仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

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異常な人格の上司が会社に一人や二人いるのは当たり前なのか?『仕事と心の流儀』丹羽宇一郎 著

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

復職してちょうど半年が経ちました。

休職期間半年、そのあと復職して半年です。

 

僕は新型コロナウイルスが流行する前から仕事で挫折して休職生活に移行、つまりステイホーム生活に入っていました。

身の回りの棚卸し作業をしています。

3月中旬から復職しましたが今も棚卸しを継続しています。

 

休職に至る前は、異動先での慣れない仕事、プレッシャーをかける上司、シビアな仕事内容。

気が休まる暇がなく、平日は残業、土日もイベントか残務処理でほとんど出勤。

自宅にいても仕事のことが頭を離れない毎日が続きました。

 

最終的には毎日残業、土日出勤、パワハラ上司の3拍子でメンタル不調になり、診断書を書いてもらって休職しました。

詳しくは『辛くなったら逃げよう!「休職」「病気休暇」』というタイトルでKindle本を出していますので、似たような境遇の方は読んでみてください。

 

いま丹羽宇一郎さんの『仕事と心の流儀』を読んでいます。 

 

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著者の丹羽宇一郎さんは1939年生まれで今年81歳。元伊藤忠商事株式会社会長、元中華人民共和国特命全権大使です。

 

先日の記事で本書を取り上げて、著者が30代のころ致命的な失敗を犯し、会社で大きな含み損を抱えたこと。

その後の努力で含み損を解消し、のちに伊藤忠の社長まで上り詰めたエピソードを紹介しました。

 

この丹羽さんが、不満を持たれるのはどういう上司か3つ挙げています。

 

一つ目は、人間としての人格を認めない上司です。最近問題になっているパワハラ上司やセクハラ上司も、これに該当するかもしれません。お前たちのような若造を相手にできるか、と言わんばかりに、部下を路傍の石ころのように扱う上司です。

二つ目は、部下を信頼せず奴隷のように扱う上司です。何か仕事をしたら、小さなことまでいちいち報告させる。部下を励ましたり労ったりすることがない。仕事がうまくいくと自分の手柄のような顔をする。

三つ目は、絶対に褒めない上司です。何をしても、いつも怒ってばかり。ちょっと何か問題が起こると、「すぐにバカ野郎!何やってんだ」と怒鳴りつける。

 

不満を持たれる三つの上司の特徴を挙げてありますが、二つ、三つ兼ね備えている上司がいると思います。

丹羽さんは、こんな上司では部下の心は離れ、会社を辞めていくでしょうと言っています。

上司は部下を掌握し気を配らなくてはいけないとして、上司の責任の重さを指摘しています。

 

僕の元パワハラ上司は二番目に近かったですね。

部下を信頼せず奴隷のように扱う上司。

何か仕事をしたら、小さなことまでいちいち報告させる。

非常に精神不安定だった。

もう一緒に仕事はできないと判断。

職場に診断書を提出し、次の人事異動まで半年間休職しました。

 

上司と部下の関係を書いているビジネス書は精神論で論考を進めて、「こんな上司がいるから部下は上手く立ち回らなくてはいけない」としてそれで終わり、というものが多い。

 

異常な人格の上司が会社に一人や二人はいるのが当たり前だという前提

しかし、20代や30代の若手がこれだけ心を病んで、会社を休み、辞めていく現状をそれだけで済ませていいのだろうか。

 

職場の人間関係に悩み、うつ病適応障害などの精神疾患を抱える若手のツイートがなんと多いことか。

ちなみに私は40代半ばの平のオッサンですが、50代上司に潰されました(苦笑)。

 

松崎一葉さんの著書『クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち』にこう書いてあります。

 

(クラッシャー上司には)「やらねばならない。やり遂げたら、次をやらねばならない・・・」というエンドレスな焦燥がある。

初めのころは自分一人でもそれをやり遂げることができたが、次第にやらねばならないものは大きくなっていくので、自力では間に合わなくなってくる。

そして、部下をこき使うようになる。

部下を潰してでも自分の目標を達成させようとする。

 

全然部下の成長のためではないのです。

ただ自分の目標を達成したいだけなのだが、自力でそれができないから、部下を手足のように使っているだけなのです。

そして、‟自分の手足"が思い通りに動かないからブチ切れているだけなのです。

 

松崎さんはそういう上司を「クラッシャー上司」と呼び、次のように書いています。

共感性が欠如して他責的で、部下や同僚に対して家族に対するのと同じ甘えがある。

上司自体が未熟型うつになるような若者と同じ精神構造を持っている。 

 

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役職付きの上司もまた、業務の責任の重さと部下の仕事の管理掌握の板挟みに疲弊しているのではないか。

それはほとんど病的な域に達しているものもあり、こういう上司こそカウンセリングや精神科受診の対象ではないのか。

松崎さんの指摘はそこまで踏み込んでいるものです。

そういった取り組みをやらせる組織的、制度的な仕組みがないのが問題だと思います。 

 

丹羽さんが指摘した不満を持たれる上司の3つの特徴。

いまの時代、不満を持たれるくらいでは済まない。

人が集まらなくなり、会社そのものの存続が危うくなるでしょう。

 

本日の記事は以上です。

 

☟『仕事と心の流儀』丹羽宇一郎 著(講談社現代新書) 

 

☟『クラッシャー上司 平気で部下を追い詰める人たち』松崎一葉(PHP新書