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本田宗一郎「会社のために働くな、自分のために働け」

こんにちは、50代オッサンtrrymtorrsonです。

 

昨年末から考えていたのは、「労働は美徳」とか「愛社精神」とか「社員は家族」とかいう考えを、いつだれが言い始めたのかということです。

 

「社員は家族」的な、家族主義経営を掲げたのは、かの有名な松下幸之助だろうというのは想像がつきます。

 

ただ、日本人の精神的気質として、こういった日本人の「特殊な」勤勉さは、戦前~戦中~戦後と一貫して持っていたのではなかろうかと思います。

 

これが不況期には有効に機能せず、滅私奉公の価値観だけが拡大されて、一般社員を苦境に追い込んでいきました。

 

「労働は美徳」とか「愛社精神」といった価値観は、さらに悪い形で既得権層を守り弱者を切り捨てる方向に働いているのではないでしょうか。

 

そのあたりを考えてみたくて、生成AIで調べてみたのでした。

まず、日本人の有名な経営者としては以下の人たちが挙げられます。

 

松下幸之助(松下電器産業/現パナソニック)

理念:「企業は社会の公器である」=会社は特定の個人のものではなく、社会に貢献すべき存在という考え方。

「水道哲学」=良い品を水道水のように安価に豊富に供給して社会を豊かにする。

 

稲盛和夫(京セラ、第二電電=現KDDI、JAL再建)

理念:「全従業員の物心両面の幸福を追求すると同時に、人類社会の進歩発展に貢献する」フィロソフィとして「人間として正しいことを行う」「自利=利他」などを核に据える。

 

本田宗一郎(本田技研工業/ホンダ)

理念:「オートバイならびにエンジンの生産をもって、社会に奉仕することを目的とする」技術・ものづくりを通じて社会に役立つことを前面に置くタイプの理念。

 

井深大(ソニー)

理念:規模よりも「実質的」で「大きな理想」に向かうべきだ、という趣旨の言葉が引かれ、理想や未来志向の技術開発を軸にした哲学として紹介される。

 

このなかでは特に、松下幸之助と本田宗一郎に注目です。

 

松下幸之助は、戦後日本の代表的経営者として、従業員を家族的に捉える家族主義的理念で語られることが多く、「解雇を避ける」姿勢と結びつけて紹介されます。

「みな家族やないか、だから誰も解雇しない」という趣旨の逸話が語られている例があります。

「一人も解雇するな、一円も給料を下げるな」という形で、従業員保護の方針が“社員は家族”観と関連づけて語られる例があります。

経済ジャーナリストによって「松下は基本的に家族主義あるいは共存共栄の会社だった」と評される形で整理されてもいます。

また、松下が社員数を問う際に「君、家族のことは勘定に入れていないのか?」と述べたという話もあり、従業員本人だけでなく生活単位まで含めて捉える発想がありました。

 

このように、松下は優れた経営者として引き合いに出されるんですが、それは戦後の高度経済成長期で会社を拡大できたからなんですよね。

 

一時期は苦境に立たされたこともあったようですが、全体としては成功しました。

 

松下だけにとどまらず、日本人の勤労意識に深く影響を与えたのは、武士道の精神だったという説があります。

それを端的に表したのが、新渡戸稲造の『武士道』でした。

 

新渡戸稲造の『武士道』では、忠誠・義務の倫理を組織観に転用するという考え方が見られます。

愛社精神や会社共同体観として参照される古典が、新渡戸稲造です。

『武士道』に経営倫理を接続するという研究が見られました。

武士道的徳目が近代組織の倫理に読み替えられてきた経緯がうかがえます。

 

ほかにも、日本人の勤労精神を体現したり研究したりした人では、渋沢栄一や二宮尊徳、山本七平らが挙げられるようです。

 

ここまでの話を整理すると、戦前・戦後を通じて日本で広まった「労働は美徳」「愛社精神」「社員は家族」といった価値観は、(1)近代日本の道徳・勤労思想(勤勉・報徳・修養)と、(2)企業側が形成した家族主義的経営/パターナリズム(忠誠・終身雇用・企業共同体)という2つの流れが重なって強化されたといえます。

 

さて、一方で非常に対照的なのが、本田宗一郎です。

 

本田は、自身の著書などに「自分のために働け」、「会社に働きに来る人は、それぞれ自分の生活をエンジョイするための一つの手段として来ているのだ」、「くたばれ愛社心」といったことを、すでに1960年代ごろから、何度も書いているらしいのです。

 

「会社の幹部たちは、今の若い人たちが人生を愉快にエンジョイするために会社を選んで来ているのだ、ということをまず知る必要がある」

こんなことまで言っているんですね。

 

松下は優れた経営理念を持っていたと思いますが、今となっては古くなってしまった感があります。

松下らが古いタイプの経営者だとしたら、本田宗一郎は時代を何歩も先取りしていたといえるでしょう。

 

新社会人を甘やかすというのではありません。

 

いつの時代でもそうかもしれませんが、現代では既得権者がさらに深刻な形でなりふり構わず保身に走り、「労働は美徳」「愛社精神」を悪用し、弱い立場の労働者に対して、やりがい搾取や滅私奉公という犠牲を強いているように思えてなりません。

 

こういう時代に、再び本田宗一郎の経営理念が脚光を浴びるかもしれません。

 

本日の記事は以上です。

 

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