こんにちは、50代オッサンtrrymtorrsonです。
仕事人間でしたがきっつい上司に潰され半年くらい休職した経験があります。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
歴史は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は鮮烈に思い出されます。
第48回目は米国のヘヴィメタルバンド、Nevermore(ネヴァーモア)の5枚目のフルアルバム「Enemies of Reality」です。
「Enemies of Reality」は2003年リリースで、2003年は平成15年になります。
平成15年は僕が29歳でした。
■2003年の日本(wikipediaより)
◆中国各地で重症急性呼吸器症候群(SARS)が流行◆郵政事業庁が日本郵政公社に◆株式会社エニックスと株式会社スクウェアが合併し、スクウェア・エニックスとなる◆個人情報保護法が成立◆有事関連三法が成立◆住民基本台帳ネットワークシステムが本格稼働◆ジェイフォンが世界最大の携帯通信事業者、ボーダフォン(現ソフトバンクモバイル)にブランド変更◆独立行政法人国民生活センター発足◆イラク日本人外交官射殺事件◆足利銀行が経営破綻、一時国有化◆地上デジタルテレビ放送が東京、大阪、名古屋で開始◆米国でのBSEの牛の発見を受け、日本政府が米国産牛肉・牛肉製品の輸入を停止
◆ベストセラー:養老孟司『バカの壁』片山恭一『世界の中心で、愛をさけぶ』フジテレビ『トリビアの泉 へぇ~の本』スマステーション『ベラベラブック2』木村拓哉『解放区』◆映画:『踊る大捜査線THE MOVIE2レインボーブリッジを封鎖せよ』『マトリックス リローデッド』『ターミネーター3』『ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔』『パイレーツ・オブ・カリビアン 呪われた海賊たち』『マトリックス レボリューションズ』『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』『HERO』『トランスポーター』『戦場のピアニスト』『レッド・ドラゴン』『座頭市』『ラストサムライ』...etc.

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現役のヘヴィミュージックギタリストで最高峰だと僕が思っているジェフ・ルーミス。
その彼がArch Enemyに移籍する前に在籍していたのが、このNevermoreです。
このバンドの作品では、「Dreaming Neon Black」や「Dead Heart in a Dead World」や「This Godless Endeavor」の人気が高いように思われますが、僕がダントツに好きなのは、この「Enemies of Reality」です。
今から約10数年前に、ジェフがArch Enemyに移籍したわけですが、なぜ彼がArch Enemyで創作面で中心にならずサイド・ギタリストに徹したのか、未だに納得がいきません。
彼が謙虚すぎるのか、創作への関心を失っていたのか分かりませんが、Arch Enemyにとってもジェフ本人にとっても空白の10年間になってしまった。
本当に不可解です。
まともに聴いてもいませんが、ハッキリ言ってここ10年のArch Enemyは、あまりにも凡庸なメタルバンドになってしまいました。
僕が以前Nevermoreをレビューしたのは、1996年リリースの「The Politics of Ecstasy」で、この作品も好きなんですが、やっぱりジェフの凄さに打ちのめされるのはこの「Enemies of Reality」ですよ。
非常に濃密な全9曲、40分のアルバムです。
前にも書きましたが、ジェフは稀代のリフメイカーで、ソロプレイもカッコ良過ぎます!
1曲目のタイトルトラック「Enemies of Reality」からラストの「Seed Awakening」まで、一切捨て曲無し。1秒たりとも気が抜けないゾクゾクした緊張感が張り詰めています。
ジェフにしか書けないソリッドでひねくれたグルーヴのリフで押す2曲目の「Ambivalent」や3曲目の「Never Purify」。
前半のハイライトとなる「Tomorrow Turned into Yesterday」では、最高のギターソロを聴かせてくれます。
この曲はもちろん、亡くなってしまったウォーレル・デインのヴォーカルは全曲で冴えわたっています。
やはり究極のメタルドラマーと言っていいヴァン・ウィリアムス。
彼のスラッシュビートで始まり、コーラス部は非常にムーディーな「I, Voyager」、同じく突進力のあるリフで始まって、間奏部でカッコ良過ぎて昇天してしまいそうなギタープレイがある「Seed Awakening」。
6曲目の「Create the Infinite」のリフもグルーヴィーで実にクール!
そして、パワーバラードの「Who Decides」でのギタープレイも文句無し!
おまけにジャケットも秀逸。
こんなに凄いアルバムを作っているのに、なんで10年間無駄にしたんだよ、ジェフ・・。
なお、本作をプロデュースしたのはQueensrÿcheのケリー・グレイ。
バンドは彼の音作りに納得がいかず、2005年にアンディ・スニープによるリミックス&リマスター版を出しています(動画はリミックス版)。
アンディのリミックスはソリッドで音が分離していて聴きやすいですが、部分的にはジェフのギターパートやウォーレルのヴォーカルパートに違和感を感じます。
個人的にはケリー・グレイ版のほうが、ウェットでダークで混然一体となったヘヴィネスがあって良いと思います。
ジェフ・ルーミスは2023年にArch Enemyを脱退しました。
ヴァン・ウィリアムスとともにNevermoreを再始動しているようです。
ヘヴィメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、ヘヴィメタルも同じだ。おそらく60代、70代になっても愛聴するだろう。そう思っています。
僕も50代になりましたが、変に老成することなく、このときのNevermoreのように粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。
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