40代オッサンtrrymtorrsonの雑記

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特別定額給付金。「その分だけ貯金が増えた」という麻生氏の発言を報道したマスコミの意図は何なのか?

 こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

 先日、ちきりんさんのツイートを引用して次のように書きました。

 

 

 個人家庭の貯金が激増しているとは一体どういうことでしょうか?

 コロナ禍の外出自粛、営業自粛の影響はあるでしょうが、それだけではないと思います。

 2019年12月末の個人金融資産残高は、前年比60兆円増(3.3%増)の1903兆円となっているそうです。

 これだけ積みあがっているということは、すぐに使わない人が大金を保有しているためではないでしょうか。

 すぐにお金を使いたいのは10~20代の若年層、30代~40代の結婚・子育て世代です。

 

 『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』の著者、加谷珪一さんは次のように指摘しています。

 日本はモノ作りの国であり、輸出産業が経済を支えていると考える人が多いのですが、それはもはや過去の話であり、単なるイメージに過ぎません。日本はすでに消費と投資で経済を動かす国になっており、これからの日本はこの強みを生かすよう政策を変えていく必要があります。

 国内消費で経済を回すことができるようになれば、世界の景気動向の影響を受けにくくなりますし、為替レートを過剰に気にする必要もなくなります。また新型コロナウイルスのような危機が再び発生した場合でも、国内だけで対処が可能です。当然のことですが、インバウンド消費に過度に依存する必要もなくなるわけです。

    

 

 加谷さんの主張は非常にシンプルで分かりやすいです。

 加谷さんの言うように国内消費で経済を回していくためには、国民総出で貯金を殖やすのではなく、すぐお金を使いたい人に資金をシフトしなければならないのです。

 

 そのあと、ネットのニュース記事でメディア各社が、麻生太郎副総理兼財務大臣政治資金パーティーでの発言を取り上げました。

 

 麻生太郎副総理兼財務相は24日、新型コロナウイルス対策の一環として国民1人あたり10万円を配った特別定額給付金について、「その分だけ(個人の)貯金が増えた」と述べ、消費を喚起する効果は限定的だったとの見方を示した。福岡市で開いた自身の政治資金パーティーで語った。

 麻生氏は講演で「(個人の)現金がなくなって大変だというのでこの夏、1人10万(円給付)というのがコロナ対策の一環としてなされた」と説明。その上で、給付金の効果について「当然、貯金が減るのかと思ったらとんでもない。その分だけ貯金が増えました」と主張した。さらに「カネに困っている方の数は少ない。ゼロじゃありませんよ。困っておられる方もいらっしゃいますから。しかし、預金・貯金は増えた」と重ねて強調した。(朝日新聞

 

 この麻生さんの発言の記事を読んで、ニュースのコメント欄は一斉に麻生さんを批判するコメントで埋まりました。

「一般庶民のことが分からないおじさんが適当なこと言うな」「私の周りの人は使っている。どんな統計を使ったのか」「今後が不安で貯金に回す人など使い方は人それぞれでは」「給付金は国民が納めた税金。家計に回しても貯金してもプチ贅沢しても使う人の勝手でしょ」

 

 「何を根拠にそんなことを言うのか」というものが結構多かった。

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 特別定額給付金の目的は何か?

 政府の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」ということですが、僕が思うに、一つはコロナ禍で収入源が打撃を受けた人への生活支援。もう一つは国内消費を喚起するための景気刺激策。

 麻生さんは後者の意味で、特別定額給付金が国内消費に回らずに貯蓄に回ったという事実を指摘した。

 

 麻生さんを擁護するつもりはありませんが、冒頭のちきりんさんのツイートのように貯蓄が増えたのは事実です。

 内閣府国内総生産GDP)統計に基づき、家計の可処分所得や貯蓄率を四半期ごとに推計しているそうなので、おそらくこの統計が元ネタだと思います。

 メディア各社は、麻生さんの講演での発言を報道するのではなくて、元データである内閣府が発表した統計を報道すべきです。日経新聞のように。

 普通に考えたら、政府の統計を取り上げて「なぜ、特別定額給付金を含む30兆円もの金額が消費に回らず貯蓄に回ったのか?」という観点から報道するのが筋ではないでしょうか?

 

 メディア各社は事実を報道するのが仕事と思いますが、「ベクトルがかからない純粋な事実」というものはあるのでしょうか?

 麻生さんの誤解を生じやすい発言をニュースに取り上げることで、事実を報道するのではなく、世論が麻生氏批判に向かうよう仕向けるという悪意を感じざるを得ません。

 世論の混乱を招いたのは麻生さんではなくマスコミ各社だと言ってよいでしょう。 

 

☟『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』加谷珪一 著(幻冬舎新書