仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

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知の越境は難しいが闘志が湧いてくる。ジャーナリストとコンサルタント『知の越境法』池上彰 著

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。

 

仕事に復帰してまもなく半年になります。

仕事は難しい。

ワークライフバランスを意識するあまり、ほどほどに仕事をこなそうとしていると見透かされる。足元をすくわれる。

仕事するということは、必死に勉強することなのか。最近よくそのように感じています。

 

専門外の仕事や知識に積極的に飛び込んでいかなくてはならない職業として、ジャーナリストとコンサルタントが挙げられると思います。

以前、池上彰氏の著書『知の越境法 「質問力」を磨く』を読んで、記事に取り上げました。  

 

この本の肝は「質問力をどう鍛えるか」ということより「知の越境」のほうです。

本書のテーマである「知の越境」。

これこそ自分が目指していることではないのか。

池上彰さんこそ、知的生産活動を志す者がモデルとすべき人物です。

 

池上さんの経歴は意外と知られていないのではないでしょうか。

本書では池上さん自らの経歴を披露しながら、「越境」の人生と表現しています。

 

池上さんはNHKに入社後、記者として警察担当、ロッキード事件やダグラス・グラマン事件の取材、気象災害、消費者問題NHK特集でエイズ問題を担当、いじめや受験戦争、宮内庁担当と「越境」を繰り返し、首都圏向けのニュースキャスター、そして職業人生最大の転機となる「週刊子どもニュース」を担当することになった。

池上さん自身は望んだ越境ばかりではなかった、「受け身の越境だった」と振り返っています。

 

しかし大事なのは、池上さんが次のように書いていることです。

「とりあえずは依頼された仕事をありがたく引き受け、必死に勉強する。その積み重ねが、仕事の幅を広げた」

いきなり越境ありきではなく、一つ一つの分野をまずは専門的に究めていったということです。

 

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ホリエモンが自著『情報だけ武器にしろ。』で池上さんの凄さにふれています。

 

僕の覚えている限り、彼(池上氏)の日常的な情報収集術は次のようなものだった。

①オフの日は「CNN」(アメリカの報道番組)を流しっぱなしにする。

②毎日、すべての全国紙に目を通す。

③専門誌を5冊定期購読する。

④毎日3店の書店を訪れる。

大方の反応は「ここまでやっていたのか」「ヤバい」という声が圧倒的多数を占めていた。けれども僕は「当然だろう」と感じた。だって、メディアに引っ張りだこのジャーナリストの情報収集術なのだから、桁外れで当たり前だ。ニュース番組で彼の解説を一度でも聞いたことがあったら「これくらい情報のシャワーを浴びないと、あのマシンガントークはできないだろう」と、誰でも推察できるはずだ。

 

池上さん自身も、『そうだったのか!アメリカ』という1冊の本を執筆したときの主要参考文献は146冊(!)だった、と書いています。

凄いアウトプットはその数百倍のインプットに支えられていたのですね。

池上さんのレベルに到達するには、これくらいの心構えが必要なんですね。

 

池上彰さんの凄さはともかく、一般的なジャーナリストとしてならば、取材し質問するのが仕事でしょうから、それほどの専門知識はなくとも仕事は務まるはずです。

 

これに対して、専門外の分野に対してもプロ並みの専門知識を求められるのがコンサルタントの仕事ではないでしょうか。

短期間に専門分野の知識を習得しなければならない。

 

ビジネス書をたくさん読んでみると、コンサルタント出身の著者が非常に多いのに気づきます。

勉強するための読書法について、元リクルートでMBAを取得した大塚寿さんは次のように書いています。

 

3つの読書法

▶「ばっかり読み」で確実に腹に落とす

▶「バイブル読書」で、内容を講演できるくらい読み込む

▶本は「言葉探し」のために読む

「ばっかり読み」とは、何か関心を持ったテーマがあれば、手当たりしだいに類似書を買い求め、10冊くらいをまとめて読む方法です。とにかく1テーマをまとめて読むのです。

「ばっかり読み」の効用はなんといっても、最大公約数的に重要なことが把握できるようになることです。同一テーマの本を読みあさる場合、3冊も読めば、同じようなことが書かれていることに気づきます。その共通項こそが、そのテーマのエッセンスなのです。

4冊目くらいからは本の中身や展開が予想できるようになり、読み進むスピードがグッと速くなり、7、8冊目ともなると、まだその分野で知らないことだけを探しながら読めるようになります。

やはりどんな分野であっても、その分野のコアとなる中核要素というものがあります。そのキモを素早くつかむ方法というのは、連続して同じテーマの本を読み続けるのが最も合理的なのです。

さらには、同一テーマをさまざまな角度から繰り返し刷り込むことから、学習効果も生まれ、結局そのテーマの肝心なところを確実に修得できるようになります。

 

同じく読書法に関して、東洋思想研究家で企業に対するコンサルティング業務を行う田口佳史さんは次のように書いています。

 

たとえばクライアントから「人事制度を改善したい」という要望があると、その足で書店に行って、人事に関する本をダーッと何十冊も買います。

案件によっては、200冊くらい購入したこともあります。ほぼ棚ごと全部、買い占める感じでした。

次にそれらの本を一週間くらいかけて、ひたすら読み続けます。寝る間も惜しみ、食事もサンドイッチやおにぎりなどの片手でつまめるものにして、もうデスクに座りっぱなしです。

そのようにして、その分野に関する本を大量に読むと、「常識」がわかります。「常識」とは、すべての本に共通して書かれていることです。

人事のプロにアドバイスするのが私の仕事ですから、「そんなことも知らないの?常識だよ」といわれたら、その場でアウトです。

とにかくどんな要望にも「できません」といわずに、まったく知らないことでも「大量の本で学ぶ」というこの方式で、私は役割を果たしながら、能力を上げていきました。

 

池上さんや大塚さん、田口さんに共通していることは、大量の読書でひとつの専門分野を必死で極めていること。 

 

冒頭に書いたように、ワークライフバランスを意識するあまり、ほどほどに仕事をこなそうとしていると見透かされる。足元をすくわれる。仕事するということは必死に勉強することなんですよね。

 

パワハラ上司に潰された。仕事で挫折した。

もう二度と同じ轍を踏まない。

仕事とワークライフバランスを高い次元で完成させたい。

 

池上さんらの勉強法や仕事術をかみしめると、ふつふつと闘志が湧いてくる思いです。

 

本日の記事は以上です。

 

☟『知の越境法 「質問力」を磨く』池上彰光文社新書

 

☟『40代を後悔しない50のリスト』大塚寿(ダイヤモンド社

 

☟『40代から人として強くなる法』田口佳史(三笠書房