こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
2022年8月の日経新聞の記事です。
いわゆる「国の借金」が6月末時点で1255兆1932億円だったと発表した。3月末から13.9兆円増え、過去最多を更新した。国民1人あたりで単純計算すると、初めて1000万円を超えた。
経済評論家で勝間和代さんと「株式会社監査と分析」という共同事務所を設立している上念司さんが、著書『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』に次のように書いています。
「政府の借金は1,000兆円を超えているが、実は700兆円近い政府資産が存在している」と(2016年出版時点)。
政府が持つ資産を注意深く積算すると、国の借金は大幅に減るというのですね。
国の借金は「日本政府の借金」なのであって、「国民の借金」ではありません。
「国民1人当たりの借金は、初めて1000万円を超えた」というのは、単に借金の総額を人口で割っただけの話にすぎません。
その証拠に、個人の金融資産は2,000兆円を超えて増え続けています。
日銀が四半期ごとに「資金循環統計」というのを発表しています。
これによると、国の借金が増えるということは国民の金融資産が増えるといってよさそうですね。
個人金融資産はともかく、国の財政はバランスシートで見なければならないというのを多くの識者が指摘してます。
上念さんの本に書いてあるように、この手の記事には借金だけが書かれてあって、国の資産がいくらなのかという情報が全くありません。
そこで、国の資産とは何なのか備忘録的に書いておこうと思います。
上念さんの著書『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』には次のように書いてあります。
ちょっと古いデータですが、平成26年度の財務省の資料では、いわゆる「統合政府(政府と日銀)」の資産合計額は900兆円。
空港や自衛隊の基地や政府の建物など簡単に換金できない固定資産は約2割の179.6兆円しかないそうです。
では、それ以外の80%の資産は一体なんでしょう?日銀が持つ国債残高(220兆円)は政府の子会社の資産ですから、ある種の金融資産です。有価証券(139.5兆円)、未収金等(11.5兆円)、貸付金(138.3兆円)、運用寄託金(103.7兆円)、出資金(70.0兆円)、これらもすべて金融資産です。
年金の運用寄託金は国民からの預かり資産なので除外したとしても、579兆円もの金融資産が国庫に眠っている・・・売れないどころか、大半は売れる、廃止して国民に返してもいいものなのです。
たとえば、有価証券のうち128兆円は外国為替資金特別会計のものです。ですから、ここに溜まった資金はすべて取り崩し、減税してもいいのではないでしょうか?他の先進国ではそもそもこうした特別会計が存在している国が少ない。仮にあったとしても、その規模は日本の数分の一です。
2023年現在の時点では、この数字は変わっていると思われます。
ともかく、日本は巨額の政府資産を持っています。
これは新聞報道ではほとんど報じられません。
しかもこの政府資産の規模は、人口が3倍、経済規模が4倍のアメリカが150兆円ほどだそうなので、いかに巨額なのかが分かります。
国の財布を預かる財務省の官僚は、財布の中身を見せたがりません。
それだけの話です。
これは一応押さえておくべき話だと思います。
本日の記事は以上です。
☟『財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済』上念司(講談社+α新書)