こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
先日、多様化する労働のリスクについて記事を書きました。
様々な理由で長期間安定的に働き続けることが困難になり、離職を繰り返して生活費に困窮するリスクが非常に高まっていると感じます。
実際、身近な人でも「障害年金」の受給に踏み切るという例が多くなってきました。
家計のセーフティネットとして、最終手段となるのは生活保護です。
他にも失業給付などいろいろな支援制度があります。
生きづらい現代をしぶとく生き抜くサバイバル術として、あらゆる手段を考えておきたいところです。
そこで、実は家計を支える「ベーシックインカム」として、障害年金の活用が期待できるということを考えていきます。
障害年金について
障害年金は日本の公的年金制度の一部であり、障害によって生活や仕事が制限される方を対象に、生活の安定を図るための給付金を支給する制度です。
日本の障害年金制度には、国民年金と厚生年金の2種類があります。
それぞれに障害基礎年金、障害厚生年金、障害共済年金などが含まれており、申請者の就業状況や保険の加入状況に応じて適用される年金が異なります。
障害年金は、病気やけがにより障害が残り、日常生活や労働に支障が出た場合に申請が可能です。
例えば、精神的な障害(うつ病や統合失調症)、身体的な障害(視覚障害や四肢麻痺)、内部障害(腎臓や心臓の疾患)など、様々な状態が対象とされており、等級によって受給額が異なります。
障害年金の申請は、日本年金機構を通じて行われ、医師の診断書や障害認定基準などを元に審査されます。
審査が通ると、障害の程度に応じた年金が支給される仕組みになっています。
年金額は等級によって異なり、障害基礎年金(1級・2級)や障害厚生年金(1級~3級)の受給額が異なります。
また、家族がいる場合や特定の年齢条件により、加算がされるケースもあります。
障害年金の支給額
日本における障害年金の支給額は、障害の等級や加入している年金制度(国民年金か厚生年金)に応じて異なります。
2023年度の基準をもとに、概要を以下に示します。
障害基礎年金(国民年金加入者向け)
国民年金に加入している人(自営業者や学生など)が対象で、障害等級が1級または2級に該当する場合に支給されます。
1級:月額約97,525円(年額1,170,300円)+子ども加算
2級:月額約78,020円(年額936,200円)+子ども加算
子ども加算
第1子・第2子:各224,700円/年(1人あたり)
第3子以降:各74,900円/年(1人あたり)
障害厚生年金(厚生年金加入者向け)
厚生年金に加入している人(会社員や公務員など)が対象で、障害等級が1級~3級の場合に支給されます。
支給額は「報酬比例の年金額」となり、在職中の収入(標準報酬月額や加入期間)に応じて計算されます。
1級:報酬比例の年金額×1.25+配偶者加給年金(224,700円/年)
2級:報酬比例の年金額+配偶者加給年金(224,700円/年)
3級:報酬比例の年金額のみ(最低保障額月額約58,000円)
障害手当金(厚生年金・一時金)
3級未満の障害に該当する場合には、一時金として「障害手当金」が支給されます。
障害共済年金(公務員向け)
公務員が加入していた共済年金も、現在は厚生年金に統合されていますが、旧制度に基づく支給方法が適用される場合もあります。
支給額の見直し
障害年金の支給額は毎年度見直しが行われ、物価や賃金水準などに応じて改定されます。
障害年金をベーシックインカムとして活用する意義
障害年金を受けることで、経済的な基盤が整うため、生活の安定や自立支援が図れます。
特に障害が原因で仕事が難しい、あるいはフルタイムで働くことが難しい人にとっては、障害年金は貴重な収入源です。
ここで、障害年金をベーシックインカム的に活用する視点が浮かび上がります。
ベーシックインカムとは、国がすべての国民に対して最低限の生活を維持するための収入を無条件で支給する仕組みです。
障害年金が果たす役割も、これに近いものがあります。
障害年金とベーシックインカム的活用の相性の良さ
障害年金がベーシックインカムとして機能するためには、以下のような点でメリットがあります。
最低限の生活支援
障害年金は障害者の生活の基盤を支える目的で設けられたため、金額的にも最低限の生活を維持できるよう設計されています。
これにより、障害者が社会参加をするための最低限の生活が保証され、余裕が生まれます。
経済的自立の支援
障害年金は、仕事をしている・していないに関わらず支給されるため、フルタイムで働けない方にとっては重要な収入源となります。
ベーシックインカム的に安定した収入が得られることで、障害者自身が自身のキャリアや生活の目標を定め、無理なく計画を立てられるようになります。
福祉の一環としての活用
障害年金は日本の社会福祉制度の一環であり、福祉の視点からもベーシックインカムと一致する考え方です。
障害者が必要な医療や介護サービスを利用しやすくする支援とともに、経済的な負担を軽減し、生活の安定を図る目的で利用されるべきものです。
精神的な安定の確保
経済的な不安が軽減されることで、生活に対する不安やストレスが減り、結果として心身の健康維持にもつながります。
障害を抱える方にとって、経済的な安定が精神的な安定にもつながり、生活の質を高める効果が期待されます。
障害年金を活用した家計支援の実践
障害年金をベーシックインカム的に活用することで、家計を支える方法をいくつか挙げてみましょう。
生活費の安定
障害年金が定期的に支給されることで、生活費の基盤が整い、家計の予測がしやすくなります。
食費、家賃、光熱費などの基本的な支出を障害年金で補うことが可能になり、家族や周囲の経済的な負担が軽減されます。
教育費の補助
障害を持つ家族がいる場合、家族のケアにかかる費用がかさむことが多く、教育費や将来のための貯金に十分な資金を割くのが難しい場合もあります。
障害年金を活用することで、家族の教育や生活のために安定した資金が確保され、生活が安心して計画的に進められます。
将来への備え
障害年金の受給者は、将来に対する不安がつきものです。
障害年金をベーシックインカム的に活用し、一定額を貯蓄や投資に回すことで、将来の医療費やケア費用など、突発的な出費に備えた資産形成が可能になります。
地域社会への参加
障害年金の安定した収入により、地域活動やボランティア活動などに参加しやすくなります。
経済的な安心感が得られることで、社会貢献を通じた交流の場が広がり、社会的孤立を防ぐ効果も期待されます。
障害年金とベーシックインカムの課題
障害年金をベーシックインカムとして活用するには、いくつかの課題もあります。
年金額の不足
障害年金は最低限の生活支援が目的であるため、生活費を賄うには不十分な場合もあります。
ベーシックインカムとしての活用を考える場合、金額の引き上げや追加的な支援が必要です。
申請・審査の複雑さ
障害年金の申請手続きには多くの書類と時間が必要で、障害の認定基準も厳格です。
ベーシックインカム的に支援を広く活用するには、制度の簡素化や認定基準の見直しが求められます。
経済的・精神的な安定の維持
障害年金の支給には更新手続きや再審査が必要な場合も多く、定期的に行うことで精神的な負担がかかります。
このため、経済的に安定を得るためにも、受給者の負担を軽減する方法が検討されるべきです。
終わりに
障害年金は、障害者が安定した生活を送るために欠かせない支援制度です。
ベーシックインカム的に障害年金を活用することで、障害者とその家族が社会の中で安心して生きるための基盤を築くことができます。
経済的な支援により、個々の生活の質が向上し、障害を持つ人々が自己実現を目指せる社会が実現することを願います。
本日の記事は以上です。