こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
復職してちょうど半年が経ちました。
休職期間半年、そのあと復職して半年です。
僕は新型コロナウイルスが流行する前から仕事で挫折して休職生活に移行、つまりステイホーム生活に入っていました。
身の回りの棚卸し作業をしています。
3月中旬から復職しましたが今も棚卸しを継続しています。
休職に至る前は、異動先での慣れない仕事、プレッシャーをかける上司、シビアな仕事内容。
気が休まる暇がなく、平日は残業、土日もイベントか残務処理でほとんど出勤。
自宅にいても仕事のことが頭を離れない毎日が続きました。
最終的には毎日残業、土日出勤、パワハラ上司の3拍子でメンタル不調になり、診断書を書いてもらって休職しました。
詳しくは『辛くなったら逃げよう!「休職」「病気休暇」』というタイトルでKindle本を出していますので、似たような境遇の方は読んでみてください。
さて休職期間に入って以降とにかく猛烈に読書してみようと思い、書店やブックオフで気になった本は片っ端から買って読んでいます。
『「やりがいのある仕事」という幻想』(森博嗣 著)という本を読了しました。
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著者の森博嗣さんは1957年生まれの作家で工学博士。
某国立大学工学部助教授として勤務するかたわら、1996年に『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞し、作家としてデビュー。
小説からエッセイまで約250冊以上の著書が出版されている。
仕事量は1日1時間であり、最大の関心事は模型製作。
著者は冒頭の章で「人は働くために生きているのではない」「仕事で人間の価値が決まるのではない」と書いています。
この本は、仕事とは何か、働くとはどういうことか、社会と歴史の大きな流れから仕事の意味を考え、本当にありとあらゆる角度から仕事について論じています。
タイトルにあるように著者は、「やりがいのある仕事」というのは幻想だ、思い込みだ、そんなものは存在しない、というふうに徹底的に仕事に対する既成概念の解体を試みています。
そんな本書ですが、それでも「仕事のやりがいとは何か?」という問いに、森さん自身が真正面から回答を与えている箇所があります。
手応えのある仕事というのは、簡単に終わらない、ちょっとした苦労がある仕事のことである。同様に、やりがいのある仕事も、本来の意味は、やはり少々苦労が伴う仕事のことだ。
本当に素晴らしい仕事というのは、最初からコンスタントに作業を進め、余裕を持って終わる、そういう「手応えのない」手順で完成されるものである。この方が仕上がりが良い、綺麗な仕事になる。
ただ、こういう仕事ができるようになるためには、沢山の失敗をして、自分の知識なり技なりを蓄積し、誠実に精確に物事を進める姿勢を維持しなければならない。さらに、時間に余裕があるときには、勉強をして、新しいものを取り入れ、これはなにかに活かせないか、ここはもう少し改善できないか、と常に自分の仕事を洗練させようとしなければならない。この自己鍛錬にこそ、手応えがあり、やりがいがあるのだ。
「やりがいのある仕事」というのは幻想だ。そう言っておきながら、ここで森さんが書いていることは、まさにド正論です。
こういう地道な自己鍛錬の積み重ねのなかに、仕事の手応えがあり、やりがいがある。
言い換えれば、退職したり転職したり僕みたいに疲弊して休職する。
これは、こういう地道な自己鍛錬によって積み上げているものを、何かの理由で奪われるからです。
自分に原因があるかもしれないし、職場環境に原因があるかもしれませんが。
例えば、部署の異動や転勤なども、あまりに仕事内容や仕事環境が激変してしまうために、これまで積み上げてきたものが無くなってしまう、そして、適応障害を誘発してしまうかもしれません。
僕は冒頭に書いたように半年間休職しました。
復職して半年たってもなかなか仕事が辛かったりして身が入らない。
いったん崩れてしまった「自己鍛錬の積み重ね」を元通りに立て直すためには、いかに労力を要するか。
前にも書きましたが、退職や転職や休職を経験した人が再起を期すには、焦らずゆっくりでいいですが、まさに人より100倍努力する、そして100倍にして返してやる。
そういう気概も必要なのかもしれません。
20代、30代の若手の人はもちろん、40代以降のオッサンでも可能であれば仕事からちょっと離脱して、働くことの意味をゆっくり考えてみてはいかがでしょう。
本日の記事は以上です。
☟『「やりがいのある仕事」という幻想』森博嗣 著(朝日新書)