仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

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『「ない仕事」の作り方』みうらじゅん著

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

先日、うちの子どもたちがプログラミング「Scratch」にハマっていることを書きました。

誰から言われるでもなく好きでハマってやってることで、自然にスキルアップして、凄い作品ができたら「コレ、凄くね?」と自己満足。

勝手に何かにハマって、自分で自分を褒めて自己肯定感を上げられれば、それが最強なのではないか?

 

生き生きと動き回っているおじさんていますよね。

カネがあるわけでもなく肩書きがあるわけでもなく、自分軸で動いておられます。

人に迷惑をかけてもお構いなしだと困るんですが。

最近、こういうおじさんの生き方は案外尊敬できるものなのではないかと思っています。

 

尊敬するみうらじゅんさんの『「ない仕事」の作り方』という本を読んで、そういうことを考えています。

 

みうらじゅんさんについては以前、『マイ仏教』という本の感想記事を書いたことがあります。

 

trrymtorrson.hatenablog.com

 

『「ない仕事」の作り方』でも『マイ仏教』でも、どちらを先に読んでも面白いと思います。

 

ゆるキャラ」や「マイブーム」など数々の造語を流行らせた、みうらさん。

 

本書『「ない仕事」の作り方』では、ほかにも「一人電通」、「勝手に観光協会」、「ゴムヘビ集め」、「チャールズ・ブロンソン」、「崖っぷちブーム(グッド・クリフ)」、「いやげ物」、「とんまつり」、「童貞ブーム(DT)」、「シベ超」、「海女ブーム」など、数々のネタを生み出した技法を明かしています。

 

僕はみうらさんの仕事では、「自分なくし」と「アウトドア般若心経」が金字塔だと思っています。

 

凄く面白い!いやあ、やっぱりみうらさん凄いなあ。

今でいう本物のクリエイターですよね。

 

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冒頭に、自分軸で動くおじさんのことを書きましたが、みうらさんの『「ない仕事」の作り方』には、それと同じようなことが書かれているんですよね。

 

流行りものに乗っかるんじゃなくて、誰も注目しないものにとことんこだわる。

それが、みうらさんの言う「ない仕事を作る」ということなんですね。

 

あらゆる「ない仕事」に共通することですが、なかったものに名前をつけた後は、「自分を洗脳」して「無駄な努力」をしなければなりません。私はよく「努力が似合わない」などと思われがちなタイプですが、どっこい「無駄な努力家」なのです。

人に興味を持ってもらうためには、まず自分が、「絶対にゆるキャラのブームがくる」と強く思い込まなければなりません。「これだけ面白いものが、流行らないわけがない」と、自分を洗脳していくのです。

 

この本の重要なキーワードがこの「自分を洗脳」「自己洗脳」というものなんですね。

みうらさんは何度かこのことを書いていて、これが実は中年期には必要な考え方ではないかと、強く共感します。

 

第一印象が悪いものは、「嫌だ」「違和感がある」と思い、普通の人はそこで拒絶します。しかしそれほどのものを、どうやったら好きになれるだろうかと、自分を「洗脳」していくほうが、好きなものを普通に好きだと言うよりも、よっぽど面白いことになるからです。

ゴムヘビもそもそも好きだったものではありません。すべて、「私はこれを絶対好きになる」と自分を洗脳したのです

 

たとえば私は、20年ほど前から、「海女」ブームがくるに違いないと思っていました。

前述したように、こうした「気にはなるが、好きではないもの」には、自分洗脳が必要です。半年、1年とかけて、海女がいい、海女がいいと呪文のように唱えていました。

そこにはグッとくるネーミングも必要だと考え、航空会社のように、「AMA(エーエムエー)」と呼ぶようにもしていました。

そして2013年、そう、NHKの朝ドラで『あまちゃん』が放送されたのです。

 

言うは易いですが、やり続けることが大切なのです。何かを好きになるというのは、自分を徐々に洗脳して、長く時間をかけて修行して、対象のことを深く知ってからでないと、長続きもしないし、人を説得することもできないということです。

 

みうらさんのおっしゃる通りです。

「自分を洗脳」して、長く時間をかけて「修行」して、「無駄な努力」をしなければならない。

しかし、自分を洗脳すればするほど、不安になる。

そんなときは、「不安タスティック!」と叫んで、さらに自分を洗脳していくそうです。

 

みうらさんは、「自分を洗脳」して「無駄な努力」を重ねていくことを、次のようにも言い換えておられます。

 

不自然なことをやり続けるためには「飽きないふりをする」ことも大切です。本当は、世の中に流行った頃には、とっくに飽きています。そこは人間ですから当然です。ただ、「もう飽きた」と言ってしまうのは「自然」です。人に「え、まだそれやってるの!?」と驚かれるほど続けなければ面白くなりません。

そして、平然と「好きだ」と言い張ることも大事です。

 

さすがにオッサンと呼ばれる年齢になると、世の中の不条理や汚いこと、無意味さ、虚無感ということが分かってきます。

 

中年期に差し掛かり、そのあとも長く続く人生をサバイバルしていかなければならない。

誰も助けてくれないし褒めてもくれない。

孤独な一人プロジェクトです。

 

そんなとき、みうらさんの言うように、「自分を洗脳」し「無駄な努力」をして、長く時間をかけて「修行」することが必要ではないだろうか。

 

みうらさんは次のように結んでいます。

 

私は昔から「またやってる」ではなく「まだやってる」と人に言われるようになりたいと思ってきました。

私は「ない仕事」を「まだやっていく」しかないのです。

人生どうなるかなんてわかりませんが、ひとつはっきりしていることは、他人と同じことをしていては駄目だということです。なぜかというと、つまらないからです。

皆と同じ人気職種を目指し、同じ地位を目指すのは、競争率も高いし、しんどいじゃないですか。それよりも、人がやっていないことを見つけて達成するほうが、楽しいじゃありませんか。

 

本日の記事は以上です。