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就職氷河期世代とロスジェネ世代:世代の痛みを振り返る

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。

 

僕は40代半ばで過労と上司のパワハラにより休職しました。

 

人生ちょうどいい機会だと思ったので、何も分からなかった20代、「他人の人生」と「自分の人生」の区別がつかないまま走ってきた30代、そして40代って何だろう。こういったことを振り返る試みを行っています。

 

それで、世の中での自分の立ち位置を俯瞰で見るために、「就職氷河期世代」「ロスジェネ世代」とは何かということについて、以下に備忘録としてざっと整理します。

 

因みに2019年の大卒者のうち進学希望者、自営業、家事手伝いなどを除いた大卒者全体に占める就職者の割合は78.0%くらいらしいです。

ネット情報を拾っただけなので、数字の正確性は定かではありません。参考程度です。

 

ネット上のこの手のデータは何が正しいのか分かりません。

また、「ロスジェネ」をググって検索上位に上がってくる記事も、やたら文字数が多いだけで何かピントの外れた変なものが多いですね。

 

就職氷河期世代とは、2000年前後に大学を卒業した、40代後半から30代後半くらいまでを指します。

1999年から2004年くらいの間に大学を卒業した人の就職率は7割を切っていました。

 

ちょっと遡って、バブル崩壊(1991年から1993年までの景気後退期)があり、1995年、日経連(今の経団連)が「新時代の日本的経営」を発表しました。 

 

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ちょっと長くなりますが、以下に『世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状』から引用します。

 

上野(千鶴子氏):わたしは、ロスジェネの貧困問題は、はっきり言って人災だと考えています。95年に日経連が「新時代の日本的経営」を打ち出し、政財官一体となって雇用柔軟化に舵を切った。非正規雇用に若者と女性を突っ込もうと、つまり、使い捨て労働力を増やしていい、と。わたしは、これは完全に「オヤジ同盟」の政策的合意だと思っています。使用者側の老獪さに、この20年、やられっぱなしだったという気がします。そこに、共犯者がいます。それが連合に代表される、労働組合界の団塊世代オヤジたちです。日本型雇用という自分たちの既得権さえ維持できるなら、後からくる若者と女性は割を食ってもいい、と。

雨宮(処凛氏):でもそんなことをしたら、子ども世代の雇用が不安定になり、その結果、自分たちの老後も危うくなるじゃないですか。

上野:そこが問題なの。その時、労働組合のオッサンたちは見通しを誤った。95年といえば、バブルが崩壊してから4年目。今は冷え込んでいるけれど、あと何年かしたら景気は回復し、自分たちの息子や娘もいずれ正規雇用に吸収されると思ったんでしょう。

雨宮:わたしも、いつか景気がよくなったら正社員になれるだろうという思いは、どこかで漠然とありました。

上野:その予測が完全にはずれた。まさか自分たちのジュニア世代がそのまま非正規雇用が固定してロスジェネになるとは思わなかった。

 

上野氏の見解が真相だと思います。

 

しかし氷河期当時は親も子も、雇用破壊は社会の問題ではなく、「自己責任」「頑張れば報われる」と個人のメンタルの問題だと思ったんですね。

 

上野:「頑張れば報われる」なんて、どの面下げて団塊の世代が言えるのか、と思う。団塊世代は、頑張らなくても報われた世代なんです。自分の能力が高いからでも、人一倍努力したからでもなく、世代丸ごと親の世代より高学歴になれたし、生活水準も上昇した。経済が成長していく時代にたまたま生まれ合わせただけのことですから。

 

以下、本書からの引用と僕の私見です。

 

バブルが崩壊して景気と就職率が急落するなか、1999年、小渕内閣のとき派遣業務の原則自由化が決定される。

そして2001.4~2006.9までの小泉内閣小泉内閣のブレイン、竹中平蔵ネオリベラリスト(新自由主義者)だった。

2004年に、製造業の派遣解禁、派遣労働の期間制限撤廃など重大な政策決定がなされた。これは従来、専門性の高い業務のみに認められていた派遣労働者を、人件費の高い正規社員の代替として常用するもので、これが後日、正規雇用と非正規雇用の格差を生むことになった。

しかし小泉首相は、2005年の郵政改革選挙で「自民党をぶっ壊す」「既得権益をぶっ壊す」という公約を掲げた。

これにフリーター層はもちろん、世間がこぞって自民党に投票した。

 

既得権益の温存と若者の雇用破壊は完全に隠蔽されてしまったんですね。

 

本日の記事は以上です。

 

☟『世代の痛み 団塊ジュニアから団塊への質問状』上野千鶴子雨宮処凛中公新書ラクレ