仕事したくない事務職のオッサンのビジネスブログ

40代中年の危機 休職と復職 働き方改革 ワークライフバランス 副業・複業 メンタルセット

世帯年収300万ではライフプランを描けない。貯蓄せず国内消費で経済を回していきましょう

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

先日、森永卓郎さんの『年収300万円時代を生き抜く経済学』を取り上げました。

 

この本は驚くべきことに2003年に初版発行です。

今から20年近くまえに書かれたものです。

 

年収300万円でも豊かに楽しく生活することが可能であることを森永さんは説いています。

もちろん夫婦共働きで年収600万円を確保できれば良いでしょう。

しかし、世帯収入がずっと300万円では家も車も買うことはできません。

 

理想かもしれませんが、正規や非正規を問わず定職に就いているのであれば、車を買って結婚して家を持って子を成人するまで育て上げるという将来のヴィジョンを当たり前に描けるような世の中にならなければなりません。 

 

-PR-

本書で森永さんは次のように書いています。

 

これまでの一億総中流社会が崩れて、一部に大金持ちが現れる一方で、一般のサラリーマンの年収が300万円台に近づいていくと予測したところ、その通りになった。

1998年の時点で27.5%に過ぎなかった非正社員の割合が、34.6%にまで高まっていたのだ。

就業形態の多様化に関する総合実態調査では、月給10万円未満が37.2%、月給10万円以上20万円未満が40.8%と、合わせて8割の非正社員の月給が20万円に届いていなかったのだ。年収300万円どころか、年収100万円台の人が、3人に1人以上になった。

フリーターは500万人近くに増えた。学校にも行かず、就職もせず、教育訓練も受けていないニートと呼ばれる若者もすでに85万人に達している。

 

正規雇用や年収格差の問題は新しいものではなくバブル崩壊にその根源があり、20年近く放置されてきたものです。

 

最近では少子高齢化により、業種によっては人手不足が進行しているかもしれないので、フリーターやニートが増加しているかどうかは分かりません。

しかし日本には中流層が多いというのは遠い過去の話です。

おそらく年収格差はさらに拡大しているでしょう。

 

 

それなのに、ちきりんさんが書いているように個人家庭の貯金が激増しているとは一体どういうことでしょうか?

森永さんが本に書いていたように、一億総中流社会が崩れて国民が総貧困化していて明日の生活費にも困るような人々が激増しています。

それなのに、国民全体の貯金が積み上がっているのはなぜでしょうか?

不思議ですね。意味が分かりません。

 

コロナ禍の外出自粛、営業自粛の影響はあるでしょうが、それだけではないと思います。

2019年12月末の個人金融資産残高は、前年比60兆円増(3.3%増)の1903兆円となっているそうです。

 

これだけ積みあがっているということは、すぐに使わない人が大金を保有しているためではないでしょうか。

すぐにお金を使いたいのは10~20代の若年層、30代~40代の結婚・子育て世代、それに森永さんが書いていたように非正規社員やフリーターやニートの人たちです。

 

『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』の著者、加谷珪一さんは次のように指摘しています。

 

日本はモノ作りの国であり、輸出産業が経済を支えていると考える人が多いのですが、それはもはや過去の話であり、単なるイメージに過ぎません。日本はすでに消費と投資で経済を動かす国になっており、これからの日本はこの強みを生かすよう政策を変えていく必要があります。

国内消費で経済を回すことができるようになれば、世界の景気動向の影響を受けにくくなりますし、為替レートを過剰に気にする必要もなくなります。また新型コロナウイルスのような危機が再び発生した場合でも、国内だけで対処が可能です。当然のことですが、インバウンド消費に過度に依存する必要もなくなるわけです。

 

加谷さんの主張は非常にシンプルで分かりやすいです。

加谷さんの言うように、国内消費で経済を回していくためには、国民総出で貯金を殖やすのではなく、すぐお金を使いたい人に資金をシフトしなければならないのです。

 

余るようなお金を持っている人や企業は、投資したり賃金に回してもらわないと経済が回りません。

 

本日の記事は以上です。

 

☟『年収300万円時代を生き抜く経済学』森永卓郎ゴマブックス

 

☟『貧乏国ニッポン ますます転落する国でどう生きるか』加谷珪一 著(幻冬舎新書