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2023年4月から雇用保険料率が引き上げ。当たり前のようにしれッと上げるな!

こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。 

 

先日から、かもがわ出版の『エキタス』という本を紹介しています。

本書では「エキタス(AEQUITAS)」という若者の賃上げ運動や、労働問題や貧困問題について造詣が深い今野晴貴さんの文章が読めます。

 

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今野さんは労働問題を扱うNPO法人POSSE」の代表理事を務め、2012年に『ブラック企業―日本を食いつぶす妖怪』(文春新書)を出版。

本書は第13回大佛次郎論壇賞を受賞し、「ブラック企業」で「ユーキャン新語・流行語大賞トップテン」を受賞しました。

いま僕が一番注目している有識者の一人です。

 

今野さんは『エキタス』のなかで、労働者の所得の低下や格差・貧困の拡大、非正規雇用ワーキングプアの問題、ブラック企業など数々の社会問題を指摘しています。

 

こういった低賃金に起因する諸問題とともに、今野さんは日本の社会保障制度がいかに機能していないのかをあぶり出しています。

そのなかで、あまりメディアで取り上げられていない雇用保険の問題を今野さんは指摘しています。

 

失業を保障しない雇用保険

失業時の生活を保障する雇用保険制度の利用率は極めて低い。2002年以降、受給者割合は30%を割り込み、2013年以降は19%台で推移している。給付期間が短いために、長期失業者には給付されていないのだ。そのため、雇用保険を受給できない失業者が大量に存在する。特に、若者は仕事を見つけやすいという想定があるために、給付期間が短く設定され、そのために派遣労働など「すぐ働ける」劣悪な職業に誘導されている。

さらに、雇用保険は、会社側の問題で退職した場合は「会社都合退職」とされ、労働者の問題で退職した場合は「自己都合退職」と分けられている。そして、後者の場合、「自ら辞めた」とみなされるために、受給制限がかけられたり、給付期間が短くさせられたりするなどのサンクションが課せられる。具体的には3ケ月の給付制限が課せられてしまう。

 

【Photo:マネーポストWEB/時事通信

 

雇用保険の受給率は2割弱しかない。

まさに「失業を保障しない雇用保険」となってしまっているんですね。

 

さてそんな雇用保険ですが、2023年4月から保険料率が引き上げになっているようです。

下の記事でその概要が読めます。

 

financial-field.com

 

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、給付が増大。

失業時の基本手当の延長給付、休業支援金、休業対応助成金の創設、雇用調整助成金といったさまざまな支援が行われてきました。

そのため、保険財政が悪化しているということです。

 

www.nikkei.com

 

ざっくり言うと社会保険制度は相互扶助の考え方により、みんなで負担して困った人を助ける制度です。

保険制度で賄っている以上、保険料率の改定は致し方無いところもありますが、あまりにも当然のごとくじゃんじゃん上げられては困るんですよね。

 

せっかく国を挙げた賃上げの機運が高まっているのに、こういった社会保険料というのはそういった国の政治的な思惑を無視して勝手に上がっていきます。

国民健康保険料も被用者保険料も介護保険料も同じように上がっていきます。

「給付が嵩んだから上げますよ」という理屈です。

 

それではせっかくの賃上げの効果が社会保険料負担増で打ち消されてしまうではないですか。

 

www.moneypost.jp

 

税金・保険料の重い負担がいよいよ国民の生活を破壊してきて、江戸時代の「五公五民」だと言われて、国会でも問題視されるようになってきました。

 

今野さんが指摘するように、雇用保険をはじめとする社会保障制度がセーフティーネットとして十分に機能していないにもかかわらず、保険制度の名の下に保険料率を当たり前のように上げてくる。

さらには子育て支援の財源としてさらなる負担を強いてくる。

一体どうなっているんだ。

ふざけるのも大概にしてほしい。

 

社会保障制度の在り方から早急に議論すべき事態です。

本当に何とかしてもらいたいものです。

 

本日の記事は以上です。