こんにちは、40代オッサンtrrymtorrsonです。
3年前に休職して以降、自分と向き合うために読書に力を入れることにしました。
当初は「年間100冊読もう!」と意気込んだのですが、昨年は50冊。今年も50冊ペースですね。
それでも以前は年間2~3冊しか読んでなかったので、十分多読生活だと言えます。
休職してからたくさん本を入手するようになって、蔵書は190冊くらいになりました。
これまでに読んだ本はもちろん100冊超えているのですが、「読んでブログに100冊レビューを書く」ことを目標にしてきて100冊を超えました。
読書の記録や蔵書の管理は「ブクログ」というアプリを使用しています。
休職~復職を経て、この3年間のうちに150冊以上本を読んできましたが、この本ほど「役に立った」「ためになった」と思えたのは初めてです。
中野剛志さんの『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』です。
本書の見開き裏に、「こんな高度な内容をこれ以上わかりやすく書くのはもう無理です」と中野さん自身が書いてらっしゃいます。
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経済学の本なのでむずかしそうですが、本書の第1章を読むだけで、この本の主張の7割は理解することができます。
割と厚めの本で第15章まであるのですが、余白が多く文字も大きめで、ポイントは強調文字になっているのでポイントを押さえながらサラッと読み通すことができます。
本書でまず最も押さえておくべきポイントは、「デフレ」と「インフレ」に関する理解です。
中野さんはすごくシンプルに次のようにまとめています。
▶「デフレ」⇒需要不足、供給過剰
▶「インフレ」⇒需要過剰、供給不足
ここから、デフレ下で政府が取るべき経済対策、インフレ下で政府が取るべき経済対策が明らかになります。
▶「デフレ下の経済対策」⇒需要拡大、供給抑制、雇用の確保、賃金上昇、大きな政府、積極財政、減税、金融緩和、競争抑制、規制強化、国有化、労働者の保護、グローバル化の抑制
▶「インフレ下の経済対策」⇒需要抑制、供給拡大、物価安定、賃金抑制、小さな政府、緊縮財政、増税、金融引き締め、競争促進、生産性の向上、自由化、規制緩和、民営化、労働市場の流動化、グローバル化の促進
つまり、デフレ対策とインフレ対策は、政府は正反対のことをやればいいということなんですね。
これを見ると、新聞記事やネットニュースではまったくでたらめなことが書いてあるんです。
現在のデフレ状況のなかで「生産性向上せよ、規制緩和せよ」と言ったり「労働市場を流動化せよ」と言ったり、先日は驚くべきことに増税論まで出てきています。
まったく大間違いですよね。
これまで何十年も政府はデフレ状況のなかでインフレ政策をやってきたことになります。
本書を読むと巷の経済論がいかにいい加減なのかというのが見えてくるんです。
言い換えると経済ニュースを読むときに、自分のなかに軸が出来て、正しい情報と間違った情報を見分けられるようになります。
これは凄いことです。
本書の「目からウロコが落ちる」というのは本当で、「合成の誤謬」というキーワードで政府の役割を説明したり、経済政策を「経営者目線」「ビジネス・センス」で語ると間違てしまう、ということを中野さんは指摘しています。
繰り返しになりますが、
▶「デフレ」⇒需要不足、供給過剰
▶「インフレ」⇒需要過剰、供給不足
これをまず押さえて本書を熟読することで、経済政策への理解はぐっと深まることでしょう。
本日の記事は以上です。
☟『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』中野剛志 著(KKベストセラーズ)