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STAP細胞事件。武田邦彦教授の小保方さん擁護論『NHKが日本をダメにした』武田邦彦 著

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

今回の読書レビューは、武田邦彦さんの『NHKが日本をダメにした もはや情報源としての信頼を失った「公共放送」の実態』です。

武田さんは芝浦工業大学工学部教授、名古屋大学大学院教授、中部大学特任教授などを歴任された方です。

工学の専門家、学問研究の専門家の方ですね。

 

この本は2014年に出版されたもの。

当時の大きな事件であった「佐村河内氏のゴーストライター事件」「STAP細胞論文事件」「福島原発事故」の3つの事例などを挙げて、NHKの報道姿勢を痛烈に批判した内容となっています。

 

僕がなぜこれを読もうと思ったかというと、以前に何回も「NHKのコンテンツは質が高くて勉強になる国民の財産だ」ということを書いてきたので、ほんとにそれでいいのかな?と思ったからでした。

 

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NHKの報道姿勢から組織のあり方まで、武田さんはその問題点を指摘したうえで「もはや情報源として信頼を失っている」「低レベルの放送が大弊害をもたらす」「NHKに洗脳されるな!!」と述べています。

 

僕はNHKについて書いた本をどれか読もうと思ってこの本を手に取ったんですが、このなかで、「STAP細胞論文事件」に関する内容に引き込まれました。

 

小保方さんらをよく思わない人たちに先導された群集心理の恐ろしさ。

NHK理化学研究所早稲田大学が、組織とその利権に被害が及ばないように、小保方さんらを犯罪者に仕立て上げたのではないか。

 

いや、僕も個人的に恨んでいて社会から抹殺したいと思う人間はいますよ。

しかしSTAP細胞事件で、人を死に追い込み、社会から抹殺する恐ろしさをまざまざと感じます。

 

STAP細胞問題は今から約10年前、2013年から2014年にかけて大きなニュースになりました。

研究の当事者である小保方春子さんらを、メディアは最初は「自然科学研究の快挙だ!」とセンセーショナルに持ち上げましたが、不正があったと分かると、メディアに影響された人たちが猛烈にバッシングして社会から抹殺しました。

 

近年、研究機関の研究活動費の獲得がシビアになっており、大々的にPRせざるを得なかったことも背景にあります。

 

当時のメディアがバッシング一色のなか、事件化した当初から武田元教授は、小保方さんを全面的に擁護しておられます。

そのせいで武田さんも叩かれたみたいですね。

小保方さん側を猛烈に批判する人たちの勢いが強くて、武田さんはほぼ孤軍奮闘。

「変なおじさんがとんでもないこと言ってる」という扱いにされています。

 

武田元教授は本書において小保方さんらを擁護し、NHKをはじめとするマスコミ側の姿勢を批判されているわけですが、内容は本書を読んでいただくとして、最近YouTubeでも次のような動画で事件の振り返りをされておられます。

 

www.youtube.com

 

以下は2014年の古い書き込みですが、ある方がYahoo!知恵袋で、次のような意見を書き込まれていました。

誠に恐縮ですが、引用させていただきます。

 

STAP細胞に絡んで、論文や実験ノートや論文の引用(コピペ)などの騒動について、中部大学の武田邦彦氏の見解のYOUTUBEを拝見したのですが、いろいろな面で、世間の一般評価と異なってそういうことかと納得してしまいました。

そのいくつかをあげますので皆さんは納得できますでしょうか。

 

その1)論文は体裁や、作成の規定を外れて間違いやミスがあっても、大したことではなく中身が重要で内容次第で通るので、完璧でなくてもいい。体裁や仕規定をうるさく言うのは、古い日本の金持ち暇人学者の時代の悪い遺産で、日本独特の伝統で欧米ではそうでない。

今の時代は忙しい主婦学者もいてそんな厳密さは要求していない。間違い(データのミスなど)があれば、「忙しく眠くて間違ってしまった」と言えば、それで納得してもらえるようなことであって、それほど重要な問題でない。

その2)論文が間違っていたり、嘘であっても、それは本人が外部や世間から批判や悪く言われる筋合いではなく、世間に謝罪や謝る問題ではない。論文は個人の名誉や実績のために作るもので、金儲けや人のためのものでないのだから、嘘や間違いがあっても外部の人にとっては損害はなく、本人の損失、本人がそのために評価を失うだけのことで、それが正しいかどうかは今後の科学や歴史が証明していくことで、そういうものは自然に淘汰されていくので、今他人が嘘だとかおかしいと批判するものでない。

スケートの、浅田真央がオリンピックで転んでミスをしたからと言って、観客に損害を与えるわけでもなんでもなく他人から文句を言われる筋合いでなく、ミスにより損失をうけるのは本人だけでそれを他人がとやかく言う資格はないのと同じで、本人の中の問題である。だからそれで研究所や世間から攻められるのはおかしい。

その3)学生時代の博士論文に米国の論文の無断引用が有って盗作や著作権違反とかの批判があるがそもそも論文は真実(科学)を記述したもので、芸術や文化とは違い、ありのままの自然現象を書いたものなので著作権は存在しないので、事実に違いはないのであるので誰の論文を引用してもいいものである。

名古屋の天気予報で「今日は名古屋は晴れです。」と誰かが文書にしても、だれが見ても名古屋は晴れているのでだれが同じことを書いても、事実に著作権はないので、それを時間と暇の節約のために、同じ意味(事実)の文書を複写(コピぺ)してもそれは論文の盗用にはならず、どこでも許されることである。学生などはそうやって論文を作っていて、当たり前のこと

 

STAP細胞に絡んで,論文や実験ノートや論文の引用(コピペ)などの... - Yahoo!知恵袋

 

僕はこの方のご意見は、武田さんの主張を忠実にまとめられていて、とても共感します。

どこも間違っていないように思うのですが。

 

武田さんがYouTube動画でおっしゃってることも、まったく正論でおかしいところはどこにも無いように思います。

 

でも、一方で「武田元教授のトンデモ擁護論」と言って猛烈に否定している人が多かったんです。

 

trrymtorrson.hatenablog.com

 

自然科学分野における日本の論文数が減少し、日本の順位が凋落。

上の記事は、国民民主党の玉木代表の問題提起について書いています。

 

STAP細胞論文事件が、重大な悪影響を与えているのは間違いないですね。

物事の趣旨に関係ないところで、その小さい不備を鬼の首を獲ったようにあげつらう人が多い。

 

論文を読んだこともないのに、その研究の動機や意義や成果を理解しようとせず、欠点や誤りばかりを言う人が実に多い。

 

これは学界だけの問題ではなく、普段仕事してても、そういう手段と目的の区別がつかない人が非常に多いので困ったものです。

 

自然科学の新しい領域に関する研究は、未知のことを探求する内容なので、武田さんがおっしゃるように、100%正確だということはできない。

しかし、100%正確でないと小保方さんのように世間から猛烈にバッシングされて抹殺される。

 

そうなるとみんな萎縮しちゃって、研究者になって論文を発表しようという人、誰もいなくなりますよ。

 

本当に大切なことは何か?

小保方さんらは、得られた研究成果の先に何を見ようとしていたのか?

そういう物事の本質を理解したいものです。

 

本日の記事は以上です。

 

☟『NHKが日本をダメにした もはや情報源としての信頼を失った「公共放送」の実態』武田邦彦 著(詩想社新書)