こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
いま多読チャレンジをやっています。
読書は成長に必要な自己投資。仕事に疲れた、俺たち働き過ぎではないか、というときに社会を客観的に見るオススメの1冊を紹介します。
『5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人』(熊谷徹著)です。
-PR-
著者は元NHK記者でドイツ在住27年だそうです。
残業が当たり前の日本と、残業しないのが当たり前のドイツを数多くの事例を挙げて徹底比較しています。
僕も家事育児の記事やベーシックインカムの記事などで、何度となく法定労働時間を5~6時間にすべきだと書きました。
また僕も経験があるので分かりますが、仕事に熱中してフロー状態にある人間には勝手に仕事をやらせておけばいいのです。
勝手に仕事にハマっているくせに、同僚にも同じ意識を求めるのは間違いです。
僕の糞上司がそうでした。
そういう心理状態にある人間は「未熟型うつ」の可能性が高いと思います。
こう言っては身も蓋もありませんが、2、3年前の僕自身も糞上司と同じ心理だったかもしれません。
東洋経済オンラインの記事で、佐藤優さんが下記のように書いていました。
働き方改革は総合職的に働く人たちを一般職化するための布石ではないかということです。多くのビジネスパーソンが9時~5時の労働が基本になります。有給休暇をきっちりと取り、すり減らない範囲で労働力として働かされます。そして一部の超エリート層、幹部候補だけが隠れた違うルールで仕事をする。
働き方改革の柱の1つである「非正規雇用と正規雇用の賃金格差の撤廃」も、実質は正規雇用の賃金が非正規雇用の賃金に近づくということになるかもしれません。ベースアップや昇給がなくなり、賃金が非正規雇用のほうに引っ張られるという下方圧力がかかるでしょう。
一部の超エリート層を除き、大部分は実質的に正規雇用が非正規化していくという労働力の流動性が高まっていく。
だから、収入が足りない分は副業で稼ぐ、収入を複線化する必要があるというのですね。
本書に戻ります。
日本では「お客様は神様」ですが、ドイツではサービスは召使いの意味があるそうです。
「お客様は神様」って誰が言い出したんでしょうか?
お客様も労働者もイコールに決まってます。
三波春夫さんが出所みたいですが、本当の意味は違うみたいです。
松下幸之助さんが「お客様は王様」だと言っているそうですね。
ドイツではサービスへの期待度が低いそうです。
より良いサービスにはチップを払うのが当たり前。
チップを払いたくないから自分で出来ることは自分でやる。
日本では明らかにクレーマーを基準にして「タダで」過剰にサービスしています。
ドイツではどうやってクレーマーを排除しているんでしょうか?
こういう日本とドイツの文化の違い、意識の違いがあるうえに、労働者を過剰に働かせることに対してドイツは法律の規制が厳しい。
1日労働時間10時間の厳しい上限規制があります。
また、休暇に対する意識も違います。
ドイツ人は2~3週間まとめて休みを取ることが珍しくない。「頭をクリアにして仕事のことを忘れるまで1週間はかかる。休んでいても最初の1週間は心のどこかで会社のことが思い浮かんでしまう。本当にリフレッシュできるのは2週間目からだ」という。休暇の重要な目的の一つはリフレッシュ、気分を一新することにある。仕事以外の世界も存在すること、そして自分が会社員であるだけでなく、一人の人間であることを改めて認識する。
ドイツ人は仕事の年間スケジュールを決める前に、バカンスの年間スケジュールを先に入れるそうです。
僕は休職した経験上、仕事以外の世界も存在することを知るためには、2~3週間の休みでも少ないと思います。
少なくとも半年から1年は休むことが必要と考えます。
熊谷さんはドイツと日本の客観的なデータの違いだけでなく、電通社員の過労自殺について怒りを込めて書いています。
また、自身のNHK時代が如何にブラックだったかというくだりでは「もう二度とやりたくない」と書き、NHKの労働組合がストライキに入ったときに、スト破りをして過酷な労働環境で仕事させられ、「徹夜とタバコの煙が大嫌いな私は、ストライキを心から呪った」と、心中を滲ませる箇所などは面白いです。
本書は日本の労働慣行が如何に劣悪で非常識かをあぶり出しています。
本日の記事は以上です。
☟『5時に帰るドイツ人、5時から頑張る日本人』熊谷徹(SB新書)