こんにちは、50代オッサンtrrymtorrsonです。
平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介する47回目。
仕事人間でしたがきっつい上司に潰され半年くらい休職した経験があります。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
歴史は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は鮮烈に思い出されます。
第47回目はスウェーデンのヘヴィメタル、オルタナティブロックバンド、Passenger(パッセンジャー)の唯一のフルアルバム「Passenger」です。
「Passenger」は2003年リリースで、2003年は平成15年になります。
平成15年は僕が29歳でした。

1990年代~2000年代における最高のヘヴィメタルバンド、In Flames。
そのヴォーカリスト、アンダース・フリーデンと、Gardenian~In Flames~The Halo Effectのニクラス・エンゲリンが中心となって結成されたプロジェクトがPassengerです。
この2人がやってる音楽ということで、想像通りの音が期待できます。
このアルバムがリリースされたのは2003年で、In Flamesの活動と重ね合わせると「Reroute to Remain」がリリースされた後ということになります。
言うまでもなく当時のIn Flamesは全盛期を迎えていました。
その中心人物であるイェスパー・ストロムブラッド。
彼は本業のIn Flamesと並行して、メロディックデスバンドのDimension Zero、オスカー・ドロニャックと組んだ正統派ヘヴィメタルHammerFall、そしてアレキシ・ライホと組んだビッグバンドのSinergyなど、数々のプロジェクトを手掛けて大成功していました。
一方、「Colony」や「Clayman」で、デスメタルヴォーカリストとして新境地を開いたアンダース。
彼もソロアルバム的な本作「Passenger」を制作したわけですが、このアルバムが実にイイ!
今回あらためてレビューしようと思って久しぶりに聴き返したんですが、ハッキリ言って大好きです。
地味でほとんど話題にならなかったと思うんですが、これは非常にハイクオリティな作品ですよ!と声を大にして言いたい。
アルバムを通じて、全曲ヘヴィグルーヴを伴ったミドルテンポの曲です。
ニクラスの非常にグルーヴィなギターリフをバックに、アンダースのムーディーで縦横無尽なヴォーカルが冴えわたっています。
クリーン・ヴォイスとディストーション・ヴォイスの使い分けが実に効果的。
コーラスパートに強力なフックがあります。
Passengerというバンド名には、「このアルバムの音楽を通じて旅に出てもらいたい」という思いが込められているそうですが、まさにその通りで、車窓から様々な心象風景が体験できるようなエモーショナルな作品となっています。
ギタリストのニクラス・エンゲリンは、Gardenianのころから知っていて、スウェーデンのメロディックデス、ヘヴィメタルの重要人物として密かに注目していました。
その彼が、本作で曲作りの上手さ、ギターワークの上手さを最大限に発揮していると思います。
彼のギターのおかげで、アンダースのヴォーカルが過去最高に素晴らしいものになっています。
だから、In Flamesからイェスパーが抜けたときに、「後任がニクラス・エンゲリンって?」となった人も多かったと思うんですが、僕は彼以外に考えられなかったんですね。
それくらいこのPassengerが良かったんですよ。
本作での聴き所ですが、全曲ですね(笑)。捨て曲無しです。
あえて挙げるとすれば、4曲目の「Just the Same」ですかね。
ニクラスらしい印象的なギターリフと、アンダースの多彩なヴォーカルが魅力的な曲で、シングルカットされてもおかしくない本作のハイライトです。
いや、やっぱり全曲がハイライトだな(笑)。
ドラムはTransport LeagueやDream Evilのパトリック・ヤルクステン、ベースはGardenianのハーカン・スコーゲルですが、彼らがボトムを支えて、非常に良い楽曲群に仕上げています。
残念ながら、僕が調べた限りでは本作CDは廃盤になっているようです。
大手のCentury Mediaからリリースされたにもかかわらず・・。
サブスクリプションなら聴けます。
オルタナティブメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、オルタナティブメタルも同じだ。おそらく60代、70代になっても愛聴するだろう。そう思っています。
僕も50代になりましたが、変に老成することなく、このときのPassengerのように粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。
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