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麻生太郎副総理兼財務相の「貯金が増えた」炎上発言。結局、特別定額給付金とは何だったのか?

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。

 

昨日に引き続き、麻生太郎副総理兼財務相が「特別定額給付金を配った分だけ個人の貯金が増えた」と発言したことに関する話題です。 

 

ネットのニュース記事でメディア各社が、麻生太郎副総理兼財務大臣政治資金パーティーでの発言を取り上げました。

 

麻生太郎副総理兼財務相は24日、新型コロナウイルス対策の一環として国民1人あたり10万円を配った特別定額給付金について、「その分だけ(個人の)貯金が増えた」と述べ、消費を喚起する効果は限定的だったとの見方を示した。

福岡市で開いた自身の政治資金パーティーで語った。

麻生氏は講演で「(個人の)現金がなくなって大変だというのでこの夏、1人10万(円給付)というのがコロナ対策の一環としてなされた」と説明。

その上で、給付金の効果について「当然、貯金が減るのかと思ったらとんでもない。その分だけ貯金が増えました」と主張した。

さらに「カネに困っている方の数は少ない。ゼロじゃありませんよ。困っておられる方もいらっしゃいますから。しかし、預金・貯金は増えた」と重ねて強調した。(朝日新聞

 

この麻生氏の発言の記事を読んで、ニュースのコメント欄は一斉に麻生氏を批判するコメントで埋まりました。

 

「一般庶民のことが分からないおじさんが適当なこと言うな」

「私の周りの人は使っている。どんな統計を使ったのか」

「今後が不安で貯金に回す人など使い方は人それぞれでは」

「給付金は国民が納めた税金。家計に回しても貯金してもプチ贅沢しても使う人の勝手でしょ」

 

「何を根拠にそんなことを言うのか」というものが結構多かった。

 

自民党公式サイトより】

衆議院議員 麻生 太郎(あそう たろう) | 議員 | 自由民主党

 

特別定額給付金の目的は何か?

 

政府の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」ということですが、私が思うに、一つはコロナ禍で収入源に打撃を受けた人への生活支援。

もう一つは国内消費を喚起するための景気刺激策。

 

麻生氏は後者の意味で、特別定額給付金が国内消費に回らずに貯蓄に回ったという事実を指摘した。

 

麻生氏は、財務相という国の財布を締める立場の大臣であることから先の発言をしたのであり、もともとバラマキ政策に反対を表明していたのです。

だから、麻生氏の発言に何ら矛盾はありません。

 

念のため申し添えますが我が家はちょうど非常に家計が苦しい時期だったので、特別定額給付金は渡りに船。有難く頂戴しました。

 

www.nikkansports.com

 

これに対し、各界の著名人が意見を表明しています。

長野智子さんは26日にTwitterで麻生氏の発言に触れ、「消費も大切だけど、貯金せざるをえない国民の将来不安にこたえてください。。」と訴えた。

 

作家の乙武洋匡さんは「本当に『給付金により貯蓄が増えた』というデータがあるなら公表したほうが発言に説得力が生まれるだろうし、たんなる憶測で話しているなら財務大臣としては迂闊に過ぎると思う」とツイート。

 

元「2ちゃんねる」管理人として知られるひろゆきさんは「家計への支援が目的の10万円の特別給付金。終わりの見えないコロナ禍への対応のためちょっとづつ家計に使うのが庶民。10万円を直ぐ使い切れるのは、生活不安がない家庭」とし、「まぁ、使い切る人が多かったら、『ほら、家計に使ってないじゃないか』って言うんでしょうね」と皮肉を込めた。

 

また、落語家の立川談四楼さんは「あんまり腹が立ったので1日置いたが、まだ怒りが収まらない。麻生さんの『10万円給付分だけ貯金が増えた』発言だ」と書き出し、「10万円は通り過ぎただけで、羽が生えたように飛んでった現実を知らなさ過ぎる。毎月寄越せという人々の本音に想像すら及ばないのだ。それに施しをしてやったかの口吻はいい加減にしろ」と批判した。(日刊スポーツ)

 

麻生さんの発言に拒否反応を示す意見が多いですが、結局、特別定額給付金は政策としてよかったのかどうかというコメントがないんですよね。

 

先に書いた通り麻生氏は財務大臣という立場から上の発言をしたのですが、長野さんが言うように「だから何?国民の将来不安を解決して」と国に求めるのはその通りだと思います。

 

乙武さんの発言については、先日の記事で書いた通り、内閣府国内総生産GDP)統計に基づき家計の可処分所得や貯蓄率を四半期ごとに推計しており、これによれば「給付金により貯蓄が増えた」というデータが出ているようです。

 

立川さんは、観光業や飲食業などコロナ禍で大打撃を受けた人を代弁するコメントです。立川さんの言う通り事業資金が賄えずに非常に苦しい生活を強いられている人は多いと思います。

しかし、これらの業種を支援するのは特別定額給付金だけでなく他の財政支援があるので、そちらを活用すべきだという話ではないでしょうか?

 

一方、僕はコロナ禍の影響を受けなかった業種なので「ちょっとずつ家計に使った」という、ひろゆきさんのコメントが自分の感覚に一番近いですね。

 

結局、麻生さんの発言ですが、国民全体の貯金が増えたというのは事実なんですよね。

 

事実を述べたことに対して反発を招いたわけですが、その反発も間違いじゃない。

貯金したんじゃなくて実際に生活費に消えたわけです。

つまり誰も間違ってないんですよ。

 

単純計算で10万円を1億2,000万人に配ったら12兆円の政府支出です。

給付金を使っても、その分は誰かの財布に入るわけで、要するに結局、政府が支出したお金をいくら使っても国民全体の貯金になるんですよ。

 

我が家は5人家族で給付額50万円。

そのうち約半分は生活費に消え、残りは子育て用の貯金に回りました。

 

僕は加谷珪一さんの『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』を読んで、コロナ禍から立ち直るため給付金を速やかに消費に回し、さらには国内消費を拡大し貧乏国から脱出すべきだと記事に書きましたが、一部貯金に回したことで自らの発言と矛盾する行動を取ってしまいました。

 

結局、あの特別定額給付金とは何だったんでしょうか?

もう少し検証が必要ですね。

 

本日の記事は以上です。

 

☟『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』加谷珪一 著(幻冬舎新書