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「勤務間インターバル制度」を「努力義務」にした厚労省のねらいは?

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

「働くこと」に関する記事をずっと書いています。

僕自身が一昨年パワハラによる半年間の休職を経験してからというもの、仕事への向き合い方に苦慮してるからですね。

「過労死ライン」というワードも何回も書いてきました。

 

先日から東京新聞中日新聞)の記者である中澤誠さんの『ルポ 過労社会 八時間労働は岩盤規制か』という本を読んでて、さっき読み終わりました。

 

中澤記者、ネットで調べたらちょっといろいろ問題あったみたいですが、この本は中澤さん渾身の力作。その取材の幅広さと筆力にグイグイ引き込まれました。

 

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そしたら先日次のようなニュースが出てました。

朝日新聞が比較的詳しく書いてました。

 

www.asahi.com

 

脳や心臓の病気を発症した働き手が労働災害を申請した際の認定基準について、終業から次の始業までの休息(勤務間インターバル)が11時間未満、といった要因が加わる方向になった。

月80時間に設定されている残業時間の「過労死ライン」が認定を左右するハードルになっているとの指摘があり、厚生労働省は残業時間以外の要因も重視する考えだ。

22日、労災認定基準の見直しを議論する厚労省有識者検討会で報告書案が示された。

過労死した働き手の遺族や弁護士は過労死ラインを月65時間とするよう求めてきたが、報告書案では月80時間を維持した。

 

一方、過労死ラインに達しなくても、それに近い残業時間があるうえに労働時間以外の要因が認められる場合は、過労死ラインに達したケースと同等に労災認定できるとした。

労働時間以外の要因として、新たに「勤務間インターバルがおおむね11時間未満」「休日のない連続勤務」が追加された。

現状の認定基準では「出張の多い業務」「深夜勤務」などがある。

また「心理的負担がある業務」に加えて「身体的負担がある業務」も盛り込む方向になっている。

 

労災基準を20年ぶりに見直し、過労死ライン以外の要因も考慮するというものですね。

 

労災基準の前に「勤務間インターバル」というものを考えてみましょう。

 

EUでは勤務と勤務の間を11時間空けるよう決まっているそうです。

日本でも2019年4月から導入されているようですね。

知りませんでした。

 

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厚生労働省の公式ページのリンクを貼っておきますので見てみてください。

「勤務間インターバル」とは | 勤務間インターバル

 

この制度の導入は当然でしょう。

仕事以外の睡眠時間と生活時間を考えたら、最低11時間くらいは必要ですよね。

 

しかしこれがEUのように「義務」ではないんです。

次のサイト(FNNプライムオンライン)の記事にあるように「努力義務」なんですよ!

企業としてはやってもやらなくてもどうでもいいんです。

 

www.fnn.jp

 

この記事で厚生労働省の担当者が取材に答えているんですが、なかなか面白いんですね。

一読すると全くやる気が無いように見える厚労省の担当者。

 

しかし、よく考えてみると面白いんですよ。

 

厚労省はワザと「努力義務」にしたのではないか?

 

担当者は次のように言っています。

今は人手不足と言われていますが、仕事の環境が良くなれば働きたい人たちが集まってくる可能性が非常に高くなります」と。

 

つまり厚労省のねらいは、労働者自らが労働環境に配慮した企業を選ぶ。

ホワイト企業に人が集まって、ブラック企業は人手不足になり自然淘汰されるということですよ。

 

本日の記事は以上です。

 

☟『ルポ 過労社会 八時間労働は岩盤規制か』中澤 誠 著(ちくま新書