仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

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『ローマ法王に米を食べさせた男』高野誠鮮 著

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

さて3年前に休職して以降、自分と向き合うために読書に力を入れることにしました。

当初は「年間100冊読もう!」と意気込んだのですが、2020年以降、毎年50冊ペースで読書しています。

それでも以前は年間2~3冊しか読んでなかったので、十分多読生活だと言えます。

 

休職してからたくさん本を入手するようになって、蔵書は200冊くらいになりました。

これまでに読んだ本はもちろん150冊超えているのですが、「読んでブログに100冊レビューを書く」ことを目標にしてきてレビューも100冊を超えました。

読書の記録や蔵書の管理は「ブクログ」というアプリを使用しています。

 

booklog.jp

 

今回読んだのは、高野誠鮮(じょうせん)さんの『ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?』です。

この本は公務員の方だけではなく、一般事務職や総合職の方々にも参考になるでしょう。

 

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高野さんは、石川県羽咋市職員として数々の地域振興策を立案し、「スーパー公務員」と呼ばれる元祖の方です。

 

「スーパー公務員」という言葉は2000年代になって言われるようになったんですが、高野さんは生え抜きのエリート公務員ではありませんでした。

 

有名な「11PM」という番組の放送作家をやっていましたが、急遽実家の寺を継ぐことになって帰郷。1984年、28歳で羽咋市の臨時職員となって働くことになったそうです。

高野さんは在職時からテレビ出演が増え始め、2015年には、本書「ローマ法王に米を食べさせた男」が、TBS日曜劇場「ナポレオンの村」の原作になったんですね。

 

www.tbs.co.jp

 

高野さんが手がけた仕事は数多くあるんですが、そのなかでも本書のタイトルにある通り、多くの紙面を割いているのは、羽咋市神子原地区という過疎高齢化集落の活性化と農作物のブランド化事業です。

 

高野さんが農林課という部署でやった仕事をざっと上げてみると、下記の通りです。

 

▶空き農地・空き農家情報バンク制度

▶農家がJAを通さずに希望小売価格を設定して直売あるいは加工品である1.5次産品を販売する「山彦計画」

▶イギリス領事館員に棚田オーナーになってもらう

▶「烏帽子親農家制度」で、大学生を農泊体験

▶看板を出さない農家カフェ

ローマ法王庁に手紙を書いて、ローマ法王に神子原地区の米を食べてもらう

▶米袋をエルメス書道家吉川壽一氏にデザインしてもらう

▶神子原米から日本酒を作りセレブ雑誌「クラブ・コンシェルジュ」に掲載される

ミシュラン三つ星シェフのアラン・デュカスとコラボ

人工衛星を使って米の食味測定

 

高野さんが手掛けてことごとく成功させてきた成果が凄いんですが、下に今から書くように、その手法とマインドが大事なんですよね。

 

高野さんのずば抜けた行動力を支えたのは、おそらく膨大な量の書籍や雑誌、専門誌、論文からの情報収集です。

高野さんは普段ボーっと生きていると身につかないような、科学的な知識やビジネスのテクニックを仕事で縦横無尽に駆使したんですね。

 

どうやって人を動かすのかというメディア戦略を考えるくだりで、アメリカのCIAの「ロバートソン査問会」のレポートなんかが出てくるんですから。

新聞記者や海外メディアを上手く使ったり、アメリカの商用衛星会社のデジタル・グローブ社と直接交渉したり。

 

ちょっと普通の事務屋では思いつかないですね。とにかく周到に準備し、やり方も巧妙なんですよ。

これが高野さんの凄いところです。

 

ちなみに、若い時の高野さんを紹介する動画をYouTubeで見つけたんですが、かなりのイケメンですね。必見です。

 

www.youtube.com

 

また、高野さんの成功を支えたポイントとして、個人的にはこれが一番重要だと思ったのが、「会議しない・企画書を作らない・稟議しない・上司には事後報告」というスタンスを貫いたことです。

 

高野さんは、市長に対してもこれを了承させました。

当時の高野さんの上司が非常に理解のある方で、「好きなようにやれ、責任は全部オレが取る」という人物だったそうです。高野さんも、この上司のおかげで仕事ができたと述べています。

 

いま日本のサラリーマンが一番疲弊しているのがまさにこれだと思うんですよね。

 

膨大な会議回数、膨大な資料作り、神経使う根回し、メンタルやられるプレゼン、ダメ出し。

なにか一歩踏み出すのに、まったく失敗を許さない雰囲気。

これではダメだと高野さんは言ってるわけです。

 

もう一つ高野さんの素晴らしいところは、高野さんが臨時職員(非正規雇用)から出発したにもかかわらず、自分に限界や制限を設けなかったことですね。

 

「僕の職位は○○だから○○できない」

「もう年だから○○できない」

 

高野さんは定年退職間際までやらかしてやる、もうひと暴れしてやるみたいなことを書いておられました。

自分に限界や制限を設けない、という考え方は是非マネしたいですね。

 

本日の記事は以上です。

 

☟『ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか?』 高野誠鮮著(講談社+α新書)