こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
「「中長期的な戦力」企業が高卒採用に熱視線 背景に労働人口の減少も課題は高い離職率」
RKB福岡放送の記事です。
労働力不足を背景に高校生にとって「超売り手市場」が続いています。この春卒業した福岡県内の高校生の有効求人倍率は「3.70倍」で1987年の統計開始以来、過去最高となりました。
労働力不足が言われるようになってから随分と経ちますが、中小企業としては、「若くて素直で給料が安い」高校生を採用したいのが本音のようです。
へえ、高卒採用に特化した求人サイトというのがあるんですね。
「ジンジブ」というそうです。
この「ジンジブ」の事業部長のコメントが気になりました。
近年、中途採用や大卒採用、外国人の技能実習生の採用がだんだん難しくなってきているので、新たに高校新卒採用を始めようという企業が増えてきています。
18歳で世に出てくるものですから、やっぱり素直で真っ白で社内の理念の浸透だったりとか、そんなのがすごくしやすいので中長期的な戦力化できるような人材だと、企業側は思われることが多いですね。
人件費を抑えたいという企業側の本音が透けて見えます。
外国人技能実習生と高卒だったら賃金が安いですからね。
高卒と外国人技能実習生は同レベルなわけですか。
結局、「安い賃金でも来てくれる」中途採用や「安い賃金でも来てくれる」大卒がいないということでもあるでしょう。
「18歳で世に出てくるものですから、やっぱり素直で真っ白で社内の理念の浸透だったりとか、そんなのがすごくしやすい」
結局これが本音じゃないですか。
人件費の安さよりもむしろ、「御しやすい」ことが重視されているのかもしれない。
「社内の理念」なんて、そんなもの空想でしょう。
「素直で真っ白」だから、つまり好きなように都合よくコキ使えるということ。
最近よく言われる、「メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ」。
しかし、実際に起こっているのは全く逆のことではないですか。
「素直で真っ白」な労働力に、「社内の理念」というフワフワした仕事をくっつける。
これがつまり、昔も今も変わらない日本的メンバーシップ型雇用の姿ではないのか。
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これに対して、なぜか僕が思い出すのは、野村克也元監督の「野村再生工場」です。
成績が振るわずトレード要員となった選手や、他球団を自由契約となった選手の中で、活躍の余地が見込まれるプロ野球選手を、野村の助言や指導によって再度活躍の機会を与える手法として、後にこの言葉が定着するようになった。(Wikipedia)
くすぶっている中堅やベテランの隠れた能力を、殺し文句で引き出し、抜擢して活躍させる。
田畑一也、小早川毅彦、山崎武司、鉄平、辻発彦、遠山昭治、伊藤敦規、成本年秀、廣田浩章、小山伸一郎、金森栄治、吉井理人、飯田哲也、高津臣吾、藤本敦士・・(敬称略)。
錚々たる顔ぶれですね。
高卒採用を悪く言うわけでは決してありませんが、安易な「メンバーシップ雇用」より、よっぽど魅力的な人材活用。
これぞ、本物の人事。
理想的な指導者の姿ではありませんか。
各々の個性や能力やスキルを最大限に引き出すマネジメント術。
これが実は「ジョブ型雇用」の本質ではないのか?
「再生工場の本質が何かと言えば、それは自信の回復ですよ」
野村元監督の言葉にしびれますね。
本日の記事は以上です。