こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
僕はいまから2年前に過労とパワハラで半年間も休職した人間です。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養していたんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
過去は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は生々しく鮮烈に思い出されますよね。
第29回目は米国のHate Eternal(ヘイト・エターナル)の1枚目のフルレンスアルバム「Conquering the Throne」です。
「Conquering the Throne」は1999年リリースで、1999年は平成11年になります。平成11年は筆者が25歳のときに当たります。
■1999年の日本(wikipediaより)
◆コギャル文化が変質しヤマンバファッションが出現◆iモードサービスが始まり携帯電話・PHSの加入台数が5000万台を突破◆臓器の移植に関する法律に基づく初めての脳死臓器移植が実施◆日本銀行、ゼロ金利政策実施◆歌手・安室奈美恵の実母が義弟に殺害され、義弟も自殺◆西武の大物ルーキー・松坂大輔投手が日本ハム戦でプロ初登板を果たし、8回2失点の好投でプロ初勝利◆西村博之が2ちゃんねる(現・5ちゃんねる)を開設◆NTTがNTT東日本とNTT西日本、NTTコミュニケーションズに分割 ◆第一勧業銀行と富士銀行、日本興業銀行の3行が持株会社を設立(現在のみずほフィナンシャルグループ)◆東海村JCO臨界事故発生 ◆ジャニーズ事務所のアイドルグループ・嵐がデビュー
◆ベストセラー:乙武洋匡『五体不満足』浅田次郎『鉄道員(ぽっぽや)』さくらももこ『さくら日和』五木寛之『他力』山崎豊子『沈まぬ太陽』◆映画:『シン・レッド・ライン』『エネミー・オブ・アメリカ』『菊次郎の夏』『ハムナプトラ』『スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス』『マトリックス』『ファイト・クラブ』『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』...etc.
Hate Eternalは1997年にデスメタルの聖地、米国フロリダのタンパで結成されました。
フロリダがデスメタルの聖地といわれる由来は、1980年代以降にDeathやObituaryやMorbid AngelやDeicideが活動していたからですが、このHate Eternalは遅れてきた高性能デスメタルマシーンといったところです。
Hate EternalはMorbid Angelの名盤「Domination」に参加していたギタリストのエリック・ルータンが、Suffocationのダグ・セリートや猛烈なブラストビートを操るティム・イェングらと結成したバンドです。
あのMorbid AngelとSuffocationのメンバーが結成したデスメタルのニューバンドということで、すごく期待されていたと記憶しています。
その期待に応える猛烈な真正デスメタルをプレイしています。
冒頭の「Praise of the Almighty」からティムの猛烈なブラストビートが炸裂。
4、7、9曲目はダグ・セリートが書いた曲ですが、4曲目「Nailed to Obscurity」に至ってはブラストパートが長い!凄まじいの一言です。
そして個人的に本作のハイライトは2曲目の「Dogma Condemned」で、中盤にエリックのドラマティックなギターソロパートがあります。
本作以降もコンスタントに作品を発表しているHate Eternalですが、面白いのは作品ごとに新しいドラムプレイヤーを加入させているところですね。
ティム・イェングはこの作品のみでバンドを離れており、その後、デレク・ロッディー、ジェイド・シモネット、チェイソン・ウェストモアランド、ハンス・グロスマンといった面々が叩いています。聴き比べると面白いですよね。
そして2021年には、ニュードラマーとしてなんとOriginのジョン・ロングストレスが加入しています。
もう一つあっと驚いたニュースとしては、エリックがパット・オブライエンの後任としてあのCannibal Corpseに参加して現時点の最新作でプレイしてるんですよね!
デスメタルをただのうるさい馬鹿げた音楽だと思ってはいけない。極めて芸術性の高い作品もあるのだ。若い頃ビートルズの先鋭的な音楽を聴いて衝撃を受け、50代、60代になってもマニアで居続ける人がいるが、デスメタルも同じだ。おそらく50代、60代になっても愛聴するだろう。そう思っています。
筆者も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのHate Eternalのように、粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。
【エリック・ルータン参加作品】