40代オッサンtrrymtorrsonの雑記

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最高裁判決、非正規職員ボーナス退職金なし。雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保とは

 こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

 「普通」の家庭が「普通」の豊かさを享受できる世の中にならなければならない。

 世帯主や生計を維持する者がずっと年収300万円では、家も車も買うことはできません。

 理想かもしれませんが、正規や非正規を問わず定職に就いているのであれば、車を買って結婚して家を持って子を成人するまで育て上げるという将来のヴィジョンを当たり前に描けるような世の中にならなければなりません。

 

 次のような最高裁の判決が出たようです。

www.nhk.or.jp

 

 この記事に対して

正規雇用と非正規雇用の仕事の内容が同一であれば、等しい賃金を支払うべきだ」

「正社員とアルバイトは仕事が同じではないから、賃金の格差があるのは当然」

「責任は取りたくないから非正規雇用でいい」

「ダメな正社員と優秀なアルバイトがいる。賃金に格差があっていいのか」

「非正規で働いていてボーナスも退職金もないがそれが契約だから不満はありません」

「もっと自分の市場価値を高めて転職すればいい」

 など様々な意見がみられます。

 しかし、国が掲げる「同一労働同一賃金」の方針の意味を誤解してはならないと思います。 

 

 2016年9月に政府は「働き方改革実現会議」を立ち上げ議論をスタートさせました。

 そこでは、9つの改革テーマが設定されました。それは次の通りです。

(1)同一労働同一賃金など非正規の待遇改善

(2)賃上げと労働生産性の向上

(3)長時間労働の是正

(4)転職・再就職支援。格差を固定させない教育

(5)テレワーク、兼業・副業など柔軟な働き方

(6)働き方に中立な社会保障制度、税制。女性・若者の活躍

(7)高齢者の就業促進

(8)病気の治療、子育て・介護と仕事の両立

(9)外国人受け入れの問題

 

  一番目の項目、「同一労働同一賃金など非正規の待遇改善」です。

 これは「労働の内容が同一かどうかを精査して、同一の賃金を支払う」のが目的なのではなく、あくまで「非正規の待遇改善」が目的だと思うんですね。

 非正規雇用の待遇を底上げすることにウエイトを置いていると理解しなければならない。

 だから先ほどの最高裁の判決を受けて、加藤官房長官は次のようにコメントしています。

 「(民と民の訴訟にかかる判決でありコメントは差し控えたいが)政府として、雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保、いわゆる『同一労働同一賃金』の実現に向けた取り組みを進めていきたい」

 

 この正規と非正規の賃金格差の是正をはじめとする働き方改革について、元外務官僚で、鈴木宗男事件に連座して背任・偽計業務妨害容疑で逮捕、有罪判決を受けている作家の佐藤優さんは著書『メンタルの強化書』のなかで次のように指摘しています。

      

 

 賃金引き上げは労働者にとっては一見歓迎すべきことに見えますが、じつは真の狙いは競争力が低く、労働生産性の低い中小企業の淘汰であると見ています。

 賃金アップもそうですが、残業時間の制限、有給休暇の取得、正規雇用と非正規雇用の賃金格差の撤廃など、中小企業から見たらいずれもクリアするのが大変な項目が並んでいます。

 (中略)仕事環境はこの先5年から10年ほどで激変すると思います。生産性の低い中小企業は淘汰され、生き残った企業によって寡占化が進む。それまでの賃金引上げの流れも寡占化が進めば、再び状況が変わってくると見ています。

 正規雇用と非正規雇用の賃金差がなくなり、一般職的な仕事が多くなる。ベースアップや昇給がなくなり、賃金が非正規雇用の方に引っ張られるという下方圧力がかかるでしょう

 あらゆる業種で賃金の頭打ち、あるいは引き下げが起きる。するとどうなるか?足りない分を副業で稼ぐという時代が来るでしょう。企業の側も副業を前提にして採用する。むしろそうして収入源を複線化してもらった方が、自分たちの負担が少なくてすみます。

 つまり、実質的に正規社員の非正規化であり、労働力の流動性が高まることになります。いまの状態がこのまま続けばおそらくそのような働き方になる時代が来ます。本業だけでは多くの人が生活が厳しくなる。副業が当たり前の時代がやってくるのです。

 

 佐藤さんの指摘によれば、非正規雇用の待遇が改善されるのではなく、正規雇用が非正規雇用化するという何とも皮肉な将来予想です。

 正規雇用の非正規化が進んで副業による収入源の複線化がすでに必要になっているのかもしれません。

 佐藤さんは本書であえて悲観的な予測をすることで、「負けない」「折れない」「疲れない」メンタルの力をつけて、不透明な将来に備えよと説いています。

 

 しかし繰り返しになりますが、世帯主や生計を維持する者がずっと年収300万円では家も車も買うことはできません。

 正規や非正規を問わず定職に就いているのであれば、車を買って結婚して家を持って子を成人するまで育て上げるという将来のヴィジョンを当たり前に描けるような世の中にならなければなりません。

 それが雇用形態にかかわらない公正な待遇の確保であり、非正規雇用労働者の暮らしの底上げであるはずです。

 現実を理想に近づける努力をするのが政治の役割でしょう。

 

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