こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
数か月ぶりに、まともにテレビ番組を見ました。
NHK「即位の礼 晩餐会 密着 ホテルマンの1か月」という番組です。
即位の礼の翌日、世界の国家元首級VIP600人が出席した晩餐会の裏側に密着した内容です。
即位の礼の晩餐会というと、世紀のイベント。
180か国の要人に対して、1,000人を超えるホテルスタッフがもてなす。
当然失敗は許されませんし、最高のサービスをするためあらゆる要望に応えなければなりません。
全ての料理人を束ねる総料理長、タイムスケジュールとイレギュラー食対応を任された料理長、全国の系列ホテルから集められた350人のウェイターと彼らを束ねる会場マネージャー・・・。
直前まで出席者が確定しない、出席者の3人に1人が宗教上や体質などの関係で特別メニューの対応をしなければならない、特別メニューのリストが次々書き換わり、料理人、ホールスタッフに混乱が走る。
全ての歯車がかみ合って初めて、成功できる。
凄い緊張感が伝わってきて、僕も休職前の仕事の緊張感、上司のプレッシャーを思い出して吐きそうになりました(笑)。
しかし、凄く良い番組でした。
たまにはテレビも見ないといけないと思いました。
僕はいま多読チャレンジをやっていますが、最近入手した『もうちょっと「雑」に生きてみないか』(和田秀樹著)という本を読んでいます。
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この本、著者の主張はよく分かるんですよ。
もうちょっと「雑」に生きていいんですよと。
しかし、さっきの「即位の礼 晩餐会 密着 ホテルマンの1か月」と、余りにも正反対の内容で落差が激し過ぎるんです。
即位の礼の晩餐会の現場で「雑」に仕事できますか?できるわけないでしょう、と。
本書では、まじめ過ぎて苦しみを抱える人の共通点は、次の3つに集約されると著者は言います。
▶「負けちゃいけない」と思っていないか?
▶「やればできる」と信じていないか?
▶「いまがすべて」と考えていないか?
著者は堅苦し過ぎる生き方のために苦しむ人に向けて、その苦しみはいつも上の3つの「思い込み」に原因がある、その「思い込み」は厳しく言うと「うぬぼれ」だ、もっと雑に考えていいんだと本書全体を通じて論じています。
しかし、著者の主張は少し一般論に過ぎないか。
診察室でメンタル不全の患者を前にしてのみ通用する論理ではないのか。
本書は著者自身の体験に基づいた記述が乏しく、また「雑」で良い仕事の場面はどういう場面なのか、具体例に関する記述も無い。
その点が残念です。
当然ですが「即位の礼の晩餐会」のような現場で「雑」な仕事をできるわけないですよね。
失敗が許されない、緊張を強いられる場面が多い職場で、どこで雑に振舞ってよいのか?
そういうシビアな現場を、時に手を抜きながら乗り切っていくには相当のスキルと経験が必要だ。
それが分からないから、メンタル不調になるんですよ。
まあ「雑」に生きてみようというのは、好きに生きていいということで、最終的にはホリエモンとかが言っていることと同じことなのかもしれません。
書店には「部下がメンタル不調になったとき上司が読む本」みたいな書籍も存在します。
本書『もうちょっと「雑」に生きてみないか』こそ、部下をメンタル不調に追い込むような堅物上司こそ読むべきではないのか。
僕のような休職者が読むより、糞上司が読んで、心療内科を受診すべきではないでしょうか。
本日の記事は以上です。
☟『もうちょっと「雑」に生きてみないか』和田秀樹著(新講社)