こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
僕は40代半ばのオッサンで「就職氷河期」「団塊ジュニア」「ロスジェネ」といわれる世代の人間です。
糞みたいなサイコパス上司と組んで適応障害のような状態となり半年間の休職を経験しました。
働くことの難しさ、仕事と家庭の両立、いわゆるワークライフバランスについてずっと考えてきました。
雇用問題や労働時間や最低賃金やベーシックインカムなどについて書いてきました。
個人的な仕事の悩みと社会の労働問題はどこかで必ずつながっていると思うから労働問題に無関心でいられません。
就職氷河期世代は世に出る門戸を閉ざされ、非正規雇用やフリーターやニートといった底辺層に押し込められ、運よく正社員になっても育てられず使い捨てにされてきました。
政府はそういう状況が良くないということで重い腰を上げ「働き方改革」を打ち出しました。
そのなかの一つが「同一労働同一賃金」という目標だったわけです。
長時間働いているのに非正規雇用やフリーターやニートという身分から脱出することができず、賃金も生活水準も上がっていかない。
それを解決するのが「同一労働同一賃金」だったはずです。
つまり、非正規雇用の待遇の底上げです。
しかし、日本郵政グループがこの目標を履き違えた、とんでもない格差是正策打ち出したようです。
とんでもない暴挙です。
何も考えてない人が言いだしたんでしょうね。
開いた口が塞がらない。
「え?そっち?」
ネットが炎上するのも当然です。
日本郵政グループが現在提案している「格差是正案」は、正社員と非正社員との間にある待遇差を正社員に合わせるのではなく、非正社員に合わせることで解消していくというものなのだ。
たとえば、正社員で夏と冬に3日ずつ与えられている夏冬の有給休暇。現行では期間雇用社員はゼロだが、期間雇用社員に夏冬の1日ずつ与える一方、正社員は夏冬2日ずつに減らす計画だ。
待遇差を正社員に合わせるのではなく、非正規社員に合わせる。
期間雇用社員に夏冬の1日ずつ与える一方、正社員は夏冬2日ずつに減らす。
本当に何を考えているのか。
このようなことは絶対に認められてはいけません。
「労働組合がストして配達やめちゃえ」
ホントにストライキものですよ。
上の記事ではコラムニストの荒川和久さんが次のようにコメントしています。
こうやって待遇も給料も低い方合わせになっていき、やがてすべてが非正規になる。
作家の佐藤優さんも著書で同じことを言っていて、僕は何回も記事で取り上げたんです。
賃金引き上げは労働者にとっては一見歓迎すべきことに見えますが、じつは真の狙いは競争力が低く、労働生産性の低い中小企業の淘汰であると見ています。
賃金アップもそうですが、残業時間の制限、有給休暇の取得、正規雇用と非正規雇用の賃金格差の撤廃など、中小企業から見たらいずれもクリアするのが大変な項目が並んでいます。
(中略)仕事環境はこの先5年から10年ほどで激変すると思います。生産性の低い中小企業は淘汰され、生き残った企業によって寡占化が進む。それまでの賃金引上げの流れも寡占化が進めば、再び状況が変わってくると見ています。
正規雇用と非正規雇用の賃金差がなくなり、一般職的な仕事が多くなる。ベースアップや昇給がなくなり、賃金が非正規雇用の方に引っ張られるという下方圧力がかかるでしょう。
あらゆる業種で賃金の頭打ち、あるいは引き下げが起きる。するとどうなるか?足りない分を副業で稼ぐという時代が来るでしょう。企業の側も副業を前提にして採用する。むしろそうして収入源を複線化してもらった方が、自分たちの負担が少なくてすみます。
つまり、実質的に正規社員の非正規化であり、労働力の流動性が高まることになります。いまの状態がこのまま続けばおそらくそのような働き方になる時代が来ます。本業だけでは多くの人が生活が厳しくなる。副業が当たり前の時代がやってくるのです。(『メンタルの強化書』)
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副業の是非はともかく、賃金が非正規雇用の方に引っ張られるという下方圧力がかかり、実質的に正規社員が非正規化していく。
僕はまさに正社員の「総バイト化」と思っていますが、こんなことは絶対に許してはならない。
指をくわえて見てはいけません。
バカにするなと言いたい。
「同一労働同一賃金」の趣旨を間違えて、日本郵政グループのように悪用するのは何としても阻止しないといけませんね。
本日の記事は以上です。