こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
僕はいま過労とパワハラで5か月も休職しています。
休職期間中は仕事のことを一切忘れて、デスメタルTシャツを着込んで、デスメタルを聴きながら療養しているんですよ。
さて休職して自分と向き合う時間ができたので平成の振り返りをしたいんですが、僕にとって平成の30年間(から令和の現在まで)ほぼどっぷりヘヴィメタルを聴いて過ごしてきたんですね。
そこで平成の回顧録的観点から、もはやクラシックだが色褪せないヘヴィメタルの名盤を紹介します。
歴史は風化したり断絶したりしますが、優れた作品を聴いた時の衝撃は昨日のように思い出されるので不思議ですね。
第3回目はDeath(デス)の4thアルバム「Human」です。
「Human」は1991年リリースで、1991年は平成3年になります。平成3年は筆者が17歳のときに当たります。
■1991年の日本(wikipediaより)
◆バブル景気の終焉と失われた10年の始まり。徐々にバブル崩壊は表面化してくるが、後の平成不況の足音はまだ遠く、今後の景気を楽観的に捉える者が大勢であった◆横綱・千代の富士が通算1045勝という記録を残し現役を引退、元大関・貴乃花の息子である若花田・貴花田の兄弟力士の活躍で大相撲は世代交代の転換期を迎えた◆ジュリアナ東京スタイルが流行◆カルピスウォーターが発売されロングセラーを記録◆ベストセラー:さくらももこ『もものかんづめ』ビートたけし 『だから私は嫌われる』山崎豊子『大地の子』竹下龍之介『天才えりちゃん 金魚を食べた』◆映画:『ニキータ』『ミザリー』『ゴッドファーザーPARTⅢ』『ダンス・ウィズ・ウルブズ』『ホーム・アローン』『シザーハンズ』『プロジェクトイーグル』『羊たちの沈黙』『ターミネーター2』『就職戦線異状なし』『おもひでぽろぽろ』『ゴジラVSキングギドラ』
僕はこのアルバムをリアルタイムではなく、リリースから数年後に聴きました。
Deathは、MetallicaやMegadethなどスラッシュメタルのあとに出てきたデスメタルバンドで、Death、MorbidAngel、Obituary、Deicideはフロリダを活動拠点にしてデスメタル四羽ガラスみたいに呼ばれていました。
Deathは僕が最も尊敬するミュージシャン、故チャック・シュルディナーによって結成されました。
彼は脳腫瘍のため34歳で亡くなりましたが、彼の死はF1レーサー、アイルトン・セナの死とともに、僕にとって90-00年代のショッキングな出来事の一つでした。
このアルバムは凄いです。
演奏面でも音楽面でも突き抜けています。
「Human」の制作にあたりチャックはギターにCynicのポール・マスヴィダル、ドラムに同じくCynicのショーン・レイナートを迎えました。
Cynicは超テクニカルでオリエンタルで宇宙的な雰囲気の音楽性を持つバンドで、このメンバーと組んだことで、「Human」は恐ろしく完成度の高いアルバムとなりました。
ベースにはSadusのスティーブ・ディジョルジオ。後年リリースされた2枚組リマスター盤では、ベース&ドラムのみのトラックが収録されていますが、スティーブのベースがまた凄い。
勿論バンドの頭脳であるチャックの荒れ狂うヴォーカル&ギターワークが素晴らしい。
アルバムは鼓動のような緊張感のあるショーンのダブルベースドラムの「Flattening of Emotions」で幕を開けます。(ショーン・レイナートも2020年1月に亡くなった。まだ若いのにショック・・)
アルバム全体を通して恐ろしくテクニカルでプログレッシヴ。
ジャケット・アートワークが物語るように、暴力的な音楽性のなかに人体の小宇宙を思わせる演奏パートも随所に融合させています。
このアートワークはRene Mivilleという人物による作品。日本国内のネット上に全く情報がありませんが、素晴らしいです。
凄腕ミュージシャンを起用したこと、アートワークにRene Mivilleの作品を起用したこと、この2つがこのアルバムを奇跡的な完成度に高めました。
墓場に持っていく3枚のCDを選ぶとしたら、間違いなくこのアルバムを選びます。
僕も40代半ばになりましたが、変に老成することなく、このときのDeathのように、粗削りで暗く尖ったオッサンでありたいと思います。