさせることができますか。
近年増加の一途をたどるアトピーは、本当にダニのせいなのでしょうか。

私たちは、見えないところこそ大事にしたいと思っています。それが本来の日本文化。
今こそ、日本の食文化の代表であるお寿司を通して、すばらしき日本を再構築すべきです。
そして、それを世界に伝えようではありませんか。

代表取締役社長 田中邦彦

 

田中社長の無添加に対する徹底的なこだわり。

これによって競合他社との差別化を図り、業界のトップを獲ってやろうという意志が窺えます。

 

そのためなら何をやってもいいのか?

 

「どんな手を使ってもスシローを追い落とせ!」と社員を恫喝しているのではないか。

 

「日本人は良心を失った」だ?

何を言っているのか?

良心があるのなら、労働関連法を順守しなければならないはずです。

 

「法に触れなければ何をしてもよい。金を持った者が勝つ。一流大学に入るのが全て」

この言葉をそっくりそのまま田中氏に返さねばならない。

 

「私たちは、見えないところこそ大事にしたいと思っています。それが本来の日本文化」って、経営の見えないところがブラックで、言ってることとやってることが全然逆ではないか。

 

法を侵す金の亡者。出世欲の塊。

そうでなければ新田さんの言う「役満ブラック企業」になるはずないですよね。

個々の従業員の問題ではない。経営者の資質に大きく欠けているという問題なのだ。

 

経営者ですから野望を持つのは当然です。

しかし経営哲学が感じられない。

幼稚じみた「無添」へのこだわりしか感じられないのです。

 

本日の記事は以上です。