こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
最低賃金が上昇し、低賃金ブラック企業が淘汰され、労働者の生活の質が向上する。
それが僕ら弱小労働者が思い描く、社会が良くなるサイクルです。
しかし、物事はそう単純ではないかもしれません。
先日、東洋経済オンラインの記事で慶應義塾大学大学院准教授の小幡績さんが次のような記事を書いていました。
読んで考えさせられましたね。
何回も読むべき記事です。
「賃上げ」は、空から降ってこないし、上からも降ってこない。「お上」からも、そして、経営者からのお慈悲で降って来るものでもないのである。それは、労働者が自らつかみ取るものなのである。経営者と交渉して、労働者が払わせるものなのである。
「資本よりも労働者が経営には不可欠だ」「より経営に役に立つ」と、経営者に思わせ、払わざるをえないようにして、初めて得られるものなのだ。したがって、日本の賃金が低いのは、労働者が、この闘争を「サボっているから」なのである。努力不足なのである。
働く人の給料が上がらなくなったのは、経営者が労働者の給料よりも株主に対する配当を優先したからです。かっては労働組合による賃上げストがあったが、非正規労働者が大半を占める今の状況ではストは起きません。最低賃金を時給1500円にするため、非正規労働者の労働組合を作れないか考えています。
— 菅直人 衆議院議員 (@NaotoKan) 2022年7月12日
旧来の労働組合は骨抜きになっているんですが、理想を言えば労働者が団結して労働環境の改善と生活の向上に主体的に取り組める社会が望ましい。
今年の最低賃金改定額が出揃ったわけだが、毎年「最低賃金引上げで、体力のない中小企業への影響が懸念」みたいな主旨の報道が出るんだよな。
— 新田 龍 (@nittaryo) 2022年8月25日
しかし、1000円×8時間×22日×12ヵ月=211万2000円、社保含めても年収250万円だ。それさえ出し渋るゾンビみたいな会社が生き永らえるほうがよっぽど懸念だよ… pic.twitter.com/BELoatKDdW
ブラック企業アナリスト新田龍さんが言っているように、年収250万円さえ出し渋るゾンビみたいな会社が生き永らえるほうがよっぽど懸念。
体力がなくて出来るだけ低賃金で働かせたいと思っている企業の経営者は廃業させるように仕向けなければならない。
そうなれば理論上はブラック企業が減ってホワイト企業に労働者が移動する流れができます。
【Photo:東洋経済オンライン】
それを加速させるには2つのことが必要です。
一つは全労連の黒澤幸一さんが言っているように、最低時給をもっと引き上げて欧米レベルの1500円まで持っていくこと。
これによって低賃金のブラック企業が廃業する流れが加速します。
これには政府の理解と努力が必要です。
#最低賃金を1500円に
— 黒澤幸一@全労連 (@kurosawa_zn) 2022年7月25日
確かに最低賃金は上げられてきたように見える。しかし、その水準は時給28円で最高とか1円とか全く話にならない。最低賃金は、第一義的に労働者の生活を支える為に最低必要な額がなければ役に立たない。物価高騰で電気代だけで月5000円は上がってる。例年の2倍、3倍の引き上げを! pic.twitter.com/Z2wvSk08Au
もう一つは、政府に期待するだけでなく労働者自らが声を上げ行動すること。
なぜ日本人の給与が上がらないのか。企業の収益構造もあるが、勤労者が全く文句を言わないからです。激務であろうと酷暑だろうと満員電車であろうと、命令通りに働き、またそれこそが「現場の頑張りなんだ」と美化する風潮が蔓延しているからです。頑張るから相当の対価を払え、が普通ではないのか。
— 古谷経衡(作家,評論家,社団法人令和政治社会問題研究所所長,株オフィス・トゥー・ワン所属) (@aniotahosyu) 2022年7月4日
「こんな少ない給料でこんなキツイ仕事やってられるか」と声を上げることです。
とまあこういうふうに理想通りに行くわけないんですが、少しずつ世の中は変わっていくはずです。
本日の記事は以上です。