こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
いま多読チャレンジをやっています。
読書は成長に必要な自己投資。いつも気が抜けない、頑張りすぎてイライラする、というときに読んでもらいたいオススメの1冊を紹介します。
『もうちょっと「雑」に生きてみないか』(和田秀樹 著)です。
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最初にこの本を読んだとき、「雑」に生きろと言われても現実シビアな場面が多い仕事では雑に出来るわけないでしょ、雑に手を抜くためには逆に相当のスキルと経験が必要でしょうと思ったんですね。
あらためて本書を読み返してみたんです。
著者の和田秀樹氏は精神科医で多数の著書があることで有名ですが、遠藤周作氏に触発され作家を目指すも失敗。
また、高校1年の時に留学試験を受けるが不合格。さらに熱狂的な映画ファンだったため、東大在学中に自主映画製作を目指すが借金を残して頓挫。
幾多の活動を経て、50歳を前にして諦めていた映画の道が開かれる。
初監督作品である『受験のシンデレラ』が、モナコ国際映画祭で最優秀作品賞など4部門を受賞する。こういう経歴の持ち主です。
優秀な先生と思いきや、こんなに失敗経験豊富とは。
しかし、挑戦するからこそ失敗するんですよね。
「失敗なき成功は無い」、先生の経歴を見るとそう思わされます。
その和田先生が本書で「雑」に生きろ、という真意は何か。
▶負けは負け、できないことはできないとあっさり認める。いまにこだわらないで、先のことを考えればいい。「そのうちできるようになればいい」と、目の前にあるものを放り投げてもいいのです。
▶仕事を途中で放り投げたり、できないことはあっさり諦めたり、嫌なことから逃げ回ったりしても、何となく収まってしまうことがあるのです。
▶「いまがすべて」という考え方ではなく、遠くを見れば、いろいろな人のいろいろなやり方や、いろいろな世界に気がつきます。自分が描いている一直線の人生には無かった世界が見えてきます。そして、これからのことを考えれば「いま」はただの通過点になります。
▶「遠くを見る」「未来を考える」ことができれば、不運は転機を与えてくれます。
先日、ハイディ・グラント・ハルバーソン著『やり抜く人の9つの習慣』を読んだんですが、この本の中で「目標までの距離を意識する」という章があります。
「今の自分の状態」と「自分が望む、好ましい状態」を比較しないといけない。
どれだけ今の自分と理想の自分が違うのか、その距離を把握するために、注意を向け、情報を処理し、努力する。
目標が1週間先かもしれない、1年間先かもしれない、5年間先かもしれない。
こういう趣旨のことが書かれていました。
距離を意識するということは、何としてもそれをやり遂げなければならない、と窮屈に考えるのではなく、5年かかるなら気長にやってみよう、取り敢えず後回しにして直近の目標となる他のことに着手しようと考えることです。
時間をかけてもいい目標であれば、一つのアプローチではなく回り道でもいい、他のアプローチもあるはずだというふうに、いろいろ柔軟に考えるということではないでしょうか。
和田先生の主張はこれに通じるものがあります。
▶「いまがすべて」という考え方では、50パーセントの出来でも失敗になってしまう。遠くを見ることができれば、50パーセントでも「昨日よりずいぶん良くなった」「次はもっと良くなるだろう」と期待感が生まれてきます。
▶雑でも何でも「やらないよりマシ」と考えれば、気楽に手をつけることができます。
本書を読んで、まさに僕を休職に追い込んだ上司が、完璧主義者で「雑」になれない人間だというのがよく分かりました。
同時に、いつも気が抜けない、絶対負けられない、と思っていた自分自身も「雑」になれない人間だと分かりました。
スッと気持ちが楽になりました。
1回読んで放らないでよかった、もう1度読み返してよかった、そう思わせてくれる本です。
僕は約半年間休職したので、完全復活まで同等の期間がかかるとみています。
それまでは「雑」に仕事こなします。
いや、完全復活しません。退職までユルくいきます。
本日の記事は以上です。
☟『もうちょっと「雑」に生きてみないか』和田秀樹 著(新講社)